お散歩での愛犬の“あるある”問題行動。トラブル解消のトレーニング法を教えます!引っ張る・吠える・拾い食い・止まる等

愛犬に引っ張られて右往左往。出会う犬や人に吠えてしまう。油断すると拾い食い…。飼い主さんを悩ます、愛犬のお散歩時のさまざまな問題行動。トレーニングでしっかり解決して、お散歩をもっと楽しいものにしましょう。

 

「引っ張る」:まずはアイコンタクトから

中型犬以上の犬を迎えたら、犬に引っ張らないで歩くことを教えないと怪我につながります。犬のほうにも首や肩に負担がかかるので、引っ張らずに歩ければ、犬にも飼い主さんにもベストです。
そのためには、トレーニングによって、犬に「同じ歩調で歩いてくれると私は嬉しいし、あなたも褒められるよ」ということを教えていかなければいけません。

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トレーニンングは次のようなステップで行います。

(1)散歩中に名前を呼び、犬が振り向いたら「いい子」と褒めておやつをあげる。犬に、振り向いて飼い主さんとアイコンタクトさせたり、歩いている途中に飼い主さんを意識させる練習です。
(2)できるようになったら、フードを体の左側面に持ち、おやつをあげてアイコンタクトする練習を。最初は犬の鼻面で行い、わかるようになってきたら、手を上(飼い主さんの顔のあたり)に上げます。そうすると犬は上を見るようになります。
(3)気になっているものを犬がフォーカスしてくれると、前には行きません。振り返って飼い主さんを見るようになるので、褒めてあげます。
(4)こうして形ができてきたら、コマンド化していきます。「横について」と言ったら横に来ることを犬に教えます。オスワリを教えるのと同じ要領です。

 

「吠える」:Uターンから始めて、すれ違いの練習を

散歩中に他の人や犬に吠えてしまう犬もいます。いばって吠える子は少なく、根本は怖いという感情。社会性が乏しかったり、過去に他の犬にいじめられた経験などから、犬が身を守るために頑張ってしまうのです。
飼い主さんの指示に従うことで、怖いものと接触せずに安全にすれ違いができるということを認識できれば、犬は自分で頑張らなくなります。

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トレーニングの方法は、最初からすれ違いをさせず、苦手な刺激が来たらUターンさせて、回避させる練習をします。

(1)コマンドで「ターン」と発したら、Uターンして自ら嫌いなものから離れていく練習をさせます。吠えずに無関心に去って行く選択をさせて、うまくできたら褒めます。
(2)ターンするタイミングを少しずつずらして、距離を近づけてもターンできるようにします。
(3)できるようになったら、広い道でのすれ違いから練習を始めましょう。

無理にすれ違う練習をしてはいけません。一番よくないのは、犬が吠えて興奮しているところに「いけない!」とどなること。犬は余計に興奮するし、指示も聞こえていません。
吠える前に予防、吠えなかったら褒めるを繰り返します。吠えなかったら褒められて、気分も楽だということを犬に教え込んでいきます。

 

「不穏な犬が近づいてきた」:上手に接触を回避しよう

すべて犬が行きたいほうに行かせている飼い主さんがいます。自分の犬がフレンドリーな気持ちではなく、ケンカを吹っかけに行こうとしているのに、その感情を読めず、他の犬に近づくままにさせている。そんなとき、寄ってこられたほうの飼い主さんは、引き返すか愛犬を抱っこするかして、接触を避けること。自分の犬に危ない思いをさせると、犬好きだった子が犬嫌いになるなど、これまで積み上げてきたものを崩しかねません。
もし避けるのが気まずければ、軽く会釈だけして、自分の犬とトレーニングしている様子をみせましょう。相手の犬と飼い主さんを見ないで、自分の犬に号令をかけていると、人は寄ってこないものです。

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「散歩中に止まる」:犬のところに戻るのは逆効果の対応

散歩中に止まってしまう原因は散歩がつまらない、異なる方向に行きたい、寄り道がしたい、何か散歩中に不安や怖いことがあるなどさまざま考えられます。どのような場合でもワンちゃんが止まるごとに飼い主さんが抱っこしたりしゃがんで犬に声をかけたりすると止まることが習慣化されてしまうことも。また、無理にリードを引っ張っても、犬は反発したり余計に自発的に歩かなくなってしまいます。

止まった場合は、犬と対面になって名前を呼び、フードを使って後退していきます。犬がついて来たら「いい子」と褒めて、また犬と並んで歩きます。立ったまま呼んでもなかなか来ないので、中腰対面で呼ぶのがポイント。目線を下げると犬が安心するのです。歩くと誉められることを根気よく教えていきましょう。

 

「拾い食いをする」:ダメと叱らないと直りません

拾い食いの習慣に関しては、その行動がいけないことだと言葉やリードを活用して教えなければ直すことはできません。同時に散歩中に飼い主さんを意識する習慣をつけさせ、愛犬の行動をコントロールすることも大切です。

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もし犬が道に落ちているものに興味をもって近づき食べようとしたら、タイミングよく「ダメ」と言って、リードで自分の方へ引き寄せます。

拾い食いの習慣を消去する練習法として、道にいくつか犬の気になるものを事前に配置してその横を愛犬と家族が通過します。その際に犬が落ちているもののほうへ行こうとしたら「ダメ」と叱り、家族の許可なしに物品に近づいてはいけなことを教えていきます。

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ヘッドカラー「ジェントルリーダー」は超小型犬から超大型犬用とサイズバリエーションも豊富で頭に装着するタイプのお散歩ツールです。通常の首輪または胴輪と異なり、犬を支える支点が頭にくるため、小さな力でワンちゃんをコントロールできます。また後頭部の周りにくるループを適度に締め付けることで、ワンちゃんの興奮などすべての行動を抑制し、落ち着かせる効果があります。

問題のワンちゃんのみに使用するツールなのではなく、アメリカではパピークラス中でも活用されています。散歩中のさまざまな問題(吠える、攻撃する、リードを引っ張る、拾い食いをする、匂いかぎばかりする)の改善によいツールです。
またこのツールはご家族にトレーニングスキルがあまりなくても使用できる利点があります。ただしきちんと装着しないと効果がありませんから使用する際には必ず使用方法に熟知した方に装着の仕方と使用方法を実践で教えていただく必要性があります。

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石井 香絵

獣医師、ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets 代表、AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員 麻布大学獣医学部を卒業し動物病院で一般診療を行った後、動物行動学、行動治療を学ぶために渡米。ニューヨーク州にあるコーネル大学獣医学部の行動治療専門のクリニックに2年間所属し帰国。現在はワンちゃん、ネコちゃんの問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、セミナー・講演活動など幅広く活躍。2013年からは、アニマル・クリスタルヒーリングのファシリテーターの養成を始める。愛…

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