愛犬の足周り、チェックしていますか? 爪が伸びすぎていたり、足先が赤く腫れていたり、肉球がひび割れたり…と、意外とトラブルが多いのに、飼い主さんの目が届きにくいようです。今回は、足裏と肉球のケアについて。お手入れの習慣をつければ、異常も発見しやすくなりますよ。
足周りに多いトラブルとは?
犬の足周りのトラブルで、よくあるのが指間炎。人が暇だとつい手先をいじったりするのと同じで、犬は足先をよく舐める動物ですが、度を超して舐めすぎて、指の間が真っ赤に炎症を起こしてしまうのが指間炎です。アレルギーが原因のこともありますが、大半は精神的な問題。お散歩にも行けず暇を持て余している、生活環境が急変した、犬種特性に合わない飼い方をされている…など、犬が何らかのストレスを抱えているケースがほとんどです。カラーを巻いて舐めさせないようにすると、イライラの解消法を失って、かえってストレスが内に向かい病気になってしまうことも。なかなか完治しにくいトラブルです。
肉球をすりむいたり、爪が根元から取れてしまったりと、外傷もよくみられます。飼い主さんは普段、愛犬の足先をあまり見ていないようで、そんなになっていても気づかないことが多いんです。異常を早めに発見するためにも、足周りのチェックとケアを習慣にしたいですね。
足裏の毛がボウボウは、人が靴下でフローリングを走るようなもの
例えばトイプードルなどでは、月1回、サロンでトリミングをしてもらっていても、1カ月もたつと、足裏が毛に覆われてしまいます。足裏の毛が伸びてボウボウの状態は、人がフローリングの上を靴下で走るようなもの。人なら滑りそうなら走りませんが、犬は滑っても走るので、足を傷めかねません。高齢犬は、足腰が弱って踏ん張りがきかなくなっているので、なおさら注意が必要です。
トリミングから2週間もすれば、肉球の間の毛はだいぶ伸びてきます。
そこで、サロンに行くまでのつなぎとして、簡単な足裏の処理だけでも自宅でしてあげることをおすすめします。ペット用のバリカンかハサミを使って、5つの肉球がすべて見えるまで、肉球にかぶった毛を切っていきます。
バリカンで肉球にかぶってしまっている毛をカット。
家庭ではムリせず、この程度カットできればOK。
ハサミは100円ショップの散髪用ハサミで十分。トリマー用のものは切れすぎるので、慣れない人が使うとかえって危険です。
肉球にクリームを塗るときは、犬が何かに集中する前がおすすめ
犬のチャームポイントであるプニプニの肉球も、乾燥すると、人のかかと割れのように、ぱっくり割れてくることがあります。乾燥がひどく荒れているときは、クリームでの保湿をおすすめします。犬はクリームを塗られると、気にしてすぐに舐めてしまうので、ごはん前やガムをカミカミする前など、犬が何かに集中する前に塗るといいでしょう。最近は良いクリームが多く、5分ほどあれば浸透するので、その間、犬の意識を他のことに向けておきます。犬がリラックスしているときに塗るなら、5分ほど抱っこしておくなどの対策を。
肉球の硬さは体重によって変わり、大型犬は硬くなりやすいです。また刺激とともに硬くなるので、お散歩に行っていない犬の肉球はプニプニ状態です。愛犬の肉球が硬くなっているからといって、クリームで一生懸命プニプニを目指すのはおすすめできません。硬くなっているのは、その犬の生活環境において肉球が硬いほうがいいからです。
お手入れは大切ですが、シャンプーのしすぎが犬の皮膚を傷めるように、何事もやりすぎは禁物。程ほどを心がけてください。