犬用のおもちゃは、今、いろんなものが出ています。愛犬の喜ぶ顔が見たさに、せっせと新しいおもちゃを買い込んでいる飼い主さんも多いのではないでしょうか。しかし、おもちゃを間違って使っているケースも実は少なくないんです。
「おもちゃの選び方・使い方」について、おもちゃの2つの分類方法とそれぞれの使い方についてお話します。
犬のおもちゃを2つのグループに分類する理由は?
私は、おもちゃをA、Bの2グループに分類しています。Aグループは、犬のひとり遊び用のおもちゃ。Bグループは、飼い主さんが一緒に遊んであげるおもちゃ。
なぜA、B、2つのグループに分けるかというと、犬にひとり遊びばかりさせないためというのも理由の一つ。最近は、共働きの忙しい飼い主さんが多く、つい犬におもちゃだけを与えて「ひとりで遊んでね」と放置しがちです。でも、それをさせてしまうと、いざおもちゃを取り上げようとしたときに、取り上げられなくなってしまうんです。
犬も月齢が上がり7~8ヵ月ともなれば、物欲や執着が強くなってきます。取り上げようとすると、犬は取られたくないから逃げる。飼い主さんが追いかけて、奪い取る。それをやってしまうと、1回目は成功しても、その後どんどん取りづらくなっていきます。ですから、ひとりで遊ぶ時間も作ってあげればいいけれど、そのときはAグループのおもちゃでね、ということ。
その一方で、1日1~2回、飼い主さんが犬と向き合って、Bグループのおもちゃで一緒に遊んであげてほしいんです。犬とコミュニケーションする時間をとって、犬が口にくわえているものを取り上げるときに、「ちょうだい」とか「オフ」という言葉を教えて、快く放すことを学ばせる。それができれば、別のシチュエーションや危険なものを口にしたときでも、「ちょうだい」で危険回避ができるわけです。
犬の「ひとり遊び用のおもちゃ」を選ぶポイント
<Aグループ>のひとり遊び用のおもちゃの条件としては、
●安全性が高く、飼い主さんの監視がなくても遊べる
●耐久性がある
●サイズがその犬に合っている。そして、基本的に、人間のために作られたおもちゃは与えない
例えばスーパーボールなどを与える方がいますが、壊れやすいし、大型犬の子犬だと飲み込んだりして危険です。結果として、Aグループには、デンタルケア系のものが多く入ってきます。また、フェッチのような犬がかじれる木の棒やハーツの樹脂製デンタルボーンなど。中におやつを入れて与える知育玩具などもこのグループに入ります。ただし、歯みがきおやつのような食べて手元になにも残らないものは含めません。
Aグループのおもちゃは、つねに犬がいる環境に置いてあって、飼い主さんが介在しなくてもいつでも自由にかめるようにしておきます。ケージでお留守番のときは、ケージの中に入れておきます。甘がみやいたずら防止にもなる、それがAグループのおもちゃの概念です。
●Aグループおすすめのおもちゃ
フェッチ! (Fetch!)
犬の「ひとり遊び用のおもちゃ」はローテーションで与える
皆さん、犬のために複数のおもちゃを買ってあげると、それを全部床に転がすんです。でも、それだと飽きてしまう。ですから、Aグループのおもちゃが4つあるとしたら、それをローテーションします。1番のおもちゃを数日あげたら、それを取り除いて2番。2番を数日あげたら取り除いて3番。1、2、3、4、1、2、3、4と回していくと、同じおもちゃでも目新しくなるので、飽きるのを防げます。
また、甘がみの予防として、これならかんでもいいということを教えていきたいので、Aグループのおもちゃをかんでいたら、遠くからでもいいので「いい子だね」と声をかけて、それが正しい行為であることを犬に教えてあげるようにします。