上手に遊ばせると、愛犬はぐんぐん賢くなる。いい遊びと悪い遊びの違いはここ!

愛犬としっかり遊んであげていますか?飼い主さんが上手に遊んであげると問題行動が出にくくなる一方、誤った遊ばせ方をすると、物品に対する執着を過度に高めてしまい犬が誤ったものを口にした際に回収できなかったり、いたずらが増えてしまうことも。今回は、愛犬との「いい遊び方」を学びましょう。

このケース、どこに問題があるのでしょうか?

ある飼い主さんからこんな相談を受けました。

「洗濯物から小さいタオルや靴下を持ち出しては逃げます。追いかけて取ろうとするとウーッと本気で唸ります」

この飼い主さんには、いくつかの誤った対応がありました。

 
●NGポイント1:「引っ張りっこ」ばかりやっている
この飼い主さんは、ふだんの遊び方に問題があり、引っ張りっこばかりしていました。「くわえて、殺して、食べる」という動物本来の狩猟行動は、食べたら終わりです。人間との遊びの中にも狩猟本能を掻きたてるものはたくさんありますが、食べるわけではないので終わりがありません。引っ張りっこばかりしていると交感神経がつねに優位になって、体は疲れているのにスイッチが入りっぱなしの覚醒状態に。これでは少しの刺激でも興奮しやすく、学習能力もつきません。

NGポイント2:途中で「ちょうだい」がない

引っ張りっこが悪いわけではありません。途中で「ちょうだい」と放す練習を入れて、クールダウンさせてまた遊ぶようにすればいいんです。でないと、「くわえたら放さない」レッスンになってしまいます。

NGポイント3:飼い主さんがつねに犬を追いかける側

飼い主さんが犬を追いかけるのもダメ。基礎トレーニングができるまでは、つねに追いかけっこの鬼は犬。飼い主さんが犬の好きなおもちゃを持って逃げてください。犬におもちゃをくわえさせて、「待って~」と飼い主さんが追うと、「盗んで取って逃げる」のレッスンになってしまいます。

こうして遊べば、犬はぐんぐん賢くなる!

それでは、どんな遊び方をすればいいのでしょうか?
「本能を満たす遊び」と「頭を使う遊び」をバランスよく
引っ張りっこのように犬の本能を満たす遊びだけでなく、「物を置いて、持って来て」とか「物を隠して、探して」など、犬が頭を使って判断するような遊びをバランスよく取り入れることが大切です。
見えない物を鼻で探す「ノーズトレーニング」は、体を使わなくても頭脳プレイが楽しめるので、シニアになったときにも役立ちます。実は犬は日常的に目で判断し、案外鼻を使わないので、嗅覚を鍛える機会にも。

「ちょうだい」をマスターしよう

ペットライブス

引っ張りっこでも、持って来いでも、「ちょうだい」のマスターが必須です。一般的には次のような手順でトレーニングします。

①引っ張りっこをある程度したら、動かす手を止める。
②フードを鼻先に持っていき、犬が口からおもちゃを放したら、おやつをあげ、後付けで「ちょうだい」と言う。
③おもちゃを背後に隠して、「いいこだね」と褒める。おもちゃを隠すのは、犬が奪い返さないようにするためで、遊びの再開時に改めて取り出す。

慣れれば、「ちょうだい」と言えば、犬はおやつをもらえると思って放すようになります。そして、おやつを与えたり与えなかったりしながら、最終的にはおやつがなくてもできるようになります。ただ最初の段階では、快く放してもらうために、犬の好きなものとの「交換」が必要なんです。

「遊び」の内容をレベルアップ

「持って来い」も、物に名前をつけ、犬にその名前の物を選んで持って来させるようにすると(選別持来)、考える遊びにレベルアップします。あるおもちゃを「ミミちゃんだよ」と言いながら持って来させると、「ミミちゃん」で覚えます。次に別のおもちゃを「ハナちゃんだよ」と覚えさせれば、それぞれのおもちゃと名前を結び付けて覚えることができます。飼い主さんがトレーニングに意欲的だと、犬はそれに応えてどんどん高度なことができるようになっていきます。

遊びにトレーニングの軸がないと、犬とのコミュニケーションは、ただかわいがったり、ごはんをあげたり、散歩に行くだけ。それがトレーニングという土台を入れると、遊びながら教育ができるので、犬も楽しいし、問題行動も出にくくなります。

世間でよくみられる、遊びNG集!

●おもちゃで遊んでいるのに手を咬んでくるという飼い主さんは、おもちゃが小さすぎるのかも。長いおもちゃを使って、手を咬めない状況づくりを。

●物を破壊するやんちゃな犬の飼い主さんは、「硬い」おもちゃを求めがちで、歯が折れる原因に。

●犬どうしのように、お互いに絡み合ってレスリングのように遊ぶのもNG。人と遊ぶときは必ずおもちゃを介して。

●引っ張りっこで、犬を吊り上げたり、大きく振り過ぎたりすると、頸椎を傷めます。譲り譲られる綱引きのように行うこと。


 
愛犬のトレーニングに困ったら・・・牧口香絵先生のお薦め 「バッチフラワーレメディー」
バッチフラワーレメディとは、イギリスの医師であったバッチ博士により作られた自然療法の1種です。38種の野生の草木、花を用いてエッセンスを抽出し、さまざまな感情や精神に優しく働きかけるたものです。このレメディは「心身に表れるさまざまな不具合の根源となる感情の問題」に働きかけ、ゆがみを作り上げているネガティブな感情やトラウマを開放、取り除き、ポジティブな状態に導いてくれます。

レメディは人用として既に使用されている方も多いと思いますが、動物にも安心して使用できる療法です。(動物用には、アルコールタイプではなく、より体にやさしいグリセリンタイプを選びましょう)なかなか「ちょうだい」がマスターできない、物欲の強いコにもおすすめのレメディです。

【チコリー】
なわばり意識、物品に対する執着の緩和、要求が強いコにも効果があります。

バッチフラワーレメディ チコリー
 
 
【バーベイン】
興奮の緩和に効果があります。犬が冷静に飼い主の言葉を耳にするようになることをサポートしてくれます。

バッチフラワー レメディ バーベイン 10ml
 
 
【チェストナットバッド】
同じ過ちを繰り返すことの緩和に。いつもいたずらして物品を盗み飼い主に叱られてもまた同じ過ちをするコに効果があります。

バッチフラワーレメディ チェストナットバッド 10ml
 
愛犬に与える際には1日4回、1回2滴をご飯やおやつにまぜたり、飲み水に入れたりして与えます。飼い主さんの手に垂らしてなめさせてもよいです。注意したいのは、強制的に口をあけて与えることは避けましょう。レメディに対して拒絶感がでないように与えることが大切です。レメディは薬のように体重で何滴とは与えません。どんな動物でもどんなサイズでも同じ滴数を与えます。花のエネルギーしか入っていないのでアレルギーや副作用などの心配もありません。

石井 香絵

獣医師、ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets 代表、AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員 麻布大学獣医学部を卒業し動物病院で一般診療を行った後、動物行動学、行動治療を学ぶために渡米。ニューヨーク州にあるコーネル大学獣医学部の行動治療専門のクリニックに2年間所属し帰国。現在はワンちゃん、ネコちゃんの問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、セミナー・講演活動など幅広く活躍。2013年からは、アニマル・クリスタルヒーリングのファシリテーターの養成を始める。愛…

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