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柴犬のしつけのポイントとは?噛み癖の対処法、子犬の迎え方など専門家が解説

仰向けの柴犬
柴犬と暮らしている飼い主さん、しつけに悩んでいませんか? SNSで見られる笑顔や忠犬のイメージで柴犬との新生活をスタートすると、「想像していた性格と違う」とギャップを感じるかもしれません。これから柴犬を迎える方も、ワクワクしつつも不安を感じることがあるのでは?

日本犬のしつけに詳しい山下國廣先生に、柴犬の飼い主さんを悩ませるしつけや柴犬と良い関係を築くコツをうかがいました。もっと楽しく暮らすための参考になれば幸いです!

柴犬にありがちな「5大悩み」とは?

「柴犬はしつけが難しい」と言われることもあります。それは本当でしょうか?山下先生によれば、「実はしつけに手こずったり、噛まれたりする飼い主さんは増えています」とのこと。柴犬の飼い主さんから寄せられる5つの悩みの原因と対処法を聞いてみました。

①じゃれ噛み
イヌ科の動物本来の行動で、じゃれて人の手足などを噛むのは遊びの一環。主に1歳未満の若い犬によく見られます。ポジティブな気持ちを向けている噛みなので、叱ってはいけません。噛んだらその場から立ち去る(もしくは直立不動で無視)、噛んでこない時にこそ遊んでやる、ということを繰り返せば、犬の行動が変わり始めます。
多少の痛みが我慢できるならじゃれ噛みに付き合って遊んでもOKです。

寝転がって飼い主の手を前脚でつかむ柴犬

②触られるのが苦手
柴犬は昔から人と距離を置いて暮らしてきたので、抱っこ(拘束)や接触が苦手です。強引に捕まえようとすると防衛本能で逃げたり噛んだりすることも。犬が触られることに抵抗の少ないところから、少しずつ慣らす練習をしていきましょう。

③飼い主への攻撃
犬の食べ物やおもちゃを取り上げようとしたり、お気に入りの場所からどかそうとしたりすると攻撃してくることがあります。
これは自立心やサバイバル能力の現れで、最初は大きな問題ではなかった可能性も。飼い主さんが強く怒ったり力づくで取り上げたりした結果、犬には飼い主さんが強盗のように見え、敵対関係になってしまったのが原因。犬の見ていないところで食べ物やおもちゃを回収する、「ちょうだい」のトレーニングをする、指示で犬を移動させる、といった工夫をしましょう。

④他犬への攻撃
適切に社会化トレーニングをしていても、思春期を過ぎると相性の良し悪しが強く出てきて、とくにオスどうしではトラブルになることもあります。自分の遺伝子を残すために同性間で争うのは野生動物にもよく見られること。
「どんな犬とも仲良くする」ではなく、「どんな犬でも無視できる」ことを目標にしつけましょう。むやみに犬どうしを”挨拶“させるのはかえってトラブルのもとなのでやめましょう。

向かい合う2頭の柴犬

⑤言うことを聞かない
指示に従わない理由は、自立心の強いタイプの犬を号令とおやつでコントロールするしつけ方に限界があるから。「犬が好む行動(遊びやにおい嗅ぎなど)」をごほうびに取り入れ、「飼い主の指示に従うと好きなことができる」と教えていきましょう

柴犬に合うしつけ方法・しつけ教室を選ぶ

柴犬のルーツは縄文時代以前にまでさかのぼることができ、長年にわたって日本人と共に暮らしてきた歴史をもつ犬種。それなのにしつけが難しいと言われる理由は、しつけ方法が合っていないのかもしれません。

番犬や猟犬として働いてきた柴犬は、自分で考えて行動する自立心の強い犬種。山下先生は、「飼い主さんに意識を向け続けることを前提としたトレーニングでは短時間で飽きてしまう」と言います。芝生に伏せて笑顔の黒い柴犬

「訓練の基礎課目(スワレ、フセ、マテ、コイ、ツケ)を繰り返すだけの教室も、あまり良い結果は出ないかもしれません。ずっとアイコンタクトして、におい嗅ぎを制限して、集団で同じ練習を繰り返して……という指導は、かまってもらえることがうれしいタイプの犬でなければうまくいかないことも。私は普段の生活環境で個人指導を行うのが重要だと考えています」

訓練競技会などを目指す場合は別ですが、まずは一緒に楽しく暮らせる家庭犬が目標!柴犬の性格を踏まえたしつけや対処を心がけたいですね。

叱ってはダメ?しつけのキホンはほめること

ほめるしつけが世の中に浸透していますが、犬が噛んだりいたずらしたりしたときは、つい叱ってしまう方もいるのでは?力づくでマズルをつかんだり、ひっくり返してお腹を見せるポーズをとらせたり…。

「マズルをつかんだり犬をひっくり返したり、という拘束的な叱り方は、とくに日本犬では悪影響の方が強く出ます。強く叱ってその場では行動が止まったとしても、飼い主さんと犬の関係が悪くなっただけで終わるケースが大半ではないでしょうか。人間も犬も動物同士なので、人間が体罰という身体攻撃をすれば、犬が対抗して噛みつくようになる危険もあります

※マズル:鼻先から口元部分

マズルをつかまれる柴犬

山下先生によれば、「叱ってしつける」という発想を変えることも重要だそう。

しつけの基本はほめることです。ほめ言葉をごほうびの前触れとして教えましょう。しつけ=人間にとって不都合な行動を叱る、という発想では、犬に我慢を強いるため対立関係になりやすい。対立の機会ばかりつくっていると、犬の攻撃性を引き出してしまいます。家庭でのしつけはもちろん、体罰や強い強制を行うしつけ教室は控えましょう」

柴犬と良い関係をつくるコツは、犬らしく飼うこと

人と犬の共生の歴史は、犬の祖先が人の集落の近くで暮らし始めたのが原点です。獲物を追いかけたり不審な物音に吠えたりと、犬らしい行動をしていたのが結果的に人の役に立ったわけですよね。ところが現代はそれが問題行動と言われることもあります。

飼い主さんが責任を持って、犬が犬らしい行動や生態を発揮できる機会をつくること。それが柴犬のしつけのポイントです。現代のしつけを極端に言うと、『犬を人間にする』ことを目指す指導が多い。犬が興味を持つものやおもしろがることを理解して、人間が犬に歩み寄ることも大切ではないでしょうか

散歩中に向こうを見る柴犬

これから柴犬の子犬を迎えるときのポイントは?

最後に、これから柴犬の子犬を迎える方のために知っておきたいことをお伝えしましょう。

①子犬の選び方
犬の性格は遺伝するので、親犬を見ておくと将来の性格が予測でき、家庭に合った犬を迎えるのに役立ちます。ブリーダーの犬舎などでは見学を受け付けている場合もあるので、気になるところがあれば問い合わせてみましょう。

めをつぶってあくびをする柴犬の子犬

②迎えたらすぐに社会化
迎えてから注意したいことは、生後3ヵ月頃までの社会化期を逃さず社会化を進めること。ワクチン接種が終わる前でも通えるパピー教室などを利用するのも一案です。

※社会化:犬が人間社会で暮らしていく上で遭遇する人や他の犬、物や出来事に馴らすこと

③子犬の生活スペース
室内で飼う場合は、100%生活空間を共有するのではなく、犬のエリア、人間のエリア、共有するエリアを分けて考えるのがおすすめ。犬のプライベート空間と家族団らんの空間をつくりましょう。

④触られることに慣れる練習
柴犬は拘束や接触が苦手とはいえ、世話の一環で抱き上げたり触ったりする必要に迫られることもあります。犬に「我慢したら良いことがある」と教えることが重要。子犬の時期に限らず、根気よく続けることが重要です。

木をかじる柴犬の子犬

⑤飼い主の態度の一貫性
日常生活の中で優柔不断な妥協をしないこと。たとえば「和室は犬禁止だけど、今日は特別にOK」ということは避けましょう。最初からできないことはできないと徹底し、代わりに別の方法でその欲求を満たすのも一案。和室は犬禁止でもそれ以外のリビングや玄関を許可する、あるいは「入って」と指示をしたスペースには入室を許可する、などの習慣をつけましょう。

自立心の強い柴犬は、いつでもどこでも飼い主さんに甘える犬種と違って、そっけない態度をとることもあります。その一方で、家族に対する一途な気持ちを持っています。この「忠犬らしさ」あるいは「ツンデレ」なところも大きな魅力。柴犬との暮らしをぜひ楽しんでくださいね!

<取材・監修>
獣医師 山下國廣先生
獣医師 山下國廣先生
軽井沢ドッグビヘイビア主宰。長野県の軽井沢を拠点に、全国で家庭犬のしつけ指導や行動治療を行う。特に日本犬の飼い主から相談が多い。愛犬のすぐり(甲斐犬/享年15歳)を日本犬初の災害救助犬に育てた。

軽井沢ドッグビヘイビア

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