「ガムの選び方・使い方」、よくある疑問に中村先生がお答えします
前編では、中村先生にガムの使い方を教わりましたが、後編では、生徒さんたちに実際にガムを使ってみていただきました。
皆さんのガム選びや使い方の疑問について、中村先生がお答えします。
【講師:中村恒彰先生 プロフィール 】
中村恒彰 先生
獣医師の資格をもち、ライオン商事でペットの口腔内トラブル解消を目的としたデンタルケア製品や、歯みがき指導プログラムの開発に携わる、ペットのデンタルケア・オーラルケアのプロフェッショナル。
Q.ガムをあげると丸飲みしてしまいます。噛ませ方を教えてください。
(石合ベガちゃん)
A. まず、「待て」をさせて落ち着かせます。
「第四前臼歯」と「第一後臼歯」は上下の噛み合う歯ですが、ガムは、その間を狙って、口の横から差し入れます。そして、少しずつ送りながら噛ませていきます。最後まで手で持って、左右、しっかり噛ませてください。
第四前臼歯と第一後臼歯の間を狙って、口の横から入れるのがコツ。少しずつ送り込みながら、しっかり噛ませます。
ワンちゃんは必死なので、指を噛まれないように注意を!
Q.ガムは、いつどのぐらいの頻度であげればいいですか?
(斉藤パイ君)
A. 食後に与えるタイプのものであれば、食後に1日1本がめやす。カロリー的には低く作ってありますが、余分にあげたときは主食を調整してください。
寝る前に与えるタイプもあります。人間も同じですが、歯垢は夜、寝ている間に増えます。ですから、寝る前にすっきり落としておこうというものですね。
おやすみ前用のガム。少し固めの弾力性のある素材なので、いつもは“丸飲み派”のパイ君も、飼い主さんが手で持たなくても、長い間カミカミしていました。
▼おやすみ前用のガムの仕組み
パイ君、反対側でもカミカミ。上手にできてます!
Q. 歯みがきしない日にガムをあげていますが、そういう使い方でいいのでしょうか?
(待谷COCO君)
A. もし週に2~3回しか歯みがきができないなら、残りの日は補助的にオーラルケアガムを使ってもいいですね。
この食後に与えるタイプのガムは、素材が繊維状になっていて、噛む度に歯の表面をこすって歯垢を落とす仕組みになっています。
COCO君が試したのは食後用のガム。噛む度にサクサクと裂けて、歯の表面をこすります。
▼食後用のガムの仕組み
COCO君 終始、おとなしく良いコでした♪
Q.ひづめはダメと聞きますが、アキレスはどうでしょう?
(石合チェリーちゃん)
A. アキレスも繊維でできた腱ですから、半生状態のものなら、歯みがき効果があります。ただし、硬く乾燥したものは、ひづめ同様、おすすめできません。硬いものは歯を折る危険性があるだけでなく、歯がくいこまないので、歯の根本の歯垢が取れないんです。
ひづめで歯を折った経験のあるチェリーちゃん。アキレスもやめたほうが安心です(すっかりガムが気に入ったチェリーちゃん)
Q.ロープでの引っ張りっこ遊びが大好きですが、歯みがき効果はありますか?
(斉藤パイ君)
A. 布ロープやタオルなども繊維でできているので、引っ張りっこすると遊びながら歯垢も取れて、おすすめです。逆に外でのボールの“持って来い”遊びは少し注意が必要です。あまり頻度が多いと、ボールに付いた砂が研磨剤の役目をして、歯が摩耗してしまうことがあるんです。鼻先でサッカーボールをドリブルするのが大好きなコが、ボールに付いた砂で歯が削られて、歯髄まで露出したケースもありました。
なお、小さな遊び道具は、誤って飲み込んでしまうことがあるので、必ずワンちゃんのそばにいて、見守ってあげましょう。
▼オーラルケアを意識してガムを選ぶとするなら、以下のようなものがお勧めです。
1) 硬過ぎて歯の表面が磨り減ったり、歯が折れたりしないもの
2) なるべく多くの歯や、歯と歯の隙間に密着できる形状のもの
3) 少しでも長く噛んでいられるもので繊維質のもの
4) 嗜好性がよいもの
※喉に詰まるような大きさのもの(⇒誤飲して食道に詰まることも)や、消化性のよくないもの(⇒消化不良を起こしやすい) は お勧めできません。
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遊びながらデンタルケアも。使用後は洗って衛生的に。