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犬は熱中症になりやすい! 梅雨時や曇天の外出に要注意<実例紹介>


犬たちにとっては、外出がつらい季節がやってきました。涼しい季節と同じように屋外で過ごすと、熱中症になる危険性が高まるからです。

人間ならば、全身から出るたくさんの汗で熱を体外に逃せます。けれども犬は足裏にしか汗腺がなく、主には、ハァハァと呼吸をして口からしか放熱ができないのです。なので、犬は熱中症にかかりやすい体のしくみをしています。

「パンティング」と呼ばれる、口を使っての呼吸で熱を放出している様子。とくに、体の構造上気道が狭い短頭種や、脂肪が多いせいで体内に熱がこもりやすい肥満犬は、熱中症発症リスクが高いので要注意

私たち人間には問題ない環境でも、犬にとっては熱中症にかかる危険性があると認識しておかなければ! と、あらためて感じた身近な例をご紹介しましょう。ちなみに両方とも、熱中症の発症リスクが高いとされる、短頭種でも肥満犬でもありません。

 

暑さに慣れていない時期の発症例

まず1頭目は、千葉県にDog’s home SUNKSを経営する友人のドッグトレーナー・細野栄作さんの愛犬。

ジャーマン・シェパードの燦君は5月のその日、細野さんの仕事に同伴して公園でのイベントに参加していました。木陰のソフトクレートで休んでいた燦君ですが、急に下痢と嘔吐をし始めたとか。犬のプロである細野さんは、熱中症を疑ってすぐに動物病院へ。
「最後に吐いてから診察開始までは、15分。それでも『あと一歩遅かったら命も危なかったよ』と言われました。
まず、25度くらいの5月の爽快な陽気だったし、燦は当時2歳とまだ若くて健康だったし、ソフトクレート内は風通しが良かったし、こまめに水分も摂らせていたのに、なぜ熱中症になったんだろう? もしかすると、観客の前に立つから緊張したり、長時間の外出だったから体力が続かなかったのかな」と、細野さんは振り返ります。

実際に、私がこれまで取材してきた獣医師の先生方も「春先や梅雨時に、熱中症で診察する犬は多い。体がまだ暑さに慣れていないことも、熱中症を発症するリスクのひとつ」と口をそろえます。

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木陰も少ないこんな場所に、犬をつなぎっぱなしなんて! でもこの日は、実は初秋で湿度がとても低かったうえ、犬も夏の暑さに体が慣れた時期なので、春先よりも熱中症のリスクは低い。2頭も、あえて日なたを選んでいる様子

 

湿度が何よりの敵! だと実感した例

“犬トモ”の愛犬、ノーリッチ・テリアのホク君は、熱中症で合計5日間の入院をした経験があります。

7月、避暑とレジャーを兼ねて、神奈川県内のキャンプ場に、当時生後7ヵ月だったホク君を連れて出かけた犬トモ一家。川遊びをしたり、バーベキューを楽しんだりして帰宅したとき、車酔いで吐いてホク君の具合が悪そうだとは思っていたようですが・・・・・・。
「翌日もぐったりしていて、ゴハンも食べずに下痢をして、最後は血便をしたんです。動物病院で体温を計ると、40度を超えていました。入院直前は、体を低くしてブルブル震えていて、本当につらそうでした。思い起こせば、気温は30度もない曇天の日でしたが、湿度はとても高かったですね。子犬で体力もまだ十分ではなかったのも、悪条件でした。もっと注意してあげれば良かったと後悔して、犬用の熱中症予防のための温湿度測定器を購入しましたよ(笑)」

 

ペットライン 愛犬の熱中症チェッカー ピンク

そういった温湿度計を使ってもわかるように、多くの獣医師が「絶対に危険」と警鐘を鳴らすのが、愛犬を自動車の中に置き去りにすること。日陰に停車して、窓を少しずつ開けておいても、空気が循環しないので車中の湿度はあっという間に上昇します。

犬と一緒のレジャーは、飼い主も犬も楽しいもの。私も2頭の活発なテリアの飼い主として、犬たちの笑顔を見るのは幸せです。また、夏でも、比較的涼しい早朝や夜には散歩をしてあげようとも思っています。
けれども、命を奪うこともある熱中症の危険にさらすくらいならば、冷房の効いた部屋や一時預かり施設で留守番をさせたり、湿度の高い日は朝晩でも散歩を控える“勇気”も必要かもしれませんね。

熱中症計を車内に置いたところ「29.5℃ 湿度65%」といっきに警戒レベル。車の中に犬を留守番させるのは、たとえ数分でも、日陰でも危険! 春や秋でも、車内の湿度はあっという間に上昇します

 

外出時の熱中症予防グッズ

熱中症は、体内に熱がこもることで発症します。予防するには、体温が上昇しないように気をつけることが肝心!
ということで、私は、高温多湿の日の外出を避けるのはもちろん、夏の散歩時には、次のようなグッズを持参しています。

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夏の散歩の必携品。こまめな水分補給と、身体を冷やしながら、熱中症を予防しましょう!

1)保冷剤
信号待ちのときなどに、被毛が薄く、太い血管が通っているそけい部に2秒ずつくらいあてて体温の上昇を防ぎます。

2)ペットボトルにいれた水と携帯ボウル
脱水症状にならないよう、こまめに水分補給をさせています。ペットボトル入りの水は、愛犬がおしっこをしたあとに流すときも使っています。

3)携帯電話=ダウンロードした湿度計
最近、携帯電話のアプリで湿度計をダウンロードしました。散歩前や散歩中など、ときどき使用して湿度を計っています。体感でもある程度わかりますが、やはり客観的な数値は参考になることも。湿度が高いと散歩時間を短めにしたりしています。

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後ろ脚の付け根の内側=そけい部に、散歩中に何度かハンカチなどに包んだ保冷剤を左右2秒ずつくらいあてて、体温の上昇を防ぎます

 

散歩に行けないときのストレス発散法

温度も湿度も高くて散歩を控えた日は、しつこいですが「活発な」テリア2頭と、自宅で遊んでいます。

ひとつは、「ハウス遊び」。
「ハウス」の合図で、クレートに入るだけのシンプルな遊びです。なるべく、出発地点からクレートへの距離を遠く設定するのがポイント。走っていくので、運動になります(笑)。呼び戻しもしながら何度か繰り返したのち、ご褒美をあげます。

(1)なるべくクレートの遠くから、「ハウス」と合図(ドッグベッドやカフェマットを使って「ベッド」・「マット」などという合図でもOK)

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(2)愛犬ミィミィ、おやつをもらうのを楽しみに、ウキウキ笑顔で待機中。愛犬がもしハウスでじっとしていないようならば、「待て」などの合図ですぐ出てこないように指示しても。ゲーム開始前にクレート内におやつを隠しておけば、愛犬がハウス好きになりますよ

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(3)名前を呼ぶか、「待て」をさせていた場合は「よし」などの解除の号令で、ハウスから離れたところで待っている飼い主のもとへ。来たら、たっぷりほめてあげましょう

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もうひとつは、「サーチゲーム」。
部屋の座布団の下やクレートの中など、あらゆる場所におやつを隠して、「サーチ」という開始の合図とともに探させます。嗅覚を使わせるのが、ポイントとなるゲームです。

定番のボール遊びや、新しいトリックを教えたり、トレーニングを行うこともあります。要は、頭と、少しは身体を使うことで、心身に心地よい疲労感と充足感を与えてあげたいと思って遊んでいます。私も、とても楽しいです!

夏はまだこれから。梅雨時には気温が低い日もありますが、湿度には注意して、愛犬と健康な日々を過ごしてくださいね。

 

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臼井京音

ドッグライター、写真家、「犬の幼稚園 Urban Paws」園長、東京都動物愛護推進員、東京都中央区の動物との共生推進員

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