冷房をつけていても安心できない!
近年、冷房をつけて留守番させても熱中症になる犬が増えているという話を聞きました。
えっ? なぜ冷房をつけても熱中症に!? 私も2頭の小型犬の飼い主として、予防策を見直さなければ、外出中も安心できそうにありません。
獣医師などに取材した結果、冷房が切れる原因のひとつは、「人感センサー」と呼ばれるような、エアコンの省エネ機能。人の動きには反応しても、人より体が小さくて体高の低い犬の動きには反応しなかったり、犬が眠り続けている間にエアコンが切れたりすることがあるのだとか。犬の留守番時には、「冷房モード」でつけっぱなしにしましょう!
ちなみに除湿モードではなく冷房モードでも、室内の湿度は外気より下がりますが、扇風機では部屋の湿度は下がらないといわれています。犬は熱中症になりやすい! 梅雨時や曇天の外出に要注意<実例紹介>のとおり、高い湿度が高リスクとなる熱中症を予防するには、エアコン利用が最適のようですね。
ゲリラ豪雨などが原因の、予想外の停電にも要注意。停電すれば、エアコンも切れてしまいます。
我が家では、留守番中でも家じゅう自由に過ごさせていますが、窓を一カ所、30~40センチ幅くらい開けています。もちろん、防犯の面で問題のなさそうな窓で、豪雨が室内に吹き込んだ場合に備えてバスタオルも窓辺に設置。さらに、空気の滞留を防ぐため、キッチンの換気扇も回して出かけます。
それでも外出中に豪雨があると犬たちが心配になるので、充電式の扇風機も購入しようか検討中です。
留守中の室内の環境づくり
エアコンの設定がバッチリだと思っても、油断は禁物です。
部屋に日光が入る場合などは、冷房の設定温度よりも実際の室温は上昇することも。とくに、サークル内で犬を留守番させる場合、温度計で再度、犬が過ごす場所の気温とエアコンの設定温度との差をチェックしてみてくださいね。時間帯によってサークルに直射日光が射し込むならば、サークル近くのカーテンは閉めておくのを忘れずに。
万が一の停電時に室温が上昇しないためにも、犬を留守番させる際は、すべてのレースカーテンは閉め、一部のカーテンを閉めておきましょう。省エネにもなります。
また、シニアドッグや子犬は体温調節が苦手。冷房が効きすぎて寒さを感じたら逃げ込めるように、サークル内にクレートや毛布を置いておけば安心です。
私の失敗談もご紹介しましょう。
実は、飲み水を、朝の外出前に補充するのを忘れて出かけてしまったことがあります。そんな日に限って、遠方までの取材。急いで帰宅したら、案の定、犬たちの飲み水がなくなっていました。水をボウルに注ぐそばから、2頭が我先にと飲むは飲むは・・・・・・。脱水症状から熱中症を発症する数歩手前だったかもしれません。
反省を踏まえ、それ以来、飲み水用ボウルをラーメンどんぶりくらい大きいものに替えました。
イタズラできない冷却グッズの活用を
2頭のノーリッチ・テリアと暮らしていますが、10歳のリンリンは、とにかく好奇心が旺盛でなんでもかじりたがります。そんなリンリンのための冷却グッズを探していたころ、日ごろから取材でお世話になっている獣医の先生から「一部の保冷剤に使われているグリエチレングリコールは、動物が誤飲すると中毒症状を起こす」と聞きました。
そこで、リンリンでも絶対に文字どおり「歯が立たない」、アルミ製の冷却マットを購入。
数年後に1頭増えたので、2頭が好んで過ごす場所に、我が家では合計5枚のアルミマットを置いています。2頭とも、散歩から帰るとすぐにアルミマットに直行するほどの、お気に入り! 私もときどき裸足で上に立って、冷たさを心地よく楽しんでいます。
ペット用の冷却グッズは多数ありますが、もし愛犬の留守番時のイタズラが心配な場合は、破壊できないようなグッズのチョイスをおすすめします。
※直射日光が当たる場所でのアルミマットの使用は危険ですので、避けましょう。
夏はまだ、これからが本番です。
生命にも危機が及ぶ熱中症を予防するために、愛犬を留守番させるときも、万全の策を講じておきたいものですね。