ケーススタディから学ぶ ①同居犬に攻撃的な愛犬 〔愛犬の困った行動アドバイス〕 Vol.2

※この画像はイメージです。
 

犬の気持ちがわかっていない、行動の意味を読み違えている、そもそもしつけのしかたが間違っている・・・。愛犬の困った行動の多くは、実は飼い主さんの誤解や知識不足から生じています。今回は、愛犬の問題行動とその改善策について、ケーススタディから学びましょう。


〔ケース①〕
3頭のチワワと暮らしていますが、
1頭が他の2頭に攻撃的で困っています

3頭のメスのチワワを飼っていますが、そのうちのココ(仮名)が他の2頭をいじめます。とくに攻撃的になるのは、食事のときや家族が他の2頭とふれ合っているときです。3頭とも床を執拗に舐める行動も気になります。

愛犬のプロフィール(仮名):メイ(6歳5カ月) ナナ(6歳2カ月) ココ(5歳)

 

 

問題点はここにあった!

●ご主人のしつけ方法が最大の問題
最大の問題は、ご主人のしつけ方法でした。たいへん威圧的なしつけで、それがココちゃんの攻撃性を悪化させていました。犬が叱られてご主人にしっぽを振ると、“なめている”とさらに体罰。しっぽを振るのは相手をなだめる行為なのに、誤解されていたのです。

●常同障害は叱っても直らない
3頭がしきりに床を舐めたり落ちた毛を食べる行動にも、罰を与えていました。これは犬が日常的に葛藤(かっとう)やストレスにさらされていることから生じる異常行動(常同障害)で、犬自身にも止められないものです。

●お散歩をしたことがない
ショップで「チワワに散歩は必要ない」と言われ、3頭とも一度もお散歩をしたことがなく、屋外でのリフレッシュもできていませんでした。

 

こうして改善!

1.威圧的なしつけをやめる
ご主人は、「人間がボスにならなければ」という意識の強い方でした。しかし、ひと頃はやった「順位付け」理論は間違い。体罰はいらだち、葛藤、不安を増すだけで問題解決にはならないので、やめてもらいました。

2.攻撃行動が出ないように配慮する
食事は3頭別々の空間で与え、他の2頭とふれ合うときはココちゃんから見えない場所で。各自1個のクレートを与え、一日1回クレート内で静かにする練習を。ココちゃんの行動や感情を管理できるように「待て」のトレーニングを強化しました。他の2頭と仲良くできたときはほめること。どんな行動が飼い主にとって喜ばしいかを教えることは、悪い行動を過度に叱るよりずっと効果的です。

3.少しずつお散歩に慣れさせる
心身の健康維持には自然とふれ合うことも大切。5歳を過ぎた犬にお散歩の楽しさを教えるのは時間がかかりますが、少しずつ慣らしていきました。

 


牧口先生からのコメント

ホリスティックケアに理解のある飼い主さんでしたので、上記の対策に加えて、バッチフラワーレメディ※を取り入れてみました。ココちゃんには支配性や攻撃性を抑えるレメディ、ナナちゃんとメイちゃんには不安や葛藤を和らげるレメディを調合して与えたところ、3頭の心を落ち着かせるのにたいへん効果がありました。

※天然の植物の力を利用して、心や感情のバランスの乱れを調整し癒してくれる自然療法

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問題や心の状態にあわせて、38種のフラワーレメディの中から調合する。

 

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石井 香絵

獣医師、ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets 代表、AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員 麻布大学獣医学部を卒業し動物病院で一般診療を行った後、動物行動学、行動治療を学ぶために渡米。ニューヨーク州にあるコーネル大学獣医学部の行動治療専門のクリニックに2年間所属し帰国。現在はワンちゃん、ネコちゃんの問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、セミナー・講演活動など幅広く活躍。2013年からは、アニマル・クリスタルヒーリングのファシリテーターの養成を始める。愛…

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