赤ちゃんや子供と犬が仲良く暮らせる方法 ~散歩の工夫&情緒面でのメリット編~

赤ちゃんや小さい子供が愛犬と仲良くできる生活を提案するシリーズも、今回で最終回です。今回は、主に散歩の秘訣など、私が娘と4年間実践してきた経験も交えて、生活のアイデア集をご紹介したいと思います。

 

1カ月健診が終わったら ぜひ一緒に散歩へ!

新生児は、生後1カ月健診が終わるまでは原則的には外出を控えたほうがよいといわれています。その間、頻回の授乳もありママも家に閉じこもりがちですが、愛犬のストレスが溜まらないように、お散歩には連れていってあげたいですよね。我が家では、夫や実家のサポートが得にくかったこともあり、第1回目の記事でも紹介したとおり、お散歩代行サービスを利用するといった工夫をしました。

なので、娘の1カ月健診で「問題ありません。外出もOK」と小児科の医師から告げられたときは、「よっしゃー!今日からはみんなで愛犬の散歩に行くぞ~」と、うれしい気持ちに。

抱っこ紐に新生児用の専用保定パットを挿入し、2頭のノーリッチ・テリアのリードを持ち、いざ、冬の住宅街へ。最初の難関は、予想外にも、愛犬のウンチを拾うときにやってきました。背中と腰を曲げられないので、スクワットをするような動きで膝だけ曲げてウンチを拾うのです。太ももプルプル…、キツかったですね。と、これはまったくの余談なので筆を先に進めましょう(笑)。

151119_usui_A_360px
愛犬と散歩に出ると、赤ちゃんも日光浴がたっぷりできてビタミンDの生成が促されるなど、健康面でプラスになることも多数

赤ちゃんと愛犬を連れての散歩は、そもそも抱っこやおんぶしながらだと赤ちゃんが重いですし、ベビーカーでも機動力が落ちるので大変です。それでも、たとえ、誰かが自宅で赤ちゃんを見ていてくれる環境が整っていたとしても、なるべく赤ちゃんと一緒に行くことをおすすめします。多くの犬は、散歩が大好き。愛犬がそんな楽しいひとときを共有することで、赤ちゃんに対して仲間意識や親近感がぐっと増すと思うからです。

実際に、埼玉県所沢市で犬のしつけ教室INUDOGを主宰するドッグトレーナーの倉岡麻子さんも、ゴールデン・レトリーバーとアメリカン・コッカー・スパニエルの2頭と一緒に散歩に出かけたといいます。
「コッカーのほうは、子供が苦手なタイプ。散歩という時間を共有すれば、犬が子供の声を聞いたり存在を確認しやすいので、家族のメンバーであることを上手に紹介でき、仲良くなれるチャンスだと思いました」とのこと。

毎回赤ちゃんを連れて犬の散歩に出るのも大変なので、ママも無理せず、ご家族などに赤ちゃんを見ていてもらう日も作ってくださいね。ママのストレスが少ない環境こそ、愛犬にも赤ちゃんにも好影響なのですから。

151119_usui_B_572x429px
自宅にいても、赤ちゃんと愛犬が仲良くなれるきっかけはたくさん!

 

子供が歩けるようになって リードを持ちたいと言ったら?

物心もつき、歩けるようにもなり、自己主張も始まり…。子供も成長してくると、ママのマネをして愛犬と積極的に関わるようになってくるでしょう。我が家でも、「どうぞ」と愛犬におもちゃを差し出したり、寝ている愛犬にひざ掛けやらタオルやらを重ねてかけていたり、ほほえましいシーンがたくさんありました。

151119_usui_C_572x429px
様々な物や時間を犬とシェアしながら、子供は成長していきます

ところが、日課の散歩では今度は困ったことに。娘が、リードを持ちたいと言って聞かないのです。いわゆるイヤイヤ期の真っ最中だったため、なだめて諦めさせようとしても、「イヤ~ッ」と、私からリードを奪おうとしてきます。

そこで思いついたのが、愛犬の首輪にリードを2本つけて、1本を娘に持たせること。これならば、愛犬の安全は確保できます。ついでに、娘も愛犬の動きに集中しながら歩いてくれるので、興味のわいたものに向かって急に走って行ってしまわずに助かりました。

ちなみに1~3歳くらいまでの散歩ではベビーカーも携行し、娘が疲れたら載せるようにしていました。そんな娘も4歳になりましたが、いまだにダブルリードのうち1本を持つのがお気に入りのようです。

151119_usui_D_572x429px
子供がリードを持ちたがったら、このように2本のうちの1本を渡して、安全に楽しく散歩するのがオススメ

 

子供と犬のいい関係 楽しみなこれから

今年の5月に、次のような英国の研究結果を知りました。子供は自身の兄弟姉妹よりも、ペットを相談相手として選ぶケースが多いというのです。研究に携わったケンブリッジ大学大学院のマット・カッセルズ氏によると、多くの子供は同級生以上にペットとより強い絆を結ぶ傾向があり、とくに女児における犬との良好な関係は「人を助ける、共有する、協力する」といった社会的な行動を促してくれることが、英国内100の家族のデータ検証から明らかになったとか。(参照:dailymail

確かに、私自身も小学2年生から12年間をともに過ごしたヨークシャー・テリアに、よく話かけていました。意見も批判もせず、ただ、悩みを聞いてくれる愛犬によって、ありのままを受け入れられているという安心感を覚えたのを思い出します。動物介在教育(AAE)の現場では、本を開く子供のための「読み聞かせ犬」なども存在し、子供たちの情緒面の発達によい影響を及ぼしています。

もうすぐ絵本を自分で読めるようになる娘も、愛犬に読み聞かせたりするようになるのでしょうか?英国の研究結果を知るにつけても、今後、娘と愛犬2頭がどのような関係性を築いていくのか、私自身も本当に楽しみです!

151119_usui_E_572x429px

犬は人への共感力がもっとも高い動物。知能指数では犬より勝るチンパンジーは、人が指差した先を見ないが、犬は人が指差しで伝えようとする意図をはるかによく理解するという研究結果も。こうやって、子供と愛犬が散歩中に同じものを見つめる様子が見られるのも楽しみのひとつ

<関連コンテンツ>
第1回目 赤ちゃんと犬が楽しく仲良く暮らせる方法 ~出産前の準備と愛犬へのケア編~
第2回目 どの程度まで接触させていい?赤ちゃんと犬の距離感

臼井京音

ドッグライター、写真家、東京都中央区の動物との共生推進員 ドッグライター・写真家として、およそ20年にわたり日本各地や世界の犬事情を取材。毎日新聞の連載コラム(2009年終了)や、AllAbout「犬の健康」(2009年終了)、現在は『愛犬の友』、『AERA』、『BUHI』など、様々な媒体で執筆活動を行う。オーストラリアで犬の問題行動カウンセリングを学んだのち、2007~2017年まで、東京都中央区「犬の幼稚園 Urban Paws」」の園長・家庭犬のしつけインストラクターとしても、飼い主さんに…

tags この記事のタグ