犬連れお花見スポット8選(東京・神奈川・埼玉など)桜だけじゃない!ピクニック感覚で楽しもう

桜満開の土手で笑顔のポメラニアン

もう春!すいぶん暖かくなってきました。花粉症の人には少々しんどい季節でありますが、それでも犬と一緒に歩いていると、春の息吹をそこかしこに感じてワクワクします。水仙が咲き、沈丁花(じんちょうげ)の香りがふわりと漂ってくると、ああ、春が来たな~と嬉しくなりますね。犬との散歩がなかったら、このささやかな日常の悦びに気がつけなかったかも。やっぱり犬の存在は大きいです。この春の訪れの悦びを、犬と一緒に謳歌しましょう。
 

若くて元気な犬なら宴会より「お花見遠足」がオススメ!

そこで今回のテーマは「犬と一緒にお花見」。でもオススメしたい「お花見」は、提灯がぶら下がっているような桜の名所で、場所取りして、何時間も滞在する酒宴ではありません。宴会はニンゲンは盛り上がるけれど、犬は長時間待機で退屈しちゃいます。

とはいえ、歩くと痛む持病のある犬や、まったりしている高齢の老犬は、日だまりで春の光を感じ、笑い声の溢れる場所で家族以外の人にも撫でてもらうのは、いい刺激になると思います。犬の年齢、活動性、体調などにもよりますので、どんなお花見が愛犬にちょうどよいかはケースバイケースで検討してください(でも、お花見の時期って、じっとしているとけっこう寒いから、老犬は毛布などを持参して、しっかり防寒を。関節がよけいに痛くなったり、冷えて免疫が下がったら可哀想です)。

タンポポの咲く広場で伏せる2頭のジャックラッセルテリア
2018年4月中旬。武蔵野の森公園にて。主役がタンポポのお花見遠足もステキ。ジャック・ラッセル・テリアの立ち耳のジュリさんと半垂れ耳のサラさん。撮影タイムは「マテ」のいいトレーニングにもなります

健康で元気な犬なら、宴会式お花見よりも、春の自然を感じる場所を、飼い主と一緒にどんどん歩いて、クンクンにおいを嗅いでまわる方が、犬らしい喜びを満喫できます。オススメは、ピクニック感覚のお花見遠足です!

きれいなお花を愛でながら散策し、それからピクニックシートを広げて、魔法瓶に入れてきたコーヒーを飲んでひと休み。ニンゲンはおむすびやバーガーをほおばってもいいですね。犬もとなりにオスワリさせて、ひと休みする練習を。これも立派なトレーニングのひとつです。そうそう、犬にも水分補給を忘れずに。ついでに、きっと目を輝かせてこっちを見ているだろうから、クッキーでもあげましょうか。そうして軽食を食べ終わったら、そろそろシートを畳んでまた遠足の後半を再開しましょう。犬は「待ってました!」と喜んで歩き出すはずです。
 

犬友さんオススメの「厳選お花見遠足スポット」発表!

お花見遠足する目的地は、人でごった返しているいわゆる桜の名所よりも、のんびり散策できる川べりの遊歩道などがオススメです。ちょっと探してみると、穴場の桜のポイントはたくさんあります。また地元民しか知らない、小さな川沿いの桜並木などでも、けっこう見応えのある、いい場所はわりとあります。あるいは有名なところでも、ちょっと時間をずらしたり、平日に行ってみると案外すいていたりします。

では、犬友達の協力も得まして、教えてもらった厳選お花見遠足スポットを紹介しましょう。お花見も桜だけではありません。タンポポだって、シロツメクサだって、犬と一緒ならどこだってお花見遠足。素朴な野の花の可憐さにも目を向けてみると、散歩道がもっと楽しいものになります。

ムラサキハナナとイタリアングレーハウンド
2019年3月、北の丸公園(東京都千代田区)にて。野の花ムラサキハナナとともに、イタリアン・グレーハウンドの琥珀さん。犬が楽しいなら、飼い主も楽しい!

暖かい西日本は駆け足で桜前線が北上していますし、菜の花はもう終わりのところもありますが、春から初夏にかけて楽しめる場所を探してみました。東京近郊は、予報ではソメイヨシノの満開は3月末。最後にオマケで、同じく3月末にある動物好きのためのビッグイベントも掲載しておきます。犬と一緒にどんどん春のおでかけを楽しんでください。

野川公園および野川沿いの遊歩道(東京都武蔵野周辺)
国分寺市を源流に始まる野川。有名なのは、小金井市、三鷹市、調布市の三市にまたがる野川公園。それから野川は狛江市、世田谷区へと流れ、多摩川に合流するまで、多くの場所で川べりに遊歩道などが整備されている。桜の綺麗な、犬の散歩にちょうどいい穴場がいっぱいある。

桜満開の野川公園をお散歩する2頭のジャックラッセルテリア

小松川境川親水公園(東京都江戸川区)
荒川と江戸川に挟まれるように位置する江戸川区は、水と緑と花に恵まれ、桜の名所も多い。「荒川スーパー堤防」整備に合わせて植栽された「小松川千本桜」もある。そのほか地元民に愛される親水公園も複数整備されており、小松川境川親水公園もそのひとつ。区民の健康増を願って造られた約4キロの人工の小川沿いに遊歩道が続き、そこにずっと桜が植えられている。満開時の桜のトンネルは見事。地元民の自慢の憩いの場なので、マナーを守っておじゃましよう。

江戸川区の桜小道をお散歩する日本犬ミックスの桃太郎さん
和犬ミックスの桃太郎さんのおうちの近くには、素晴らしいサクラの小径がいっぱい。羨ましい!

びん沼自然公園(埼玉県富士見市
2002年にオープンした比較的新しい公園。約57,000平方メートもの広大な敷地があり、野鳥や虫なども多くて、犬にとっても素晴らしい息抜きになる。新宿から、電車とバスを乗り継ぎ(大宮駅からららぽーと富士見行きのバスに乗る)、1時間15分ほど。クルマだと1時間くらい。少し郊外に行けば、大都会東京の近くにも、いい自然はいっぱいあるのだ。

埼玉県びん沼自然公園にて、2頭のジャックラッセルテリア

庄和道の駅さくら公園(埼玉県春日部市)
本来は農村公園という名の、のどかな田園地帯にある公園。そんなに広くはないが、水路沿いに桜並木が連なり、地元の人が犬を連れて散歩に来ていたりして、郊外ののんびりした雰囲気を楽しめる。水路には大きな鯉がゆうゆうと泳ぎ、ちょっとびっくり。こちらも新宿からクルマで約1時間。ついでに隣接したところにある道の駅で、新鮮な地元野菜を買って帰れるのも楽しい。

国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)
一面ブルーのネモフィラが広がるお花畑が有名。犬も同伴できる。大人(高校生以上)450円。中学生以下は無料。犬も無料。ネモフィラの見頃は4月中旬〜下旬。同じタイミングで、チューリップや菜の花も咲いているので楽しさ倍増。ただし観光客も多いので、平日や早い時間がオススメ。通常の開園時間は9:30。ゴールデン・ウィーク中は早朝開園で7:30から。犬連れの人は早朝開園が狙い目。

ネモフィラのお花畑にて、ワイヤーミニチュアダックスのマロンくん
2018年4月中旬。ミニチュア・ワイヤーヘアード・ダックスフントのマロンさん。すごく混むので、早い時間に行ったそう。

県立津久井湖城山公園(神奈川県相模原市)
ここは桜や菜の花もきれいだし、山や湖を望む景色もよいが、お花見遠足としてオススメするなら、ルピナスの時期。見頃は5月中旬。この公園はハイキングコースも充実しているので、健脚な飼い主さんと犬も満足できる。

リピナスの前でニッコリする2頭のジャックラッセルテリア
ルピナスきれいだね~。犬も笑ってるね~♪

ジャカランダ遊歩道(静岡県熱海市)
紫色の大きな花を咲かせるノウゼンカズラ科のジャカランダは「南半球の桜」とも言われる。日本では寒くて露地栽培では普通咲かないが、暖かい熱海では5月中旬〜6月中旬くらいに花開く。ジャカランダといっても、ものすごく背の高い高木の種類もあるし、低木のタイプもあり、品種によって花期も少々異なる。公式HPで開花状況をチェックしてお出かけしよう。また、市内の中心部を流れる糸川沿いに植えられたブーゲンビリアが川に向かって枝垂れるように咲いているのも見事。ブーゲンビリアの花期は長く、5月~10月と楽しめる。

熱海のジャガランダ遊歩道
2017年6/11、熱海にて。海沿いに整備されたジャカランダ遊歩道や親水公園の街路樹など、低木から高木までの多種類のジャカランダが紫色の花をつけます。
熱海のブーゲンビリアとボクサー犬
2017年6/11の熱海にて。こんなに鮮やかなブーゲンビリアが堪能できるなんて、さすが暖かい熱海!

桜と菜の花ロード(秋田県大潟村)
いつかは行ってみたい、秋田県の桜と菜の花の一本道。県道298号線沿いに約11キロにわたり、ピンク色の桜と、黄色の菜の花がいっぺんに咲き誇る、夢のような風景が広がる。昨年(2018年)の桜の開花は4/21。今年の桜と菜の花の満開の見頃は、4月下旬〜GWの頃らしい。

菜の花ロード

<お花見遠足のマナーと注意点>

●ほかの人がシートを敷くかもしれない芝生などの場所で排泄をさせない。もし自分がお花見に行ったときウンチを踏んだら大ショックだし、食べている隣で排泄シーンを見るのはイヤなものだ。犬が悪者にならぬよう、オシッコやウンチは、人目を避けて事前にさせておく

●宴会をしている近くには近寄らず、足早に通り過ぎるとよい。(犬が好きな人ばかりとは限らない)

●観光客の多い場所は、トラブルを避けるため、時期や時間をずらす。犬が踏まれたりしたら困る。

●シュルシュルと伸びる伸縮式リードは、誰もいない広大な河川敷などならともかく、遊歩道では使用しない。

●屋台がでている場所やゴミ捨て場の近くなどは、焼き鳥の串、チキンの骨など、危険なものが落ちている可能性大。拾い食いをさせないように厳重注意

●ピクニックのランチタイムの間は、お行儀良く待たせる。無駄吠えするのを放置するのは迷惑。お花見遠足に備えて普段から、公園で飼い主がベンチに座ってひと休みする間は、静かに待てる練習を積んでおくとよい。

●ベンチに犬をのせない、テーブルに足をかけさせない。犬の足の裏は土足と同じ。公共の場での公衆衛生のマナーを守る。

●ニンゲンが花見に夢中になるあまり、愛犬をないがしろにしない。つねに自分の犬の様子は見ておくこと。犬が飽きる前に、移動するなどの対応をすること。

●安全確保のためにバギーに乗せるのは有益だが、乗せっぱなしでは犬の運動にならない。なるべく自然を満喫させてあげて。

●夜桜はもちろん、ランチタイムの時間でも桜の時期はけっこう肌寒い日がある。老犬やスムースヘアの犬は、ブランケットなどの防寒具を用意。

 

菜の花とボクサー犬
今年3/10の散歩のときに撮影した、代々木公園(東京都渋谷区)近くの歩道の植え込みの菜の花。勝手に生えている可愛い野花が、都会でも道端に意外と咲いています。

 

3月末、犬と一緒に行けるビッグイベントにもお出かけを!

今年9回目となるインターペット。来場者数が42,000人(2018年度)を超える、日本最大の人気のペットイベントとなっています。本来、ペット業界向けの国際見本市ですが、初日のビジネスディを除き、残りの3日間は一般飼い主とその愛犬も入場することができます。最新のペットグッズやフードなどの情報を得たり、購入することを目当てに来る飼い主さんがいっぱい。また一般飼い主向けのイベントやセミナーも毎年趣向を凝らして行われており、学びの場にもなっています。

そして一昨年、昨年と取材した「ハッピーグルーミングコンテスト」の「レスキューグルーミング部門」 が、今年も3月30日(土)に開催されます。今年も感動ふたたび!応援大歓迎!

interpets2018ハッピーグルーミングコンテスト風景

インターペット【Interpets】~人とペットの豊かな暮らしフェア ~

日時:2019年3月29日(金)~31日(日) 10:00~17:00
場所:東京ビッグサイト 東2・3・7・8ホール(東京都江東区有明3-10-1)

30日(土)・31日(日)は、ヴィーナスフォート→東京ビッグサイト間を無料で運行するインターペット限定送迎バスあり。リードまたはバギーのままペットと一緒にバスに乗れるのも、なかなかできない楽しい体験です。

※ペット同伴の注意事項をよく読んでご参加を。
※一般割引事前登録はこちら

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感動ふたたび! ハッピー「レスキュー」グルーミングコンテスト2018

白石かえ

犬学研究家、雑文家 東京生まれ。10歳のとき広島に家族で引っ越し、そのときから犬猫との暮らしがスタート。小学生のときの愛読書は『世界の犬図鑑』や『白い戦士ヤマト』。広告のコピーライターとして経験を積んだ後、動物好きが高じてWWF Japan(財)世界自然保護基金の広報室に勤務、日本全国の環境問題の現場を取材する。 その後フリーライターに。犬専門誌や一般誌、新聞、webなどで犬の記事、コラムなどを執筆。犬を「イヌ」として正しく理解する人が増え、日本でもそのための環境や法整備がなされ、犬と人がハッピ…

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