子猫を拾った!ドタバタ育猫奮闘記(2)ミルク授乳編

乳飲み子は大変だあ~

さて、のらの子猫を拾ってしまったものの、まだミルクの時期の子猫の飼育経験はない私。でも、飲ませにゃしゃーない!ペットショップで子猫用の粉ミルクと哺乳瓶を買ってきて、準備を始めました。

*拾った子がまだミルクの時期なのか、フードを食べられるのかは、動物病院の先生に聞いてみるとよいでしょう。基本的には、乳歯が生えている子猫は離乳食(やわらかく栄養価の高いウエットフード)を食べられるといわれています。

買ったのはこの2つ。

(左)ワンラック 哺乳器 細口乳首(スペア付き) (右)ワンラック キャットミルク

ミルクの詳しい作り方は容器などに書いてありますが、40℃くらいのお湯で粉ミルクを溶かして作ります。哺乳瓶の乳首の先からちょっとミルクを出し(においなどで気づかせるため)、子猫の顔に近づけてあげると、元気な子猫ならちゅぱちゅぱと吸い始めます。

ちなみに、牛乳を与えるとおなかを壊しちゃう子もいます。例えば子猫を拾った当日、猫用ミルクがどうしても手に入らない場合は一時的に牛乳を与えてもよいですが、継続的に与えるのは必ず猫用ミルクで。成分が違うんです。

また、ミルクを作り置きしておくのはNGです。必ずその都度新しく作ってください。哺乳瓶は煮沸消毒して清潔を保ちましょう。

 

「ミルクを飲まないんだけど!」という場合

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なかなかミルクを飲んでくれなかった、うちのまこ。おとなになっても、食にあまり興味のない子です。

 

「すぐに飲み方を覚える子」、「食いしん坊ですぐに食らいつく子」、「食に消極的な子」と、性格によっても飲ませやすい子と飲ませにくい子がいるようです。ちゃー坊は食いしん坊で、1、2回教えただけで哺乳瓶から飲む方法を覚えたのでラクだったのですが、なかなか飲んでくれない子は時間ばかりかかって苦労しました。

いくつか、コツをお伝えします。

● 子猫の顔を斜め上に向かせて、哺乳瓶~口~食道が一直線になるようにする。
● 実はおなかがいっぱいなのかも。ミルクの前に排泄させてから飲ませる(排泄のさせ方は次回)。
● もう少し時間を空けて、再度飲ませてみる。
● 哺乳瓶の乳首の穴が小さすぎて飲みづらいのかも。ゴムの穴の部分につまようじを通して大きくしたり、ハサミでちょっと切ったりして調整を。ただし、大きくしすぎると元には戻せないので、乳首部分の替えを用意しておくと◎。

以上のような工夫をしても飲まないときは、具合が悪いのかもしれません。動物病院で診てもらいましょう。自力で飲めない子の場合、シリンジやスポイトを使って少しずつ口に流し込むこともします。

ちょっと大きくなったちゃー坊。顔が斜めになっているのは、歯で乳首部分をカミカミしているから。乳歯が生えてくると乳首部分を噛みちぎってしまうことがあるので注意を。この子はそれをゴックンしてしまって、ウンチから出てくるまでドキドキでした。。。汗
乳歯が生えてきたころ。

 

1日に何回も授乳・・・はっきりいって、眠い!

このような授乳を1日に何度行えばいいかというと、子猫が小さければ小さいだけ回数が増えます。生後2週の子猫なら3~4時間おき(1日8回くらい)、生後3週の子猫なら4~5時間おき(1日6回くらい)といわれていますが・・・実際は、「3時間たったけどまだおなかいっぱい」「まだ寝ていたい」こともありますし、「もうおなか空いちゃった!」ということもあります。じゃあ何を目安にすればいいかというと、「おなかが空くと鳴く」。私は、子猫をつねにそばに置いておき、「ミーミー」と鳴き始めたら「ハイハイ、ミルクね」というふうにあげてました。

もちろん、夜中も鳴き始めるので、そのたびに眠い目をこすり、台所へ行ってミルクを作り。。。はっきりいって眠いです。どうしても起きれなくて、旦那に「無理~。お願い~」と頼んだこともありました(^^;)。
でも、子猫の授乳期は長くて5週間。人間の赤ちゃんはもっともっとかかるわけですから、それにくらべれば楽なものです。全国のお母さん、尊敬します!

ミルクを飲むちゃー坊。かわいかったなあ~

 

でも、体力的にはきつかったけど、ミルクで子猫を育てているときは、とっても充足した気持ちでした。きっとこれが「お母さん」の気持ちなんだな。。。そのときの私は「女性ホルモン」が大量に分泌されていたと思います。「この子を絶対に育てる!」という使命感でいっぱいでしたから。何か出てるんだと思います、子猫から。「私を育てろ!」という逆らえない何かが。

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授乳期は何でも吸いたがるので、私の指もよくチュウチュウ吸ってました。ほんとお母さんの気分でした。。。

 

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富田園子

編集&ライター、日本動物科学研究所会員 幼い頃から犬・猫・鳥など、つねにペットを飼っている家庭に育つ。編集の世界にて動物行動学に興味をもつ。猫雑誌の編集統括を8年務めたのち、独立。編集・執筆を担当した書籍に『マンガでわかる猫のきもち』『マンガでわかる犬のきもち』『野良猫の拾い方』(大泉書店)、『ねこ色、ねこ模様』(ナツメ社)、『ねこ語会話帖』『猫専門医が教える 猫を飼う前に読む本』(誠文堂新光社)など。7匹の猫と暮らす愛猫家。 ▶HP:富田園子ホームページ ▶執筆&編集した本: 『マンガでわかる…

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