自宅でペットを弔う「移動火葬車」で愛猫を見送って

過日、18年間共に暮らした愛猫ちびが亡くなりました。最期は慣れ親しんだわが家で見送ってあげたいと思い「移動火葬車」を利用して見送ることにしました。
コロナ禍の時代、外出しなくとも利用できるこのようなサービスは飼い主にとってもメリットが大きいですよね。参考までに、私の体験をご紹介させていただきます。
※本文中には、猫の遺体を撮影した写真が出てきます。

愛猫ちびさん、18歳で天寿を全う

愛猫ちびは、先天性の「てんかん発作」をもっている子でした。
毎日の投薬が必要で、肝臓に負担をかけているわりには長生きできたほうではないかと思います。
愛猫ちびさん。ごはんを自力で食べられなくなり、ほぼ寝たきりになって数か月。
ごはんを自力で食べられなくなり、ほぼ寝たきりになって数か月。そろそろお迎えが来るだろうと覚悟はしていました。ある朝、ほかの猫にごはんを与え、さあ次はちびにごはんを与えなくてはと目をやると、静かに亡くなっていました。

愛猫の火葬は、弔いは、どうする?仕事の予定が詰まる中…

ちびが亡くなったときは、「移動火葬車」にお願いしようと、以前から決めていました。
以前、実家の愛犬が亡くなったときは、ペットを火葬できるお寺を家族が探してきて依頼したのですが、せっかく住職さんがお経をあげてくれても、無宗教の私はピンとこず。愛犬も、初めてお経なんて聞いて、ビックリしてるかも…なんて考えてしまいました。それに、こうしたところは費用がお高い。移動火葬車はペットが住み慣れた自宅で弔うことができるし、費用の面でも、納得できるものだったのです。

 

依頼先は、知人が利用したことのある下記の会社。以前相談したときに勧められました。

ジャパン動物メモリアル社のホームページリンク

ジャパン動物メモリアル社

 

ちびが亡くなったときは仕事の予定がたくさん詰まっているときで、頭の中は「どう段取りする?」でいっぱい。真夏ではありませんでしたが、暖かい時期で、そう何日も放っておくことはできません。とりあえず、依頼の電話をしました。

 

電話ではまずお悔やみをいただき、その後、動物の種類、頭数、おおよその体重、希望の日時などを聞かれました。相談のうえ、翌日に来てもらうことに。翌日も昼間は予定が詰まっているので、私の都合で来てもらうのは夜の8時と遅い時間です。こんな時間に来てもらえるのも移動火葬車ならではですよね。

忙しいけれど、ペットもちゃんと弔ってあげたいという人には、ぴったりのサービスのような気がします。

 

ペット火葬車がわが家に到着

夜8時、火葬車が到着しました。見た目は普通のワゴン車ですから、近所の目も気になりません。自宅の駐車場に停めてもらいました。
ペット火葬車の後方

スタッフさんは喪服を着た男性1人。言葉遣いもていねいで、こちらへの気遣いが伝わってきます。

このサービスにはいくつかのプランがありますが、私が依頼したのは「家族立会葬」というプラン。このプランでは火葬の前に、お別れの儀式があります。私は無宗教ですが、心の整理をつけるために、こうした儀式は有用な気がしました。

 

末期の水、念珠、体を拭くタオル、フラワーシャワー
念珠をつけ、フラワーシャワーで囲まれた棺に入る愛猫ちびさん念珠をつけたちびさん

儀式のあと、スタッフさんは「ゆっくりとお別れをなさってください」と言い残し家族だけにしてくれました。いっしょに暮らした猫たちに、「ほら、ちびさんとお別れだよ」と挨拶させます。
いっしょに暮らした猫たちに、「ほら、ちびさんとお別れだよ」と挨拶させます。

いっしょに暮らした猫たちとのお別れ

ちびさんとのお別れ。いよいよ火葬します

ワゴン車の後ろを開けるとそこには火葬炉が。
ワゴン車後方のドアを開けると火葬炉が
遺体を乗せ、まわりをお花で飾りつけしてあげました。燃えにくい金具がついた首輪などは、いっしょに入れることができません。
遺体を火葬炉に乗せ、まわりをお花で飾りつけしてあげるスタッフさん

点火の前に、みんなで合掌。

ワゴン車の上には小さな煙突がついていて、夜だったせいか、ときどきポッポッと火の粉のようなものが見えます。ただ、よく見ないとわからないくらいのものです。

遺骨になるまでは約1時間。その間、お風呂や遅い夕食を済ませました。車で待機しているスタッフさんに飲み物とお菓子を差し入れ。火葬後は、家族でお骨上げもできますが、うちの場合はスタッフさんにお願いしました。

愛猫ちびの骨壺 ちびの骨壺

ちびの顔写真入りキーホルダーとメモリアルカードもいただきました。
点火後、「ちびさんの写真を1枚メールでお送りください」とスタッフさんに言われたのですが、それがもうグッズになっていました。
愛猫ちびの顔写真入りキーホルダーとメモリアルカード
以上ですべて終了。夜の10時前くらいになっていました。スタッフさん、遅くまでありがとうございました。

愛するペットの弔い方の選択肢のひとつとして、移動火葬車、おススメです。


※ペットの移動火葬車をご利用になる場合は、料金やサービス内容、スタッフの対応などを予め確認し、信頼できる業者を選んでください。

 

後日談)
49日が過ぎたあと、お骨は植木鉢に埋め、上に花を植えました。
お墓に入れるのは、なんとなくピンと来ないし、骨壺のままそばに置いておくより、植物が育つ土の中に埋めてあげたほうがよいような気がしたのです。
お骨は植木鉢に埋め、上に花を植えました

 

富田園子

編集&ライター、日本動物科学研究所会員 幼い頃から犬・猫・鳥など、つねにペットを飼っている家庭に育つ。編集の世界にて動物行動学に興味をもつ。猫雑誌の編集統括を8年務めたのち、独立。編集・執筆を担当した書籍に『マンガでわかる猫のきもち』『マンガでわかる犬のきもち』『野良猫の拾い方』(大泉書店)、『ねこ色、ねこ模様』(ナツメ社)、『ねこ語会話帖』『猫専門医が教える 猫を飼う前に読む本』(誠文堂新光社)など。7匹の猫と暮らす愛猫家。 ▶HP:富田園子ホームページ ▶執筆&編集した本: 『マンガでわかる…

tags この記事のタグ