だんだん暖かくなり過ごしやすい時期に入ると、ご近所の外猫の、いつもとは明らかに違う独特な鳴き声やケンカする声を聞く機会が増えてくるのでは?今回は猫の発情と避妊去勢についてお話します。
猫の発情では出血がない
発情期とは、メス猫の卵巣に卵胞が育って交尾可能な生理状態になる時期のことで、メスだけにあります。オスは発情しているメスがそばにいれば、いつでも交尾可能です。
メス猫の最初の発情は、早ければ4~5ヵ月、遅くとも12ヵ月齢で認められます(長毛種の場合は18ヵ月齢ぐらいになることも)。発情期になるとメスは、仰向けになってからだをゴロンゴロンと横転させたり、すり寄ってきたり、いつもと違う甲高い声で鳴いたりします。
一方オスは、発情中のメスが発する鳴き声やフェロモンに誘われて、大きな声で鳴いたり、尿スプレーでマーキング行動をしたり、メスを求めて脱走をはかり、他のオス猫と激しいケンカをすることもあります。
猫は交尾の刺激によって排卵が起こるので、自然排卵のヒトや犬と異なり陰部からの出血がなく、また犬のように外陰部が大きく脹らむこともありませんので、猫によっては発情兆候がわかりにくい場合もあります。
避妊去勢手術をするにあたって
愛護団体から猫を受け入れた場合は、手術済みであることがほとんどなので、お家に迎えたときにはすでに術後という方も多いかもしれません。繁殖を予定していないのなら、家庭で人と共同生活をすることを考えると、避妊去勢手術をした方が暮らしやすいと思います。猫にとっても、欲求が満たされないというストレスから解放されますし、飼い主さんにとっても、発情に伴う様々なトラブルに煩わされずに済みます。
手術時期は、健康であればいつでもできますが、メスを入れるので、体の大きさや麻酔への耐性を考慮すると、生後半年頃からが一般的ではないでしょうか。
避妊去勢手術後に気をつけたいのは
手術後、メス・オスともに気をつけたいのは、太りやすくなること。それは、性に関わる行動に費やされていた消費エネルギーが減るためです。術後すぐに太るということではなく、半年~1年後ぐらいから太り始めるケースが多いので、チェックの目をゆるめないようにしましょう。太るからといって急に食事量を減らすのは、なかなか難しいもの。そういう意味でも、生後半年頃に手術をすると、ちょうど成猫になる過程で食事量を調整する時期にあたるので、猫も飼い主さんも食事コントロールをしやすいというメリットもあると思います。
太った猫は動きたがらず、遊びに誘ってもなかなかのってきてくれません。手術をしたら太るということを念頭に置いて、太ってしまう前から運動を心がけましょう。
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