黒猫は都会に多い!?
ある専門家の調査によると、黒猫は都市部に多いそう。また、フレンドリーな性格で、複数で群れていることが多いというデータもあります。
一説によると、開けた場所が多い田舎に比べ、都市部はビルなどの建物が多いため昼間でも影ができやすく、そのため黒猫は見つかりにくい。ゆえに都市で生きやすいのではないか…といわれています。
見つかりにくいゆえに行動が大胆という説もあります。他の猫なら躊躇することも、「ヘーキヘーキ、大丈夫だって」という感じでやってしまうのでしょうか。
黒猫は大らかで争いを好まない性格?
白猫記事でも紹介しましたが、メラニン量と性格には関連性があるという説があります。神経伝達物質のドーパミンはメラニンと同じ経路で作られるためです。
海外の調査では、黒や茶色の瞳をもつ人は大らかで人当たりがよく、競争心が少ないそう。上記の黒猫の性格と一致する気がしませんか?黒猫は人(猫?)当たりがよくて競争心が少ないから、群れでいることが多いのかも。黒猫はミステリアスな雰囲気がありますが、意外と付き合いやすい性格なのかもしれませんね。
ちなみにカルフォルニア大学が1,274匹の猫の毛柄と性格の関連を調べた結果を2016年に発表したなかでは、黒猫は攻撃性が少なく穏やかで理想的なペットと述べています。
黒猫は運動神経がよくて聴覚も鋭い?
さらに、黒や茶色の瞳をもつ人は反射神経がよいというデータも。これについては、脳内のメラニン量が増えるほど脳はすばやく効率的に働くのではという仮説がとなえられています。もしかしたら黒猫も、他の毛色の猫より運動神経がいいのかも…?
人間も黒人さんのほうが運動神経がいいし、これはありそうな気がしますね。ちなみにジャワ島原産の黒いニワトリも普通のニワトリより運動神経がいいそう(笑)。ということは、クロヒョウも普通のヒョウより運動神経がいいのでしょうか…?
さらに、黒猫は嗅覚が他の毛色より優れているという説も。脳内でにおいを感知する「嗅覚野」という部分は動物種や個体によって色の濃さが異なり、色が濃いほど嗅覚が優れているらしいのです。
【嗅覚野の色】
犬・・・こげ茶色
猫・・・茶色~黄色
人・・・白っぽい
犬、猫、人の嗅覚野の色は上記の通り。最も嗅覚が優れている犬の嗅覚野は色が濃く、最も嗅覚が劣っている人の嗅覚野は色が薄いことがわかります。ちなみに人間では白人より黒人のほうが嗅覚野の色が濃く、嗅覚も優れていることがわかっています。色素欠乏症という病気になると、嗅覚が失われることも知られています。
猫は茶色~黄色と幅がありますが、メラニンの多い黒猫は多分、茶色なのではないでしょうか。つまり猫のなかでは最も嗅覚が優れているということ。脳の反応がいいという上記の説が正しいとすれば、においを感知する脳の働きが優れているのもうなずけます。
黒猫図鑑
最後に、いろんな黒猫たちを見てみましょう。
●長毛の黒猫
もちろん黒の長毛もいます。モップ感がすごい(笑)
●毛の一部が赤茶けてしまった黒猫
チロシンという成分が不足すると、メラニンを十分作ることができず黒毛が赤茶けるそうです。写真の野良猫もチロシン不足なのかも。ちなみに総合栄養食のキャットフードを食べていればチロシン不足にはなりません。
●劣性遺伝でブラウンに
写真は普通の黒猫ではなく、ハバナという品種でブラウンの毛色が特徴。黒の毛色遺伝子はBで、優性遺伝のため1つでもBがあると黒猫になりますが、劣性のbが2つ揃ってbbになるとブラウンの毛色になります。上記のチロシン不足で毛が赤茶けるのとは異なります。
●黒猫にダイリュート遺伝子が加わるとグレーに
dilute(ダイリュート)とは「希釈する」という意味。この遺伝子が発動すると、黒が薄くなってグレー(専門用語ではブルー)になります。
●エンジェルマーク
胸やおなかに一部だけ白い毛が入る黒猫が多いよう。これはエンジェルマークと呼ばれます。中世のヨーロッパでは黒猫は悪魔の使いとして迫害されましたが、一部でも白い毛のある黒猫は迫害を免れることができたよう。そのことからエンジェルマークと名付けられたのでしょうか。
ただ、以前から疑問に思っているのですが、これは「黒の部分が圧倒的に多い白黒猫」ではないのでしょうか?(誰か教えてください!)
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