猫が噛む理由は?甘噛みの正しい対処法を行動学の専門獣医師が解説

噛まれたときにやってはいけない対処法とは?

●鼻をピン!と指で叩いたり、頭を叩いたりするのは効果なし
猫のしつけでは犬以上に体罰的な方法が合いません。人の手は温かいもの、優しいものだということを教えることが大切。威圧的なしつけにより攻撃性が誘発されてしまうので、噛んできたらそれをさせ続けないような動きをすることが基本。いけない行動であることを、タイミングよく音の刺激を使って教えます。

●悪いことをした後は接触しない
噛みついた後に猫がすり寄ってきたり舐めてきたら、「いい子ね」とほめる飼い主さんがいますが、お勧めできません。「いい」と「悪い」が近過ぎて、何がよくて何が悪いのかわからなくなってしまうからです。悪いことをしたら叱る、そのあと何かプラスなことをしてきても、それに対してリアクションはしないこと。

●NGなおもちゃもある
おもちゃには、オススメできないものもあります。例えばレーザーポインター。狩りは追いかけて捕まえて完結、それが楽しいのです。レーザーポインターは“捕まえて終了”がないから、猫にはすごくストレスになる。口でも手でもいいから触れることが重要なのです。

マタタビ入りのおもちゃも、マタタビに反応しない子もいれば、逆に興奮して攻撃的になる子もいる。おもちゃは、その子がどういうふうに使うのか、性格なども含めて選んでください。

以前、妊婦の飼い主さんから、4カ月の猫を大人しくさせたいというご相談がありました。しかし、それは無理な話。一番元気なときで、いたずらもするし走り回りもする。やはり、その動物のことをちゃんと知ったうえで飼うべきだと思います。

散歩がいらない、しつけがいらない、1泊2日ぐらいの旅行ならお留守番ができる…と、気軽に猫を飼う人が増えていますが、例えば西洋猫なら犬に近くて、お留守番できない子もいます。猫という動物のことを知ってから飼わないと、飼い主さんも猫も不幸になりかねません。

牧口香絵

獣医師、ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets 代表、AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員 1998年に麻布大学獣医学部を卒業し動物病院で一般診療を行った後、動物行動学、行動治療を学ぶために渡米。ニューヨーク州にあるコーネル大学獣医学部の行動治療専門のクリニックに2年間所属し帰国。現在はワンちゃん、ネコちゃんの問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、セミナー・講演活動など幅広く活躍。2013年からは、アニマル・クリスタルヒーリングのファシリテーターの養成…

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