犬のバランスボールを体験!筋肉付けて健康に ~リハビリから、日々の健康維持まで

最近、イヌの筋トレで話題の“バランスボール”とは?

「バランスボール」はもともと人の医療用として、1960年代にイタリアで開発され、スイスでリハビリの医療器具として発展。日本では1980年代に筑波大学が取り組みはじめ広がっていきました。

動物向けには、2001年にスイスで行なわれた国際動物リハビリ学会で紹介されていたようで、その頃から動物のリハビリに使われはじめました。日本でも当時、取り組みを始めた獣医師がいましたが、当時のバランスボールは人間用のものを使っていました。

現在人気のイヌ用バランスボールメーカー、『FitPaws』(アメリカ)が日本に登場したのは、2012年頃。このFitPawsがイヌ対応のトレーニング方法を考え出しました。

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2年前のアメリカでのペットグッズの展示会でのメーカーの展示風景。さすが、オシャレ!

一時期、多くの家庭に人用のバランスボールがあったのではないでしょうか?もちろん我が家にも今でもあります!だんだん使わなくなり、大きめのボールなので場所を取り、結果、対処に困ります…。イヌに使うにしてはゴムが薄いし大きいし…。しかし、このイヌ専用のボールはイヌ対応になっているので爪などに対しても大丈夫そうです。ただし、膨らませるのが結構大変?^^;

ここ数年、日本でも徐々に人気が広がり、ペットサロンなどで取り入れているところもあり、昨年には『わんわんフィットネス』(スポーツクラブNAS若葉台)というバランスボールとプールを専門とした施設がオープン、今回取材させていただきました。

 

実際に、どんな年代や状態のイヌにおススメなの?

バランスボールの本来の目的は“リハビリ”です。股関節形成不全症や膝蓋骨脱臼などで手術した後のリハビリや、手術するほどではないが筋肉を強化しておいたほうがいい場合など、日常生活のQOL(クオリティオブライフ)をあげるための方法です。

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バランスボールをすべて使いこなす『わんわんフィットネス』のスタッフ犬、御年11歳のリオ。

アンバランスなボールに乗ることで、身体がバランスをとるために体幹が鍛えられるのがバランスボールの仕組み。これまで体幹やインナーマッスルを強化するには、プールなどで泳ぐか、陸上での土や芝生での散歩くらいしかありませんでした。陸上で取り入れるという点においてはバランスボール以上のものはないでしょう。

また、四肢や肩甲骨周囲の筋力も強化されます。イヌはバランスボールを掴んでバランスをとることから、グリップ力も上がり、踏ん張りが効くようになります。ドッグ・ショーに出るショードッグやアジリティ―、フライボールなどをやるスポーツドッグにもおススメです。

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ショードッグのトレーニングにFitPawsが推薦しているのは突起のある『パウポッド』という、4本の足を乗せるタイプ。「スタック(立姿)・トレーニング」にかなり効果のある。高度なバランス感覚と体幹強化。アメリカのショーではかなり練習に使われているという。
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ドッグショーで骨格構成や全体のバランス、性別など「スタンダード」を確認するスタック(これはフリーのスタック。犬種によりスタックは多少違いがある)

バランスボールは子犬であれば4カ月から対応し、もちろんシニアまでOK。シニアは特に腰の筋肉が落ち、立つとプルプルしたり、踏ん張りがきかなくなったりします。全身の筋肉も落ちてくることによってさまざまな症状が身体に現れ始めます。元気で健康的な生活をおくるためにも筋肉をつけておくことは大切ですね。ちなみに、ダイエットとして行なう場合は、プールで泳ぐことを併用しながら体重を落としていくのがいいようです。

日常のお散歩では筋肉はほとんど付きません。7歳も過ぎると毎日お散歩しているのに筋肉が落ちていく…という体験はありませんか?ウチの場合も高齢犬たちがそうなので、ときどきプールで泳ぐことはしていますが。バランスボールは散歩では鍛えられない筋肉(体幹筋肉、インナーマッスル)を強化し、健康を維持していくことにつながりますね。

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「ドーナッツ」と「バランスディスク」を使い、高低差を利用することで後肢、前肢の筋力アップ。
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「ピーナツ」タイプはグリップ力が付き、踏ん張ることが出来るようになる。リハビリではやわらかいタイプを使用。

 

実践!筋力アップのトレーニング法

我が家の高齢犬たちにやらせたいと思っているのですが、子犬でもOKということで、パピートレーニングの一環として6ヵ月の風太でトライ!子犬のときからやるとかなりバランス感覚が養えるそうですよ。

それぞれのバランスボールの特長を踏まえ、いろいろと体験させていただきました。ここでは簡単に説明します。

■準備

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まずは運動前のストレッチ。どこを触られても嫌がりません。

■ディスクタイプ

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突起の足場に慣れるところから(知覚神経の刺激)。おやつが大好きで食いつきがいいコは慣れが早い。

■ピーナツタイプ

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中級者や体重負荷移動運動に最適。体幹と腹筋の強化にも。“スタック・トレーニング”にも最適。

■ドーナツタイプ

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体幹強化や体重負荷、バランス運動に。乗せやすく、安定性もある。おやつに夢中で難なくクリア!

■バランスディスク

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ディスクの上で身体を左右にひねる運動もクリア。
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“ママ、全部体験しちゃったよ。楽しいからまた来たいよ”と言ったかどうだか。

取材にうかがったこの日に来ていたのが、2週間に1回は「わんわんフィットネス」に来るというM・ダックスのパセリちゃんとご家族。御年12歳(♂)です。が、そうは見えません!ご家族は「さまざまな運動をすることで内臓も筋肉も鍛えられ、ここに来るのが楽しそうです。とにかく長生きしてもらいたいので」といいます。

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12歳のパセリちゃん。おやつが大好き!
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そのため、バランスボールはすんなりと乗れるようになったとか。
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プールも大好き。泳ぐことは内臓や循環器系強化される。運動不足や老化予防にも最適だ。パセリちゃんはプールとバランスボールを併用している。
<取材させていただいた施設>
『わんわんフィットネス』NAS若葉台
2015年の夏にオープンした、愛犬専用のフィットネス施設。スポーツクラブNASが1号店としてオープンした。専任のバランスボール講師とハイドロセラピストが常駐。プロのインストラクターが、愛犬たちの年齢・体力・健康状態に合わせて最適なプログラムを提案してくれる。プール(ハイドロセラピー)バランスボールアロママッサージドッグスパが利用できる。東京都稲城市若葉台2-1-1 フレスポ若葉台EAST3F スポーツクラブNAS若葉台内
℡042-350-5401
公式Facebookページはこちら

<インストラクター>
深澤優希さん
フィットネス_深澤さん写真ドッグトレーナーの経験を持ち、愛犬雑誌の編集も経験。愛犬のトラブルがきっかけでハイドロセラピーの世界へ。JCHA(ジャパンケイナインハイドロセラピー協会)のインストラクターとして、わんわんフィットネスで先陣を切る。飼い主さんへの対応には抜群のセンスを持っています。
「見学や質問、体験もできるので、ホントに気軽にお問合せいただきたいと思います。高齢犬はもちろんですが、運動不足が気になる場合や病気の予防にも利用してください!」

 

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花岡佳イ子

ドッグライフ・キュレーター、フリーエディター&ライター、サウンドヒーリング協会認定セラピスト、ペットの行動コンサルテーションHHP認定、アニマル・クリスタルヒーリング・ファシリテーター、 JAH認定アニマル・コミュニケーター 長年の編集者生活のうち半分以上をペット関連、特にイヌの月刊誌や書籍の編集に関わる。日本で最初のトリマー向け雑誌「Groomer」編集長、月刊「wan」編集部、その後、仲間たちと株式会社A.D.SUMMER’S(出版・編プロ)を立ち上げ、誠文堂新光社「DOGFAN」の創刊から…

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