最近は飼い主さんのしつけに対する意識も上がり、パピークラス(子犬が社会性を身につけるクラス)に参加する事も珍しくなくなってきましたが、お外だけではなくお家での練習もとっても重要です。
子犬は乾いたスポンジのように色々なことを吸収していきます。今回は、先日子犬を迎えたばかりのご家庭に伺った様子を交えながら、ご自宅でできるパピートレーニングのポイントをお伝えします。
- 犬にとって快適な住環境って?
- “人”を受け入れてもらおう!
- 甘噛み改善のポイントは?
犬にとって快適な住環境って?
まず、飼い主さんが心配していたのが豆福ちゃんの住環境。パピーに限らず犬が安心して暮らしていくためには住環境はとっても大事で、決まったスペースがないと落ち着かず、無駄吠えやマーキングなどの問題行動に発展する可能性もあります。
よく、クレートの中にトイレシーツを敷く方がいますが、それは大きな間違い。寝床でトイレをするように教えているのと同じです。サークルで仕切った中にクレートを入れ、クレートと離れた位置にトイレを設置しましょう。
犬はきれい好きな生き物で寝床と排泄場所を分ける習性があります。ハウス(クレート)トレーニングは、色々な学習をしている成犬よりもまっさらな子犬の方が受け入れやすいので早い時期からのトレーニングがオススメです。
“人”を受け入れてもらおう!
僕が子犬の飼い主さんに必ずやってもらうことの一つに「ホールディング」があります。写真のように犬を仰向けしに、静かにしていられたらご褒美をあげていきます。気をつけてもらいたいのが暴れたとき。暴れたときに離すと「暴れれば自分の意志が通る」と誤った学習をします。だからといって無理矢理力で押さえつけるのではなく、大人しくしていることをほめて、暴れる気を起こさないようにする事がポイントです。
犬は興奮することに比べ、落ち着くことが苦手です。リラックスすることや我慢することを通して、人のこと(人のすること)を受け入れてもらい、人とのつきあい方を教えていきます。上手にできるようになったら口や手脚をさわる練習も加えていきましょう。もちろんこの練習は成犬にも有効で、同じようにホールディングのトレーニングをしてもらうことがあります。成犬は子犬に比べ受け入れられるまでに時間がかかることもありますが、子犬と同じようにリラックスすることを覚えてくれます。
脇の下に手を入れ、人のおなかや胸に犬の背中をしっかりとくっつけると暴れても逃げられません(暴れていないときは手の力は緩めます)。
大型犬の場合は首輪にリードを付け、フセをさせた状態でリードを短くして踏む(立ち上がれなくしてしまう)ことで代用することもあります。
甘噛み改善のポイントは?
子犬のお悩みで多いのが甘噛み。豆福くんの飼い主さんもご多分に漏れず悩まれていました。まだまだ人間社会のルールがわからない子犬は無邪気に歯を当ててきます。僕は「あー!」とか「痛い!」と大きな声で叫び、少しビックリさせたり、何だろう?と思わせてやめさせるようにお伝えしています。「噛んできたら口の中に手を突っ込め!」とか「噛まなくなるまで無視しろ」などということを見たり聞いたりしますが、痛いので僕はやりません(笑)。
ポイントは手法論ではなく(もちろん過度のストレスや痛みを伴う手法はよくありません)、人間のした行動によって犬が甘噛みをやめるかどうか。そしてもっと大事なのは「何をすればいいか?」を伝えること。僕はあえて甘噛みをする状況をつくり、歯を当てなければいっぱい褒めるようにしています(もちろん成功しやすいように状況をコントロールします)。
そして何度も繰り返して練習していきます。人間だって教わったことを一回で完璧に覚えるのは至難の業で、犬にだけそれを求めるのは酷な話です。
また、第1回、2回でお話しした「名前に反応する練習」をしっかり身につけましょう。呼び戻しの原型にもなっていきます。
■パピートレーニングの必須アイテム
フードの出口に返しがついているリッチェル ビジーバディ スクワールもオススメです。
※今回ご紹介した方法は子犬のためのトレーニングの一例です。すでに問題に発展している場合(噛みつく、さわらせないなど)は早急に専門家にご相談ください。
ご家庭以外での練習も必要です。今やパピークラスは子犬を飼ったら必ず通わなければならないといっても過言ではありません。
僕もスタッフとして参加しているスタディ・ドッグ・スクールのパピークラスは、様々な人や犬、物にならす社会化はもちろん、名前やハウスなど生活していく上での基礎を身につけていきます。また、幼稚園では成犬が集まるクラスと同時開催しているため、先輩犬や多くの飼い主さんとふれあえることが特徴です。
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◆今日の愛犬クッパ◆
犬同士のコミュニケーションは犬にしか教えられません。この日は子犬の幼稚園に先輩犬として参加しました。経験の浅い犬を相手にする時は写真のように伏せ、怖がらせないように上手に挨拶をしてくれます。