花粉を持ち込む犯人は・・・?! 愛犬の「カンタン自宅シャンプー」プロが勧める飼い主に洗ってほしい理由とは?

愛犬のシャンプー、どうしてますか?「月1回程度、トリミングサロンにお願いしているから大丈夫」という飼い主さんも多いかもしれませんね。しかし、獣医師でありトリマーでもある箱崎加奈子先生によれば、人と犬の衛生面や健康のために、それだけではなく「 ぜひ“自宅シャンプー”を習慣にしてほしい」そうです。

今回はシャンプーや拭き取りシートを上手に活用する方法をご紹介しましょう。実は、この時期、気になる花粉対策にも有効なんです!


〈お話をうかがった方〉
獣医師 箱崎加奈子先生
獣医師及びトリマーの資格と経験を生かし、ペットのためのトータルケアサロンを開業。「ペットスペース&アニマルクリニックまりも」の院長を務める。トリミングサロン、ホテル、クリニックなどが一つになった施設で、気軽に立ち寄れて悩みを相談できると大好評! 一般社団法人女性獣医師ネットワーク代表も務める。
ペットスペース&アニマルクリニックまりも

完全室内飼いでも月1回のシャンプーでは不十分!

トリミングが必須のプードルやロングコートの犬種は、月1回程度トリミングサロンにカットとシャンプーをお願いしているケースが多いようですが、シャンプーの頻度はこれで足りているのでしょうか?先生にお聞きしてみました。

「月1回では不十分!私はその間の10日〜2週間に1回、自宅シャンプーをお勧めしています。飼い主さんは気づきにくいのですが、汚れはけっこう溜まります。外からの汚れは拭けば落ちますが、自分から出る皮脂や排泄物の汚れは、洗い流さなければ落ちません。これらは皮膚疾患の原因にもなるので、清潔な状態を保ってあげたいですよね」

獣医師でありながら、トリマーの資格をもつ箱崎先生。

汚れが目立たない毛色の犬は油断しがちですが、見えなくても汚れがついています。なんだか愛犬が心配になってきますね。そして、自宅シャンプーには衛生面以外にもメリットがあるそうです。

 

花粉を持ち込む犯人は犬?拭き取りシートで対策を

それは、花粉対策。花粉にデリケートな人は、外出から戻ると、衣服を払ったり顔を洗ったりして、体に付いた花粉を落としますが、盲点は「犬」。実は犬が家の中に花粉を持ち込んでいるんです!ライオン商事と麻布大学獣医学部、NPO法人東京アレルギー・呼吸器疾患研究所との共同研究※によって、散歩から戻った犬には、頭や背中だけでなく、足裏や腹部にも花粉がたくさん付着していることが明らかになりました。

シャンプーをすれば花粉はしっかり落ちますが、毎日のシャンプーは大変だし犬にも負担をかけてしまいますよね。そこでおすすめのアイテムが、拭き取りシート!拭き取りシート(ウェットシートボディ拭き取り用(ペット用)、シャンプータオル等)で体を拭うだけでも花粉の8割が除去できるんです。

ペット用ボディケア用品による花粉の除去効果を調べたグラフ。拭き取りシートでも十分な効果が得られるという結果に。

花粉の時期だけでなく、散歩の後や汚れが目立つとき、すぐに洗えないとき、ドッグランや野山に出かけるときにもあると便利かもしれません。さらに箱崎先生からは、「寝たきりになったシニア犬のケアにも使えます。シャンプーで犬の顔を洗うのが怖い方は、顔はシートで拭くだけでもいいですね」という使いこなしアイデアも。

水を使わないドライシャンプーや拭き取りシートでも花粉がかなり取れる。
静電気防止効果で花粉の付着も防げるシート。汚れをしっかりからめとる厚手のやわらかタイプで、愛犬がなめても安心な成分。

<今回使用したシャワーシート>

ペットキレイ シャワーシート

 

地肌まで見えるシャンプー時こそ健康チェックの絶好の機会

自宅シャンプーのメリットは、全身をくまなく触るので、健康チェックにも役立つこと。

ドライヤーで乾かすときに風で被毛が割れるので、地肌までしっかりチェックできます。自宅シャンプーとサロンのシャンプーを習慣にすれば、飼い主さんとプロが交互に体調を確認できるので、より安心ですよね」

スキンシップでも十分では?と思うかもしれませんが、実は「飼い主さんは愛犬の背中やおなかなどの同じところしかなでていない場合がとても多い」のだそうです。シャンプーは飼い主さんと愛犬の一対一の時間にもなるので、「お利口ね〜」「きれいになったね!」などと声をかけながら、楽しいコミュニケーション・タイムにしたいですね。

 

事前にブラッシングで汚れを浮かしてから、泡で洗う

自宅シャンプーのコツについて、箱崎先生に教えていただきました。
「シャワーのお湯を頭からジャーッとかけると、シャンプー嫌いにさせてしまうことも。手順を踏んで行うことが大切です。1回でくまなく洗うのは難しいので、3度洗いがおすすめ。1回目は予洗い、2回目は部分洗い、3回目に仕上げ洗いをします」

もしうまく洗えなくても、すすぎ残しがないようにしっかり流すこと。月に1回プロに頼むなら、間に行う自宅シャンプーは完璧でなくても構わないそうです。

汚れがついている場合、シャンプーが泡立ちにくい。乾いた状態でブラッシングをして汚れを浮かす。抜け毛の除去や絡みの解消もできる。

1回目は、シャンプーが混ざった泡やお湯を手でやさしく犬にかけて濡らしていくと、お湯だけよりも速く浸透します。予洗いなので、体にシャンプーが行き渡ったくらいですすぎましょう。この時、シャワーヘッドは犬の体に当てたほうが水流で驚かせずに済みます。

滑らかな表面から汚れを吸い取って包み込むのが泡の働き。できるだけ細かい泡で洗えるように先にシャンプーを泡立てておくのがコツ。洗面器に適量を入れ、シャワーの水流を強くして当てれば一気に泡ができる。
汚れがつきやすいのは足、耳、目頭、お尻、陰部、腹部など。拭いただけでは落とせない。背中は皮脂の分泌が多いところ。シャンプーをしないで愛犬をなでることは、皮脂を広げていることにも…。

2回目は、頭や顔も濡らして部分洗いを。スポンジに泡立てたシャンプーを染み込ませ、犬の頭や顔に当ててしぼります。体も再度泡で洗いましょう。


汚れが溜まりやすい耳、足、お尻などは念入りに。ただし耳と目にはシャンプーが入らないように注意すること!

3回目の仕上げ洗い。丁寧に洗うことも大切ですが、すすぎ残しがないようにしっかり流しましょう。目や耳もしっかりすすぐこと。洗い終われば体をブルブルと振るので、耳の中の水もそのときに飛んでいきます。



タオルをたくさん敷いて犬を拭く。吸水性のタオルなら水気が取れやすい。水は下に向かって落ちるので、頭から背中、足に向かって順番に拭く。

仕上げのドライヤー。エプロンの胸元に家庭用のドライヤーを入れると両手が空くので便利です。

スリッカーを使うのが一般的ですが、傷つけやすいので注意したほうが良いです。ドライヤーが苦手なら、背中が乾けばあとは自然乾燥でもOK。

 

部分洗いでもOK!汚れやすいところをピンポイントできれいに

初めて犬を洗う飼い主さんにとって、全身を濡らすシャンプーはハードルが高いかもしれません。汚れやすいところを部分洗いするだけでもすっきりします。

泡の出るシャンプーとお湯を入れた洗面器を用意。洗いたいところ(足など)を濡らしてからシャンプーの泡で洗う。シャンプーが残らないように、泡をつけたところより広範囲を洗うこと。
片手で直接スプレーできる泡シャンプー。愛犬から手を離さず使えるので部分洗いに便利。
すすいだ後はタオルドライ。足先ぐらいならしっかり拭けばドライヤーは不要。

<今回使用したシャンプー>

ペットキレイ 毎日でも洗える泡リンスインシャンプー

 

シャンプーで体調不良!?洗っていいとき・悪いとき

健康チェックに欠かせないとはいえ、犬にとってシャンプーが非日常の出来事で、負担がかかることも事実。
「体を濡らしたりお湯やドライヤーで体温が上昇したりと、体調の変化も起きやすくなります。例えば、来客の前日やお出かけした日の夜に洗うのは避けたほうがいいですね。部分洗いや拭き取りシートでしばらくしのいで、数日後に本格的に洗ったほうが安心です」

特にシニア犬は疲れやすいので、洗うときは体調に注意してください。基礎体力のある若い犬や運動をよくしている犬はそれほど心配はないかもしれませんが、犬の様子を見て考えましょう。

ワクチン接種、ノミ・ダニ駆虫薬投与などを行った場合も、1週間程度開けよう。生理中のメスはデリケートなので、全身を濡らさずに済む部分洗いや拭き取りシートが安心。

汚れをためてから洗うと通常よりも時間がかかってしまいます。箱崎先生の経験では、休憩を挟んで6時間経っても終わらなかったこともあるとか。2週間に1回の自宅シャンプーなら、犬も部屋も清潔に保ててお互いに快適ですよね。シャンプーや拭き取りシートを上手に活用して習慣にしましょう!

クリーム色のミニチュアダックスとLIONペットきれい毎日洗えるリンスインシャンプー

(文/金子 志織)

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