愛犬のリンリンも、あと一週間ほどで13歳。この1年で、なんだか急に肉体的に衰えてきた感じが…。そこで、私がこれまで20年以上、犬のプロフェッショナルの方々に取材してきて“シニア犬に良い”と聞いたことを、最近はあれこれ取り入れ始めました。
今回は、シニア犬の健康生活のための工夫点をご紹介します。
<1>ベッドから布団に変更で足腰にやさしく
愛犬のリンリンはノーリッチ・テリア。遺伝性疾患への取り組みが先進的なオーストラリアから迎えたおかげか、これまで病気をしたことはほとんどありません。ところが、10歳を過ぎてから良性の乳腺腫瘍、後肢の靱帯部分断裂、初の皮膚トラブル(膿皮症)まで発症し、飼い主としてもここ数年は愛犬をシニアドッグとして労わる生活になりました。
まず、愛犬の足腰を守るために、引越し先は和室があるところを探し、布団生活に変えました。
これまで飼い主と一緒のベッドで寝ていたリンリンに「膝の靱帯傷めたし、ひとりで床上のドッグベッドで寝てね」というのもかわいそうで…。実際、同居犬のミィミィはベッドの上で眠るので、不公平感も否めません。それならば、と、昇り降りによるジャンプが不要な布団生活にしたのです。いずれ、ミィミィも足腰が弱ってくると思うのでよい機会でした。
<2>ローソファとフロアクッションで足腰の負担軽減
買い替えたソファは、座面の高さが低いものにしました。以前は犬たちは肘置きに上り、そこから飛び降りることもあったので、肘置きがないソファをチョイス! そして、リンリンが昇り降りするところには分厚い座布団を置いています。これで、ソファから降りる時の足腰への負担は軽減させてあげられます。
<3>日光浴が大切
日々の生活では、なるべく日光浴をさせています。
免疫力アップのためにも、骨を丈夫に保つためにも、シニア期にかかわらず子犬期から大切な日光浴ですが、免疫力低下によって膿皮症を発症したのではと獣医さんから告げられて以降、積極的に日光浴をさせるようになりました。
<4>食べ物の与え方を工夫する
食事の際にも、気を付けていることがあります。
シニアドッグになると飲み込む力が弱くなるため、フードに少量の水分を足しているのがひとつ。足すのは水のほか、トッピングに使う鹿肉や鶏肉などのゆで汁のことも。
人間同様、犬でも老齢になると喉の渇きを感じにくくなるので摂取する水分量が不足しがちなのと、水分は内臓を健やかに保つためにも重要だと言われているので積極的に摂らせたいもの。そういう意味でもフードに水分を足せば、一石二鳥です!
老齢になって筋肉が衰えると、食物が食道を通過しにくくなり、ドライフードが食道にくっついてむせたりします。それを予防するため、なるべく喉がまっすぐになるようなところにフードボウルを置くようにもしています。
高めの台座とセットになったおしゃれなフードボウルも市販されていますが、残念ながら金銭的にゆとりのない我が家では、前出のフロアクッションを台座として活用しています。
ちなみに、以前はミィミィと横並びで秒殺の食事タイムだったリンリンですが、食べるスピードがかなり遅くなってしまいました。先に食べ終わったミィミィからごはんを奪われかけて喧嘩が起きて以来、リンリンがゆっくり食べられるように、ミィミィのみ廊下で早食い防止食器で食べさせています。
<5>散歩の時はハーネスと筋トレ
秋~春の散歩はなるべく太陽が出ている時間帯を選んでいますが、仕事の都合で夜間になることも。そんな寒い屋外へは、リンリンだけ保温性の高い洋服を着せるようにもなりました。老齢になると、体温の調節機能が低下してくるからです。
先日の健康診断のレントゲン検査でたまたま頚椎がヘルニアになりかけているとわかったこともあり、引っ張り癖のないリンリンですが、散歩は首に負担がかからないハーネスに変えました。
散歩中は、筋力アップのために坂道を上らせるのも日課。途中、階段横にある自転車用の急勾配なスロープも上っていますが、余裕の表情で進む様子を見ると飼い主もうれしいものです。
階段を下りる際は、膝などに負荷が大きくなるので抱っこするようにもしています。
愛犬が老いてきて、少しさびしい気持ちもあります。けれども、ゆったりとスローペースで過ごせる生活をサポートしていると、私までゆったり穏やかな気持ちになれることがあるのも、老犬との生活における発見のひとつでした。
さらに、6歳の娘が「もうおばあちゃんだからね~」と、ソファで寝ているリンリンにブランケットをかけてあげるなど、やさしく接してあげているのを見ると、ほっこりとあたたかな心地にもなります。
これからも、リンリンの老犬生活を工夫盛りだくさんでサポートしつつ、愛犬たちと一緒の楽しい思い出をもっともっと増やしていきたいと思います!