『犬と一緒に生き残る防災BOOK』コロナ禍のいま、愛犬とともに複合災害を生き延びるには

この度、日東書院さんから『決定版  犬と一緒に生き残る防災BOOK』を出させていただきました。2018年に猫版を出し、好評だったので犬版も…というお話しは、1年以上も前にいただいていました。

が、当時から大きく変わったことがあります。新型コロナウイルスです。

「複合災害」という言葉をご存じでしょうか。
大雪×地震とか、地震×津波のように複数の災害が同時に発生することです。現在はみんなが新型コロナウイルスの感染と戦っている時期。そんななかで自然災害が起きれば、これはコロナ×自然災害という「複合災害」になります。
自然災害から避難しつつ、感染にも気を付けなければなりません。避難所は「密」になりがちなので、行くのはなるべく避けなければいけません。自宅にいられないとしたら、どうすれば!?
そんな「いまの時代だからこその減災の考え方」は必須だと思いました。

犬と一緒に生き残る防災BOOKP12-13
避難所だけが避難先じゃない。頭を働かせて、「密」を避けられる避難先を準備しよう。

猫版よりパワーアップ!犬のサイズや犬種別のアドバイス

今回の犬版を作るにあたり、猫版よりページを増やしました。
(価格は据え置き(笑)。版元さん、ありがとう!)
だって、犬は猫より言わなくちゃいけないことがたくさんあるんです。同行避難の仕方だって、大型犬と小型犬で違うので。

犬と一緒に生き残る防災BOOKP18-19
小型犬はキャリーバッグに入れて、中・大型犬はリードで連れ歩いて避難するのが基本。

 

スリングに入って抱っこされるチワワ
カートは道路状況が悪ければ使えないので、リュックタイプのキャリーかショルダーバッグタイプのキャリーを用意しておこう。

犬は犬種ごとに特性や性格も違うので、災害にあたっての犬種別リスクなども伝えておきたいし。

犬と一緒に生き残る防災BOOKP56-57
飼育頭数の多いミニチュア・ダックスフンドは、見知らぬ人への攻撃性が高い犬種。ふだんからいろんな人に馴らすトレーニング(社会化)をしておきたい。

 

芝生の上で飼い主を見上げて楽しそうなダックスフント
普段の散歩で見知らぬ人への社会化は可能。本書でも方法を紹介しているが、しつけ教室などに通うのもよい方法だ。

避難生活を送るにあたって普段から慣らしておいたほうがいいコト(服を着る・靴を履くなど)もたくさん紹介したい。

犬と一緒に生き残る防災BOOKP54-55

靴を履いて雪の上を散歩するフレンチブルドッグ
糞尿のニオイや抜け毛は、避難所でクレームを受けがち。服を着ることに慣らしておけば、避難所等で生活するときに抜け毛へのクレームを減らせる。また靴は避難の際、ガラスの破片などでケガするのを防いでくれる。

ついでに、ペットシーツの活用の仕方というのも追加しました。ペットシーツで保冷剤や湯たんぽも作れるんです。コレは犬だけじゃなくペット全般に役立つ!!飼い主さんはペットシーツのストック、マストですよ!!

犬と一緒に生き残る防災BOOKP28-29

ペットシーツをジップロックに入れた保冷剤
(左)ペットシーツをジップロックに入れて作った保冷剤。カッチカチ。(右)冷凍庫から部屋に出したばかりのときの温度はー15℃。その後、室温22℃の部屋で放置して9時間後には8℃になりました。

さらに、もし学校などにペット連れで避難することになっても、「ペットは室内には入れずに校庭で」となることも多いのが実情。そんなとき、サッカーゴールとビニールシートで雨避けを作る方法も紹介しています。これは、被災地を実際に見て周り、現地のペットと飼い主を助け続けたANICEさん(本書監修)でなければ教えられない知恵です。

犬と一緒に生き残る防災BOOKP100-101
校庭に置いてあるサッカーゴールなどの遊具にブルーシートをかぶせて、雨をしのげるペットスペースを作ることができる。

巻頭にはとじ込みの災害シミュレーション・チャートも!

巻頭にはビローンと伸ばせる「災害シミュレーション・チャート」も付けました。
災害に遭ったのが「愛犬と一緒に屋外」「屋内」「飼い主だけ屋外」など状況別で分け、そこから帰宅できるかできないか等でシミュレーションしていくチャートです。

犬と一緒に生き残る防災BOOK巻頭ページ

愛犬家の皆さま、ぜひご一読いただけるとうれしいです。

決定版 犬と一緒に生き残る防災BOOK

プレゼントの応募は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。
犬の防災BOOKプレゼントバナー

富田園子

編集&ライター、日本動物科学研究所会員 幼い頃から犬・猫・鳥など、つねにペットを飼っている家庭に育つ。編集の世界にて動物行動学に興味をもつ。猫雑誌の編集統括を8年務めたのち、独立。編集・執筆を担当した書籍に『マンガでわかる猫のきもち』『マンガでわかる犬のきもち』『野良猫の拾い方』(大泉書店)、『ねこ色、ねこ模様』(ナツメ社)、『ねこ語会話帖』『猫専門医が教える 猫を飼う前に読む本』(誠文堂新光社)など。7匹の猫と暮らす愛猫家。 ▶HP:富田園子ホームページ ▶執筆&編集した本: 『マンガでわかる…

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