愛犬がシニアになってくると、以前は見せなかった行動を取るようになることも。12歳の愛犬リンリン(ノーリッチ・テリア)も、数年前に靭帯の部分断裂をしたせいか、最近はボール遊びをあまりせがまなくなりました。老けたなぁ~とさびしい気持ちになったり、関節が痛いのかな?と、飼い主としては心配にもなります。
今回はそんなシニアドッグとの生活でのお悩みを集め、以前から名アドバイスをいただいているペットケアサービスLet’sの三浦裕子さんに相談してみました。
お悩み相談1:おもちゃ遊びをしなくなりました
三浦さんのアドバイス:
以前は大好きだったボールを見ても愛犬がウキウキしなくなると、不安な気持ちになるかもしれませんね。でも、人間同様に犬も、歳をとるにつれて興味が変わるのはごく自然なこと。おもちゃ遊び以外にも、シニアドッグが興味を示す遊びはほかにもあるはずです。ぜひ、試してみてください。
たとえば、「宝探し」遊びがおすすめです。ひとつの方法は、逆さまにした紙やプラスチックのコップ内に仕込んだおやつを、愛犬の嗅覚で探させます。おやつが入っているコップと、入っていないコップを複数並べてもOK。鼻を使うことは脳トレにとても良いのですが、この遊びのミソは、コップをひっくり返しておやつを取り出すために、足先を使ったり口でくわえたりするなどの工夫によっても脳を使うこと!愛犬が考えて、自分なりの動作を生み出すことが脳トレになるのです。
毛布やタオルの下におやつを隠して探させる方法もあります。こちらは、たくさん掘るという作業によって脚を使うので、運動としても良いでしょう。
お悩み相談2:夜鳴きをするのですが…
三浦さんのアドバイス:
生活習慣を見直すだけで夜鳴きをしなくなるケースが少なくありません。夜鳴きの理由のひとつは、時差ボケ。日中にたっぷり寝てしまうと、夜は目が冴えてしまいます。なので、まずは愛犬に日中は起きておいてもらいましょう。体内時計を整えるために、まず、なるべく朝日を浴びられるようにしてあげてください。朝に散歩に出るのがおすすめです。日中は遊びの時間を設けたり、留守がちなご家庭ではデイサービスなどを利用するのも良いでしょう。
寝心地が悪いベッドで寝ているために、夜鳴きの癖がつく場合もあります。体が痛くなって犬が夜に鳴いたところ、飼い主さんに来てもらえたという経験が積み重なると、飼い主さんを呼ぶために鳴くようになるのです。体が硬くなり関節痛も増えるシニアドッグのために、寝心地の良いベッドをぜひ用意してあげてください。Let’sでも使用している高反発ベッドは、シニアドッグに心地良い眠りを提供してあげられるようです。
お悩み相談3:自宅で簡単にできる愛犬の筋トレを教えてください
三浦さんのアドバイス:
シニアドッグに過度な運動は負担になりますが、筋力が衰えてくると老化も早まってしまいます。そこで、手軽に行える、筋力アップのための簡単なトレーニングをひとつご紹介します。
これは、腰や関節などに痛みがない大型犬・中型犬に有効なトレーニングです。小型犬は、ご自宅の小さな段差(脚の長さよりも階段の段差が低いことが条件)を利用して行ってみてください。
階段の昇降はNGだとよく言われますが、前述の条件をクリアできていればそんなことはありません。とにかく、ゆっくりゆっくり、一歩ずつ進めるように階段を上ってみましょう。3本の足が地面に接地していることが大切です。
階段を、片足ずつ一歩一歩ゆっくりと上がらせると、愛犬の前肢や後肢をはじめボディを鍛えてあげられます。実は、ピョンピョンと弾みながら両脚をそろえて階段を上がる犬が多いので、片足ずつ上る動作そのものを教える過程も、脳トレとしても最適。
おやつなどを使って誘導しながら、一歩でも階段を片足で上れたら「よし!」「がんばれー」「すごいね~」などと褒めてあげるのがポイントです。あくまでも無理はせず、愛犬との遊びやコミュニケーションのひとつとして楽しく行ってみてください。
お悩み相談4:介護がつらいです。ペットロスも心配です。
三浦さんのアドバイス:
およそ15年間、老犬の介護に携わってきて感じるのは、愛犬の世話を楽しみきると、心が疲れないということです。老犬介護はつらいもの。ついつい、すべてを飼い主さんが背負ってしまい、心配になって目を離せなくなったり、頑張りすぎてしまったり…。
けれども、それでは愛犬に飼い主さんの疲弊した姿を毎日見せることになり、愛犬も暗い気持ちになるかもしれません。介護は頑張りすぎないで、ときにはプロやほかの人の手を借りたりと、手抜きをすることも大切です。
愛犬が病気になったとしても、それは天命と受け止めて。これまで多くの犬たちを見てきて、犬は自分の天命が来てもジタバタしないで受け入れているのがすばらしいと感じます。
笑顔でお世話をやりきったと思える日々を重ねた飼い主さんほど、ペットロスが少ないと思います。愛犬が歳を取ることでできなくなったことを嘆くのではなく、たとえば「今日はごはんを完食できたね」など、できたことを褒めて一緒に楽しむくらいのゆとりを、私たちも持ちながら、愛犬とコミュニケーションを大切に毎日を過ごしてみてください。
三浦さんのアドバイスを聞きながら、12歳の愛犬にこれからどんな変化が訪れようと、飼い主としても心の準備ができたように思いました。愛犬とのこれからの毎日が楽しみです!
1日預かりデイケアによる身体介護、リハビリ、筋トレ、脳トレなど、1頭ずつのケアプランにもとづき、その日の体調に合わせたケアサービスを行うほか、介護ケアとリハビリプログラム付きの長期預かり、リハビリ支援のカウンセリング、訪問介護、予約制の犬の整体院、犬のがっこう(託犬所)など、犬の年齢を問わず多彩なサービスを展開。
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