考えていますか?愛犬の老後のお世話。 “老犬の介護・デイケア”サービス施設に潜入取材! by臼井京音

  • シェア 392
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
old-dog-1582205_620

東京都江戸川区に、老犬の1日預かりデイケアやリハビリや整体などを行う施設、ペットケアサービスLet’sがあります。今回は、10年前にLet’sを立ち上げた代表の三浦裕子さんに、老犬介護などに対する思いなどをうかがいながら、施設を案内していただきました。

犬のデイケア施設も近年は増えてきているので、シニアドッグと暮らす飼い主さん、ぜひ参考になさってください!

老犬にはスキンシップと刺激が大切!

ドッグトレーニングなどを学んだ三浦さんは、2002年からペットシッターをしていました。その時代の経験が、老犬介護の施設を作るきっかけになったといいます。

最初に老犬介護の重要性を知ったのは、20歳のシー・ズーのシッティングを1日3回×週5日依頼されたことでした。三浦さんは合計4名のチームを作り、そのシー・ズーのもとに1年以上通ったそうです。
「飼い主さんと愛犬が少しでも元気になれる役に立ちたいと、その経験で強く思うようになったのです」(三浦さん)。老犬介護1ペットケアサービスLet’s代表、三浦裕子さん

その後、オムツ替え、部分洗浄、床ずれケア、ボディケアなど犬の介護スキルをアップさせた三浦さんが動物病院からの依頼で、入院中の犬たちのお世話をしていたときに転機が訪れました。

8416056824_59b1b68bf1_b_572

ゴハンさえ自分で食べられるようになれば退院できる犬が、三浦さんのケアで、尻尾を上げてモグモグと食べるようになったのです。病院スタッフが何をしても食べなかったそうで、「何をしたの?」と驚かれたとか。「犬を抱っこして、15分間やさしく撫で続けて、最後は安心した表情を見せたのでクレートに戻しただけなんですよ」と、三浦さん。

また三浦さんは動物病院で、心臓病のために売れ残った生後60日の子犬と、認知症と考えられていた老犬を触れ合わせたところ、母性が目覚めたのか、その“老婆犬”が活動的になり症状も軽快した様子を目の当たりにしました。

老犬介護2Let’s内で、若い犬と老犬が触れ合う様子

シニア犬は、人とのスキンシップや若犬との触れ合いによって、活力が蘇るんですシニア犬にそういった様々な良いことを提供できる施設を作りたい!と、次第に思い始めたんです」と語る三浦さんの脳裏には、シッティングを続けた前述の20歳のシー・ズーの飼い主さんがつぶやいた「1日じゅうずっと誰かがそばにいて、うちの子の面倒をみてあげられれば安心なんだけど……」という言葉が焼きついてもいました。

プロの手による整体で機能回復

こうして2007年に、犬の1日預かりデイケアのほか、犬のしつけを行う施設「ペットケアサービスLet’s」がオープンしました。

取材にうかがった日も、午前中から送迎バスでシニアドッグたちが来所してきます。デイケアサービスでは、まず、健康チェックとオムツの取り替えから始まり、コリのある部分を緩和するマッサージやストレッチやツボ刺激などを行います。老犬介護3ストレッチで可動域を広げるのもシニアの健康維持には大切なこと

取材日にはちょうど、犬の針の施術を行う獣医師の松本先生が来所していました。
針をはじめTタッチなど、その犬の状態に合わせて組み合わせてトータルにケアをしていきます」とのこと。老犬介護_4ツボに動物用の針を刺しながら、整体を行う松本先生

そのほか、椎間板ヘルニアや関節疾患を患っている犬には、低周波施術(トリニティウェーブによる施術)を行うこともあります。これは、施術者がはめた手袋に流れる低周波によって、痛みの緩和や弱った筋肉の機能回復を行えるもの。施術を受けていたラブラドール・レトリーバーは、ゆったりと施術者に身を預けていました。老犬介護_5低周波施術を受ける19歳のラブラドール・レトリーバー

 

ランチ後は筋トレと脳トレ

お昼は、ごはんタイム!
自身の力だけで食べるのがむずかしくなった犬たちには、スタッフがサポートをしながら食べさせます。お腹がいっぱいになったら、しばしお昼寝。老犬介護_6犬自身が食べたいという意欲を引き出しながら、食事をサポート

午後は、その犬によって、ひなたぼっこをしたり、カートに乗って散歩に出たり、リハビリをしたり…。老犬生活の質のアップのために、筋トレや脳トレにも励みます。筋トレであれば、トレッドミルでの歩行練習や、バランスボール、マット運動など。「そう!すごい!」と、スタッフに笑顔で励まされて犬たちもうれしそうです。

老犬介護_7傾斜をつけたトレッドミルで筋力アップ!

脳トレは、トレーニングルームで若いワンちゃんたちと触れ合ったり、一緒にトレーニングを受けたりします。

Let'sプレイルーム若い犬たちも、威厳あるシニア犬から学ぶことが多々ある様子

お迎えまでは再びお昼寝をして、目覚めたら夕方に。送迎バスで帰る先は、入院している動物病院のケースもあるということです。Let’sでのシニアドッグの1日は、介護とはいうものの、健康維持のためのプログラムが充実していました。

老犬介護
なるべく犬たちが寝たきりになったり重度の介護が必要にならないように、最大限に配慮しているんですと、三浦さん。犬たちの、心身ともに心地よい疲労感に包まれて満足しているような表情が印象に残っています。

次回は引き続き、三浦さんに「シニアドッグの健康を維持する秘訣」をうかがいます。飼い主さんが手軽にできる愛犬のための筋トレや脳トレをご紹介しますので、お楽しみに!

ペットケアサービスLet’s
Let's
1日預かりデイケアによる身体介護、リハビリ、筋トレ、脳トレなど、1頭ずつのケアプランにもとづき、その日の体調に合わせたケアサービスを行うほか、介護ケアとリハビリプログラム付きの長期預かり、リハビリ支援のカウンセリング、訪問介護、予約制の犬の整体院、犬のがっこう(託犬所)など、犬の年齢を問わず多彩なサービスを展開。
詳細はホームページにて:http://lets-pet.com/
東京都江戸川区中葛西2-19-13
Tel:03-3675-0250

KyoneUsui
Writer&editor
臼井 京音(うすいきょうね)

ドッグライター・写真家として、15年以上にわたり日本各地や世界の犬事情を取材。毎日新聞の連載コラム(2009年終了)や、AllAbout「犬の健康」(2009年終了)、現在は『AERA』、『愛犬の友』、『BUHI』など、様々な媒体で執筆活動を行う。オーストラリアで犬の問題行動カウンセリングを学んだのち、2007年には、東京都中央区に「犬の幼稚園 Urban Paws」をオープン。犬の幸せを願うドッグトレーナーに支えられ、園長・家庭犬のしつけインストラクターとしても、飼い主さんに役立つ情報の発信に努めている。
自宅暗室で焼いたモノクロ写真は、ペットショップP2、ドッグリゾートWoof、ドッグサロンDogoldなどのインテリアにも使用。
東京都動物愛護推進員、東京都中央区の動物との共生推進員。

主な著書:『うみいぬ』『室内犬の気持ちがわかる本―上手な育て方としつけ方をアドバイス! 』
編集著書:
『最新版 愛犬の繁殖と育児百科』 『最新版 愛犬の病気百科』 『愛犬をケガや病気から守る本』

愛犬をケガや病気から守る本: 犬にも人にも優しい飼い方のメソッド

 

臼井京音氏のバックナンバーを読む

old-dog-1582205_620

この記事が気に入ったら
フォローしてね!