子犬の社会化トレーニングに最適!パピークラスってどんなところ?

子犬を迎えたら、その子がいろんな刺激に慣れて、他の犬や人とも上手につきあっていけるように育てたい。
そんな子犬の社会化トレーニングの場が「パピーパーティー」や「パピークラス」です。定義や内容はスクールによって違いますが、今回は、私が行っているレッスンを例にあげながら、子犬の社会化の重要性についてお話しします。

社会化トレーニングはなぜ必要?

●社会化期は12週齢まで
社会化期とは、好奇心は旺盛だけれど警戒心はまだあまり芽生えておらず、いろんな刺激に慣れるのに最適な時期。期間には諸説ありますが、私は12週齢、3ヵ月までと思っています。うちのパピークラスに入ってくる子は平均4ヵ月で、3ヵ月齢を過ぎても社会化トレーニングはできますが、やはり若ければ若いほど柔軟性があって慣れるのが早いです。

●社会化期に学んだことがその後の土台に
この時期に学んだ土台が、犬にとってすごく大事なんです。散歩でワンワン吠える子たちは、小さいときに他の犬とのふれ合いを経験していないから、怖いしどうしていいかわからない。

パピーパーティーやパピークラスに参加して、子犬のうちにいろんな経験をしてメンタルキャパシティを広げ、臨機応変に動ける子にしてあげたほうがずっと幸せです。

公園で散歩中何かを見て吠えそうなジャックラッセルテリア

飼い主さんには、ぜひそのチャンスを犬にあげてほしい。でないと、ワクチン接種の関係上、4ヵ月まで家に閉じ込めて、本当にいい時期を家の中だけで過ごし、いざ外に出たら動けなかったり、散歩してもすぐ家へ帰ったり…ということになってしまいます。

ワクチン接種が完了する前でも、キャリーバッグに入れて外をお散歩したり、パピーパーティーやパピークラスに参加することができます。

●犬と暮らす楽しさがいっそう広がる
猫はインドアオンリーで暮らせても、犬はそうはいきません。散歩にも行くし、最近はカフェやペンションにも行く。そんなとき、自分の犬が他の犬にワンワン吠えたり攻撃的だったら、犬も疲れるし飼い主さんも疲れてしまいます。自分の犬がどんな状況でも自分らしくいられるのは、すごく幸せなことだと思います。

カフェで飼い主の足元にいる黒いチワワ

ドッグヨガを一緒にやりたいとか、犬の写真をいっぱい撮りたいとか、犬と何かをする可能性があるなら、社会性を身につけることはすごく大切。犬と一緒にやれるチャレンジが増えて、飼い主さん自身の楽しみも広がります。

子犬の社会性としつけの一通りが身につく「パピークラス」

●パピーパーティーとパピークラス
子犬に社会性を身につけさせるトレーニングの場として、パピーパーティーやパピークラスがあります。

私のレッスンではパーティー、クラスともに、原則、生後2ヵ月~5ヵ月までが対象。5ヵ月齢から脳も変わっていき、怖いものに対する反応や自分を守る反応、柔軟性がどんどん変化するからです。

開始目安の2ヵ月齢は、1回目のワクチン接種から1週間以上経過し、発病していないということを基準としています。私の場合は動物病院内で開催しているので、事前に必ず同病院で獣医師による健康チェックを受けてもらっています。

飼い主とオモチャの人形で遊ぶ子犬

●パピーパーティーは単発開催、子犬同士のコミュニケーションの場
スクールによって定義は異なりますが、私の場合、パピーパーティーは90分の単発開催、パピークラスの導入という位置づけです。子犬の社会化の重要性をお話しするとともに、子犬同士、一緒に遊んだり挨拶したりといったコミュニケーションに重点を置いています。

●パピークラスは複数回セットで、ベーシックなしつけが学べる
「甘がみがひどい」「トイレの教え方がわからない」など、すでに悩みがスタートしている場合は、最初からパピークラスに入る方が多いです。週1回1時間のレッスンで4回もしくは6回のセット、犬のベーシックなしつけがひと通りわかるようになっています。

例えば、子犬同士の遊びの他、正しい褒め方としかり方、ボディランゲージの読み取り方、遊び噛みのコントロール法、オスワリ・フセ・マテなどのコマンド、トイレトレーニング、クレートトレーニングなどが学べます。

褒め方・叱り方でとくに私が強調しているのは、犬と人に上下関係はないということ。いまだに”人は犬の上に立たなければ”と、マズルを握ったりする抑制的なしつけをする人がいますが、かえって攻撃性につながるだけです。

部屋でお座りをして見つめる柴犬の子犬

●固定メンバーだと慣れて遊べるようになる
ブリーダーのもとで他の犬と遊んだ経験をもつ子は初回からでも上手に遊べるし、ショーケースに入ったままだった子はじーっとしたまま。でも、クラス終了時には全員コミュニケーションできるようになります。これは毎回同じメンバーだから、犬も飼い主さんも慣れてくるんです。

犬と遊ぶ楽しさ、人の優しさを4回なり6回なり学ぶことで自信がついて、外へ行っても他の犬にも対応できるようになる。パピーパーティーのように、毎回新しいメンバーで、いきなりはじめましてとなると、ちょっと激しい子がいると萎縮し始めたりしてバランスが崩れてしまいます。

パピークラスで遊ぶ2頭の白い子犬

固定メンバーのいいところは、飼い主さん同士も仲良くなれること。LINE交換して、公園で会ったりされているようです。子犬のときからの友達はずっと仲よくなれるので、犬にもいいことだと思います。

子犬との接し方で注意したいこと

●いきなり挨拶はさせない
パピークラスに参加すると、皆さん、すぐに犬同士顔をつき合わせたがりますが、それはNG。犬の性格や相性もわからないし、おびえている子をみんなで囲って挨拶させたら、かわいそうです。

初回は私が飼い主さんと犬をチェックする時間でもあるので、「最初は挨拶させないでくださいね」と言ってスタートします。

●できたからと過信しない
パピークラスで犬と仲よくできたからといって、外で他の犬にいきなり顔をつき合わせたら、かまれることも。近寄っても大丈夫か、犬のボディランゲージをよく見て、相手の飼い主さんにも挨拶させていいか確認すること。

パピークラスでは、ボディランゲージの読み取り方について勉強する時間も設けています。

ゴールデンレトリーバーの子犬

●いきなり頭をさわるのはNG
犬にオスワリをさせたとき、皆さん、すぐに「よし」って頭をさわりたがる。でも、頭をさわられるのが嫌いな子もいます。嫌がっているのに繰り返していると、オスワリと言ったら逃げるようになります。

胸をなでられるのが好きとか、言葉とおやつだけで十分とか、その子にとって何がごほうびになるのか見極めましょう

●パピーライセンスが外れるときがくる
パピー期間は、少々悪さをしても「パピーだからね」と、他の成犬も寛容になってくれます。だけど、その「パピーライセンス」も外れるときがきます。大体、歯が抜け変わる頃になると、周りからは大人の扱いになる。パピーだからと大目に見てくれなくなるので、他の犬と接するときはより注意が必要になります。

子犬を迎えたら、ぜひパピークラスに参加しよう!

●家族みんなで
家族で犬を飼っているなら、パピークラスにも家族で参加したほうがいいです。子どもは子犬が興奮するような動きや声を出し、甘がみのターゲットになりやすいので、お子さんもぜひ一緒にレッスンを受けてほしいですね。

パピークラスで遊ぶ3匹の子犬と見守る飼い主

●犬初心者ではなくても
初めて犬を飼う人はもちろんですが、2頭目3頭目でも今まで知らなかったことを学ぶ機会になります。同じ犬種を繰り返し迎える人も多いですが、犬種は同じでも性格は違うので、「前の子はこんなじゃなかったのに」と戸惑う人も。そういう意味でもパピークラスに参加するといいと思います。

●多頭飼育でも
多頭飼育で、「ほかの犬がいるから社会性は大丈夫」という人がいますが、それは全然話が別。同居犬は家族なので、外でよその犬に慣らすことが大事なんです。

地域にもよりますが、最近はパピーパーティーやパピークラスを開催する動物病院やトレーナーさんも増えてきています。子犬を迎えたら、ぜひ参加されることをおすすめします。

牧口香絵

獣医師、ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets 代表、AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員 1998年に麻布大学獣医学部を卒業し動物病院で一般診療を行った後、動物行動学、行動治療を学ぶために渡米。ニューヨーク州にあるコーネル大学獣医学部の行動治療専門のクリニックに2年間所属し帰国。現在はワンちゃん、ネコちゃんの問題行動の治療を専門とし臨床に携わる傍ら、セミナー・講演活動など幅広く活躍。2013年からは、アニマル・クリスタルヒーリングのファシリテーターの養成…

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