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犬猫にも腹腔鏡手術!動物にやさしい獣医療とは

自由が丘動物医療センター外観

近隣からも遠方からも犬や猫が訪れるという、東京都目黒区の「自由が丘動物医療センター」。誰でも気軽に受診できる動物病院でありながら、腹腔鏡手術の実績が高く、CT検査など高度な獣医療が受けられることで知られています。取材して感じたのは、ペットや飼い主さんに負担がかからない獣医療が実施されていることでした。

自由が丘動物医療センターが考える、動物にやさしい獣医療とは?

2016年に開設、2018年11月にCTを導入してリニューアルオープンした、自由が丘動物医療センターは、動物に負担をかけない獣医療をコンセプトにしています。

動物にやさしいというのは、動物たちの立場になって考えたとき、治療における痛みが少なく、飼い主さんと離れなければならない入院期間が少ないなど、心身ともに負担が少ないという意味です」と、自由が丘動物医療センターを運営する株式会社ベックジャパン代表である金井孝夫さんは語ります。

ベックジャパン代表金井孝夫氏
「言葉で説明ができない犬や猫への負担は、最大限に減らしてあげたいものです」(金井さん)

ペットへの負担を軽減させるために自由が丘動物医療センターが注力しているのが、腹腔鏡手術です。「腹腔鏡手術の最大のメリットは、低侵襲、つまりメスで犬や猫の体をあまり切らずに手術ができる点です。手術の傷が小さいので、術後の回復も早いんですよ。避妊去勢手術をはじめ、ほとんどが日帰り入院で手術ができます」と、院長の寺村靖史獣医師は述べます。

自由が丘動物医療センター院長寺村獣医師
「チーム医療を行っている獣医師同士で、必要であれば情報をシェアして相談しあい、最良の治療法を検討しています」と語る、寺村獣医師

避妊去勢手術もできる腹腔鏡手術はどういうもの?

自由が丘動物医療センターには、犬の腹腔鏡手術に関する論文で獣医学博士を取得した総院長の朴永泰獣医師をはじめ、腹腔鏡手術を行える5名の獣医師がいるそうです。

腹腔鏡手術とは、カメラを内蔵した腹腔鏡という器具を腹腔内に入れて、モニターに映し出された映像を見ながら実施する手術のこと。約5mmの穴を2~3ヵ所開けるだけで、手術が行えます。

自由が丘動物医療センター腹腔鏡手術の様子

「さきほどはペット側のメリットを説明しましたが、手術をする獣医師の立場からも、腹腔鏡手術にはメリットが多いんです。まず、カメラによる鮮明な画像をモニターで拡大して見られるため、臓器や血管の細かい部分や、開腹手術では実際に見られない場所まで見ることができる点ですね。また、お腹を開かないので臓器が乾燥せず、衛生的であるという利点もあります」(寺村院長)。

さらに、腹腔鏡手術は飼い主さんがカメラに映し出された映像を見ることもできるので、インフォームドコンセントにも役立ちます。

診察室のモニターで腹腔鏡手術について説明する寺村獣医師

ただし、デメリットもあります。

獣医師が視野を確保するために炭酸ガスを入れて腹腔内を膨らませるため、血液循環が影響を受けるのが、ひとつ。また、手術の内容によっては開腹手術よりも時間がかかる点などです。

飼い主さんの立場から考えれば、開腹手術よりも手術代が高額になりがちな点もデメリットと言えるでしょう。これは、特殊な器械を多用して、2名以上の獣医師で手術を行う必要があるからです。

伏せてこちらを見るミニチュアダックスフンドの子犬

メリットとデメリットを比較して、愛犬や愛猫にどんなリスクが伴う可能性があるかも獣医師と相談のうえ、腹腔鏡手術をするかどうかを検討するのが大切ですね。
実際には、飼い主さん自身に腹腔鏡手術の経験があり、その良さを実感したことで遠方から来院する患者さんも少なくないそうです。

避妊去勢から腫瘍の摘出まで。腹腔鏡手術の症例

自由が丘動物医療センターには、メスの避妊のために腹腔鏡手術を希望する飼い主さんが多く訪れると言います。

「愛犬や愛猫のお腹を開くことに抵抗があって悩んでいる飼い主さんには、ぜひ腹腔鏡手術をおすすめしたいですね。開腹手術での傷を小さくしようとすればするほど、実は卵巣を強く引っ張らなければなりません。これは、卵巣は背中側に強力な靱帯が付いているからです。
獣医師が卵巣を引っ張ると、犬や猫の心拍数や血圧が上昇します。麻酔下なので意識はありませんが、きっと痛みは伴っているでしょう。 腹腔鏡手術では、本来ある位置で痛みを伴わず卵巣を切除できるのもメリットと言えます」(寺村院長)。

飼い主を見上げるノーリッチテリアのリンリン
筆者の愛犬リンリンは1泊2日の入院で、開腹の避妊手術をしました

自由が丘動物医療センターで実施している腹腔鏡手術はほかに、停留睾丸の治療や去勢、そけいヘルニアの治療、膀胱結石の摘出、胆のう粘液嚢腫が原因での胆のう摘出、胃拡張胃捻転症候群の予防のための胃固定、腫瘍の摘出などがあります。2016年8月~2019年4月までで、448症例の実績があります。

CTと腹腔鏡の組み合わせで、犬猫への負担を少なく

自由が丘動物医療センターがCT(コンピュータ断層撮影装置)を導入した理由には、病気を特定して診断力を上げるためだと言います。

自由が丘動物医療センターのCT寺村院長によると、「CT画像で臓器などの詳しい構造を見つつ、腹腔鏡を使った生検を行えば、開腹することなく高度な検査ができます
※生検:生体検査の略。生体の組織片を切り取って、顕微鏡などで調べる検査。

犬や猫のCT検査には全身麻酔が必要です。でも自由が丘動物医療センターで1回の麻酔で同日に腹腔鏡で生検までできれば、動物への負担が少なくて済むうえ、病気の早期発見にもつながります」とのこと。

たとえば、血液検査で肝臓の数値が悪かった場合、CT検査とセットで、腹部に穴を2つ開けて15分間で完了する腹腔鏡下での肝生検を同日に行う例があるそうです。

また手術計画を立てる際にも役立てられ、腫瘍の状態をCTで調べ、腹腔鏡手術で腫瘍を除去するケースも少なくありません。

抱っこされてこちらを見るグレーのトラ猫

その他、自由が丘動物医療センターにはほかの人や犬が苦手な猫のために、猫優先の待合室と診察室も用意されています。猫専用の待合室には、脱走防止のために二重扉になっているので飼い主さんも安心。

自由が丘動物医療センター猫の待合室
犬とは別に設けられた猫専用の待合室。診察室も犬と区別されている

さらに、トリミングサロンと、ホリスティックケア・カウンセラー(一般社団法人 日本アニマルウェルネス協会 認定資格)が常駐している犬と猫のフードやグッズコーナーがあり、ペットの健康をトータルでサポートしてくれるという意味でも、「動物にやさしい獣医療」を実現しています。

それらのサービスに関しては、犬猫の病中・病後・高齢期の治療サポートに特化した施設「Cure Lab(キュアラボ) 」とは?で詳しくレポートします!

 

自由が丘動物医療センター
自由が丘動物医療センター外観

腹腔鏡手術をはじめ、動物に負担の少ない獣医療の実現をコンセプトに掲げ、予防医療から専門医療まで、愛犬愛猫にとっての最善の医療を提案・提供する。

自由が丘動物医療センター

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自由が丘動物医療センター外観

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