ブラッシングというと、遊太はこうなります
人も含めて哺乳類や鳥類は、グルーミング=お手入れが必要な動物です。
もちろん美的要素もありますが、健康状態の維持や向上が主な目的です。私たちと一緒に暮らすイヌやネコにもグルーミングは大切なケアであり、コミュニケーション・ツールとしても見過ごせないもの。室内飼育に限らず、外飼いであっても、飼い主としての不可欠な責任の一つです。
え、そんな重いこと?! と思われるかもしれませんが、大切なことなんです。
人は毎日お風呂に入り、髪や身体を洗い、ボディローションを塗ったり、顔に化粧水や保湿剤をつけたり、爪切りや歯磨きも欠かせません。また全身垢すりをすれば、角質が取れて皮膚の新陳代謝がよくなるとか、頭部を洗うときは毛穴からきれいにし、マッサージをしながら洗えばやはり代謝がよくなり元気な毛が生えてきたり、コリがほぐれたりします。
美と健康は表裏一体、美だけを追求しても健康的でないことが発生してバランスが崩れたりします。これは人も動物も同じですね。
どんな犬種もグルーミングが必要か? もちろんです。単毛種であっても、人と一緒に生活しているなら、健康状態(皮膚・被毛の状態含む)のチェック、そしてイヌとの関係性をよくするコミュニケーション方法として、子犬の時期から必要になります。
長毛種も短毛種もグルーミングは必要です。今回はルーサと。
グルーミングはパピー・トレーニングの重要な項目!
最近、よくトリマーさんから「トリミング嫌いなコが増えている」と聞きます。それは、子犬期における取扱い方がトラウマを与えたか、サロンでのグルーミング中に何か嫌なことが起こったか、が原因です。
グルーミングは、パピー・トレーニングの項目に必ずあるように、全身を触らせる、ブラッシングに慣れる、ドライヤーに慣れる、爪切りに慣れる、犬種によってはクリッパー(バリカン)に慣れる、といった練習をしていきます。これらは、少しずつパピーの様子を見ながら行っていくのですが、飼い主さんやトリマーさんが気づかないところで、子犬にとってストレスとなり嫌いになる要素があったのでしょう。
左から順に、鉗子(かんし)、コーム、ピンブラシ、獣毛ブラシ、爪切り
そんなイヌが増えたということは、パピー・トレーニングが上手にできない人たちが増えているのかもしれません。また、サロンに行くのをすごく嫌がるようになった、まるで動物病院に行ったときのように入口から入らないといったケースでは、明らかにトリマーさんがトラウマを与えてしまっています。トリマーさんもパピーを預かったら、トラウマを作らないように、気を抜かず、気配りと愛情で接してあげてほしいと思います。
最近お気に入りの“マクロバブル・バス”+“ハーブパック”のコラボ
“グルーミング”と“健康”は直結していますが、それを理解してこだわっているペットサロンやトリマーさんがどれぐらいいるでしょうか?
最近、アトピー性の皮膚疾患や耳が悪いコが増えています。犬種特性も影響すると思いますが、アレルギーを起こしやすいコ、つまり免疫力が弱いコが増加していることも事実です。これらは薬で対処するより、まずは清潔と体質改善。なので、動物病院で治療というより、サロンや自宅で対応できることがほとんどです。
私がこれまでの経験から、実感として気に入っているのが“マイクロバブル・バス”と“アニマルアーユルベーダのハーブパック”。これらは健康な状態はもちろんのこと、アトピー性皮膚炎でも効果が高く、高齢犬では代謝が上がるため健康状態の維持に有効です。
ウチのコたちはほぼ毎月1回はサロンにマイクロバブル・バスに入りに行くのですが、末っ子のルーサのコート管理がうまくいかず、思案していたところ、南青山に健康重視のグルーミングを行っているサロンを見つけました。
ここはマイクロバブル・バス専門店+ハーブパック取扱い販売店でもあり、サロン内で実際に使うグルーミンググッズやオリジナルの免疫力を上げるフードも販売。『サロンから健康になる』をコンセプトに、最近ではシャンプーまでこだわったものを発売しました。
そこで、ルーサの実験開始です。キャバリアなのでボディのストレートなコート、からみにくい耳の毛を目指したいところ。2月のはじめに一度マイクロバブルとハーブパックのコラボを初体験。そのときは、担当したトリマーさんいわく、「ものすごく汚れてましたよ、皮膚もコートも乾燥がひどくてハーブパックもオイルも大型犬なみに使ったのに、どんどん入っていくんです!」と。3週間ほどあけてまた施術するといいとのことでしたので、今回は二度目の体験です。
1 使用前
ルーサ、よれよれ状態です^^;
2 シャンプー
オシッコ、ホコリ、土、コンクリート道路の汚れなどが付着しているので、まずは軽くシャンプー。
3 マイクロバブル
専用の浴槽にお湯を溜めながら、ポイントである酵素の入浴剤を適量入れます。
この酵素によって皮膚表面の皮脂汚れが落ち、毛穴からの汚れを出しやすくします。
4 体にお湯をかけていく
浴槽のお湯を、専用のホースを使い機械で循環させながらマイクロバブルが発生したお湯をかけていきます。すぐに毛穴からの汚れやニオイが発生します。う~ん、臭いよ、ルーちゃん。やっぱりスパニエル種で黒が入っているので、皮脂汚れが多くニオイも出やすいようです。
5 気になるところにもお湯をかける
耳の内側、目、口の中にもOKです。10分ほど入ったら、次にハーブパックです。
6 いよいよハーブパック!
ボトルに作っておいたビューティーオイル入りのハーブパックのペースト(ルーサは5本!これ、大型犬の本数だそうです^^;)を、全身にすり込んでいきますが、どんどんコートに浸透していくので下にこぼれてきません。やはり皮膚とコートが乾燥しているからでしょう。
このハーブパックは、認定されたオーガニックハーブの“ニーム”と“カシア”の葉の粉末だけを使っているので、口の周囲に塗ったハーブをペロペロなめても大丈夫。むしろ、整腸作用により腸内環境が整っていきます。
左がニームの葉。右がカシア木。
7 すり込んでから約15分ほど放置
緑のお化け~です。
8 ハーブを流してシャンプー&コンディショナー
その後はシャワーでよ~くハーブを流したら、こちらのサロンのオリジナルの、紫根や生薬の成分配合の皮膚のコンディションをよくするシャンプーで洗い、コンディショナーで仕上げました。
9 タオルドライ&ドライヤー乾燥
眠くなってきました…
タオルドライの後はドライヤーで乾かしますが、なんと乾くのが早いこと!毛の根元から乾かさないといけないのですが、これならラクそう~。皮脂が落ちにくく乾きにくい耳の内側もサラサラに。
10 サラサラ、ツヤツヤなルーサの出来上がり!
これでしばらくはブラッシングがラクですし、ニオイもすぐには出てきません。自宅でもこのハーブパックをしてあげたいと思います。キャバリアなので、ボディのコートはストレートが理想。ブラックの毛はカールしやすくクセが出やすいので、なるべく理想を目指せるようにグルーミングしてあげたいですね。犬種らしさを表現していくのもグルーミングの妙技。このあたりはまた追って。
キャバリアの理想的なコート(コートだけではありませんが ^^;) です。これも、持って生まれたものと、お手入れの成果。お友達のブレイン君、今年度のぺディグリーアワードをゲットしてます!
自宅でもオーガニックハーブ(粉末)のパックを
◇今回お世話になった施設
Happy Bath
東京都港区南青山6-15-4 プラウドフラット南青山1F
TEL:03-6427-5977 FAX:03-6427-5979