寒さも本格的になってまいりました。散歩に出るのも億劫な季節です。でも、思い出して。犬って本来、さむーい森林地帯出身で、暑いのよりも、寒い方が全然得意なんです。しっかり素敵な毛のコートをまとった、若い元気なコは冬でも元気!寒がって散歩を嫌がっているのは飼い主だけかも!?そこで飼い主の気持ちが「アガル♪」、心躍るイルミネーション散歩道をご提案。
散歩の目的はトイレじゃなくて「ソーシャライズ」
寒さが本格的になり、関東でも初雪がチラチラ。これしきのことで散歩を嫌がっていたら、北海道在住の人たちに笑われちゃうなーと思いつつ、しかし夜風が身に染みるぅーーとブルブルしながら歩く犬散歩の季節です。最近公園でも小型犬の姿を見かけることが減っているような…。夕方の、16〜19時のお散歩ゴールデンタイム(冬は、日没が早いので夏よりも早め)でも、やっぱりすれ違う頭数が少ないです。みんなどうした? 散歩行ってる?
実際「ペットシーツで排泄させているから、冬は散歩に行かない」という声を聞いたこともあります。ある強者(うちの近所の人)は「寒いから、11月から3月は、犬は外に出さない」とキッパリ言いました。うーーむ。果たしてそれは、アニマル・ウェルフェアの「5つの自由」に適っているのでしょうか。それは正しい愛なのでしょうか。
そもそも散歩は排泄のためではありません。運動や気分転換などに加えて、最も大事な役割は「社会化」「ソーシャライズ」…辞書により書いてある意味が違いますが、家庭犬のソーシャライズとは「犬をニンゲン社会に適合させる」「犬を社交的にする」「犬に社会活動をさせる」というニュアンスなのではないでしょうか。いろいろな環境や多くの刺激を、犬の五感に感じさせることは、大事なトレーニングのひとつです。
それなのに、毎日毎日おうちの中にいて、外の世界の情報を知ることができない生活は刺激不足。クンクン地面を嗅ぎ回ったり、風が運ぶニオイを感じたり、犬や人に出会ったり、音を聞いたり、足の裏でいろいろな感触を感じたり(土、芝生、砂浜、アスファルト、ウッドデッキなど、犬は足の裏でも多くの情報を記憶するそうです)…。
そういう新鮮な体験をさせない飼い方は、ヨーロッパなどの動物福祉の進んだ国から見たら、やはりNo goodだと思うのです。「監禁生活」は、ストレスも溜まります。仮にニンゲンの5歳児を、毎日家の中だけで過ごさせたらどうなるか、と、ちょっと想像してみましょう。もし愛犬が無駄吠えやイタズラなどの問題行動で困っているなら、「散歩は十分に足りているか」をまず疑ってほしいのです。
本当は自前の立派なコートを持っている
また「(犬が)風邪をひいちゃうから、散歩は可哀想」という声も聞きますが、健全な犬であれば、飼い主が思っているよりも犬はたいてい寒さには強く、頑丈にできているものです。散歩に行ったくらいで風邪をひく(呼吸器や循環器の異常?)と思うなら、獣医さんに健康チェックをしてもらいましょう。ほかの病気が隠されているから虚弱なのかもしれません。
もしかしたらすでに散歩不足(または過保護)で、心だけでなく、皮膚、被毛、筋肉なども弱くなっている可能性はあります。トイ・プードルや柴、ポメラニアンのほか、テリア、スパニエルの仲間などは、もともと素晴らしい毛皮のコートを自前で持っています。でも、ずっと暖房のあるところで過ごしていたら、毛吹きが悪くなったり、アンダーコートが薄くなったりして、防寒力が下がっていることも考えられます。だから毛が薄いコは慣れるまで、長毛種や巻き毛種でも1枚着せてあげた方がいいかもしれません。
かたやスムースヘアの犬(チワワ、イタリアン・グレーハウンド、フレンチ・ブルドッグなど)やシングルコートの犬は、たしかに寒がりさんが多いです。冬の夜のお出かけは、防寒着を着せてあげた方がいいでしょう。でも雪の日でも雨の日でもよく会う近所の犬(ジャック・ラッセル・テリア)は、スムースヘアでも防寒着なしですね。
寒さにも慣れがあるでしょうし、また筋肉がしっかりついている犬は、寒くてもへっちゃらみたい。そういう強さ、生命力を育んであげることも、飼い主の役目のひとつ。カートの中に入ったままでは、犬も寒いでしょうから、自分の足で歩かせ、自力で体が温まるように筋肉を使わせましょう。
飼い主がハッピーなら、犬にもその気持ちがうつる♪
というわけで、健康な若い犬なら、散歩に行かない理由はありません。私たちは、犬のような立派な自前のコートは持っていないけれど、愛犬のために、寒さに負けないでLet’sお出かけ!しましょう。
そこでご提案。冬の夜といえば、イルミネーション(チョー寒いけど)。ちょっと調べてみると、最近のイルミネーションは、クリスマス時期だけではありませんでした。たしかにクリスマスや年始まで、というのもありましたが、バレンタインの頃までのものもわりと多く、さらにはもっと長い会期のものもありました。
寒がり出不精の重たい腰をあげて、いざ行かん、おとぎの国へ。冬ならではの凜とした空気の中、キラキラ光る景色を、愛犬と共に楽しみましょう。もちろん犬は、ニンゲンのようにイルミネーションを見て「わぁぁぁぁ!!綺麗!」という気持ちにはならないと思いますが、でも、飼い主の「わぁぁぁぁ!!」というハッピーなテンションは犬にも伝わり、幸せな感情に同調するはず。そもそも犬は、飼い主と一緒に外にお出かけするだけで、もうそれだけで十分ハッピーになれる動物です。
今からでも間に合う!イルミネーション・スポット
それでは犬と一緒に行けるイルミネーション・スポットを紹介します。クリスマスの頃より今の時期の方が人が少なめでゆったり楽しめるところもありそうです。マナーを守り(最後にまとめました)、犬もヒトも防寒対策をしてお出かけしてみてください!
●丸の内イルミネーション2018(東京都千代田区)
エネルギー使用量を削減したエコなイルミネーション。「誰もが楽しめる夜景地」や「すぐれた普遍的価値をもつ夜景」に与えられる称号「日本夜景遺産」に、2016年度に認定。皇居に近いので、まず土のあるところで散歩をさせてから行こう。
期間:2018年11月8日(木)~2019年2月17日(日)
点灯時間:17:30~23:00
場所:丸の内仲通り、東京駅周辺、大手町仲通り
主催:丸の内イルミネーション実行委員会(東京都、千代田区、一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会、NPO法人大丸有エリアマネジメント協会)
新宿駅南口出てすぐ。新宿サザンテラス一帯を飾る。ただし土のあるところがないので、事前に近くの新宿御苑周辺遊歩道(新宿御苑は犬NG)や新宿中央公園などで散歩を済ませてから行こう。
期間:2018年11月14日(水)~ 2019年2月14日(木)
点灯時間:17:00~24:00(予定)
場所:新宿南口エリア
主催:小田急電鉄(株)、(株)髙島屋、大和証券(株)、朝日生命保険相互会社、東日本旅客鉄道(株)
小規模ながら綺麗と評判。犬OKのドッグランもあるし、HP記載はないがハイキングコースもある。自然豊かなトレイル(遊歩道)を歩けば、犬も喜ぶのは間違いなし。天気がよければ富士山も見える。ただし、山の上は風が吹くと寒いので防寒はしっかり。
期間:2018年10月27日(土)~ 2019年2月24日(日) ※1月12日以降は、土日祝のみ
点灯時間:16:00~20:00
場所:マザー牧場内
主催:(株)マザー牧場
●八景島シーパラダイス(神奈川県横浜市金沢区)
介助犬を除き、水族館やアトラクションなど各施設内への犬同伴は不可(一部テラス席のあるレストランは犬同伴可)だが、島内は犬OK。島内散歩ならヒトも犬も無料(ただし駐車場代はかかる)。日没前ならイルカプールを泳ぐイルカも見えちゃうかも。海風が冷たい日があるので風を通さない防寒着を。
期間:2018年11月9日(金)~ 2019年2月28日(木) ※施設により異なる
点灯時間:日没~
場所:八景島内
主催:(株)横浜八景島
●さがみ湖リゾート イルミリオン(神奈川県相模原市)
ペット入場料金は700円。大型犬は入場できない。体高50センチ以下のサイズに限る。同伴入場参加規約に了承(署名)する必要がある。でもこうした規約がしっかりHPに明記してあるということは、それだけ愛犬家の利用も多いのではないかと思う。ペットが同伴できるアトラクション(別料金)もあり。
期間:2018年11月3日(土)~ 2019年4月7日(日) ※休業日あり。要確認。
点灯時間:16:00〜21:00
場所:さがみ湖リゾート内
主催:相模湖リゾート(株)
●御殿場高原 時之栖(ときのすみか)(静岡県御殿場市)
屋外は、大型犬でも同伴可。有料エリアと無料エリアがある。御殿場駅と三島駅から出る無料シャトルバスは、犬の乗車は不可なのでマイカーで行こう。都内から東名高速道路を使えば約1時間半。温泉もあり。
期間:2018年10月27日(土)~ 2019年3月17日(日) ※休業日あり。要確認。
点灯時間:16:30〜22:00 ※時期により変更あり
場所:御殿場高原 時之栖内
主催:(株)時之栖
<イルミネーション散歩のマナーと注意点>
●観光地化しているところは、人ごみがすごいかも。世の中には犬の嫌いな人もいることを忘れず、リードを短くする、道を譲るなどの配慮をする。人の多い週末ではなく、平日を選ぶのもよい。
●出会い頭に犬が現れることに過剰にビックリする人もいるので、「ここに犬がいますよー」と、ピカピカ光る首輪や蛍光テープ付きの犬服を着せるなどして犬の存在感をアピール。
●伸縮性リードは使わない。
●キャリーバッグまたはペットカートの使用が必要なところもある。その場所ごとに定められたルールをしっかりチェック。
●公式HPを見たり直接電話をして、犬のサイズ、注意事項、休業日など、行く前に最新情報を確認する。
●電気配線が意外と近いところを通っているかもしれない。犬がコードに足を引っかけたりしないように注意。またオシッコをかけないようにすること。ショートしたら大変!
●会場へ入る前に、排泄はすませ、なるべく膀胱を空っぽにしておく。
●会場内の植物や設備に排泄させない。ウンチは持ち帰る(おうちまで持ち帰ること)。
●ベンチやテーブルなど、土足禁止のところに犬を乗せない。
●犬NGとされているエリアには入らない。
※みんながマナーとルールを守れば、これからもっと犬連れを許容してくれる場所が増えていくと思います。反対にマナー違反者が多ければ、来年から犬の同伴ができなくなるかもしれません。みんなでグッドマナーを心がけましょう!