飼い主さんあるあるの一つが、愛犬が成長した後になって、「子犬の頃に○○○をやっておけばよかった」と後悔することではないでしょうか?子犬を迎えてしばらくは世話やしつけに張り切っても、オスワリの合図やトイレの場所を覚えたあとは気を抜いてしまいがちでは?
逆に「子犬の頃に○○○をやっておいてよかった」ということもありますよね。今回は我が家の反省点も含め、先輩飼い主さんから集めたエピソードを紹介します!
「1歳までは良い子」なのはどうして?
多くの先輩飼い主さんは、愛犬のことを「1歳までは良い子だった」と話します。その理由は犬の成長過程にありそうです。犬は1歳までに社会化期、反抗期、性成熟期を迎えて、人の12〜15歳になります。保護者の世話を必要としている時期は、素直な甘えっ子の一面がありますよね。でも成長に伴い自我もどんどん発達して、自己主張を始めます。それがワガママや反抗的な態度に見え、「悪い子」になったように感じるのではないでしょうか。
子犬の頃からちょっとした困りごとや気になることがあっても、「まぁいいか」とスルーしているうちに大きな問題に発展していくケースもあります。そこで油断をした先輩飼い主さんが、愛犬が成犬や老犬になってから後悔しています。もちろん私もその一人!
時間を戻したいほど後悔!問題別エピソード
私の周りの飼い主さんに聞いた「子犬の頃にやっておけばよかった」と後悔していることをご紹介します。
我が家の初代の愛犬ジュウザは初めて自分で世話をする犬だったので、間違いだらけ&後悔だらけ。2代目サウザーは、ジュウザ(と言うより、当時の自分)を反教師に育ててきました。現在1歳、早くも「子犬の頃にやっておけばよかった」ということが…。ぜひ子犬を育てるときの参考にしてくださいね。もちろん何歳でも飼い主さんのフォローで良い方向に向かいますよ。
ケース1:自宅でブラッシングできない!
プードルやヨークシャー・テリアなどの犬種はトリミングが必須。飼い主さんが自分でカットするのは大変で、トリミングサロンにお願いしますよね。
エピソードを教えてくれたプードルの先輩飼い主さんは、「定期的にプロにやってもらうから、下手にやらない方が…」とだんだんと自宅でお手入れをしなくなっていったとか。その結果、ブラッシングを嫌がるようになり、自宅できちんとケアできないプードルに…。「歯みがきもちゃんと慣らしておけばよかった」と反省していました。
●やっておけばよかったこと
「子犬の頃にがんばって習慣にしていたブラッシングを、成犬なってからも継続するべきでした。プロのようにうまくできなくても習慣にしておくことが大事だと思います」
ケース2:小型犬なのに抱っこが苦手…
小型犬は抱き上げられるサイズなので、日常生活で便利なこともあります。ところがチワワなのに触られたり抱っこされたりするのが苦手な犬もいました。
飼い主さんによれば、子犬の頃から家族が手を伸ばすと逃げることがあったそうです。つかまえてしまえば抱っこができたので気にしていなかったものの、2歳頃から触ろうとすると、うなるように。「チワワなのに抱っこができない犬になりました」と飼い主さん。
介護が必要な年齢になってから渋々と触らせてくれるようになったそうですが、我慢しているせいかずっと歯をむき出しにしているとか!
●やっておけばよかったこと
「触ったり抱っこしたりする練習をしておけばよかったと思います。介護が始まると本当に困ります!」
ケース3:歯みがきの練習に再チャレンジ中
柴犬の飼い主さんは「ちゃんと歯みがきの練習をしなければ」と思いつつ先延ばしにしているうち、歯の色や口のにおいが気になってきたそうです。「歯垢がつきやすいタイプだったのかも」とのこと。
今はドッグトレーナーに教えてもらった方法で歯みがきの練習中。コング*に鶏むね肉を入れてサークルの柵にはめ込み、犬が夢中で食べているときにみがいているそうです。人さし指に歯みがきシートを細く切って巻き、オーラルケア用のスプレーをシュッ。味やにおいが好みらしく、「指を口に入れても嫌がらず、スムーズにみがけるようになってきました」と着々と成功に向かっています。
●やっておけばよかったこと
「もっと早く歯みがきの練習をすればよかったと思っています。ケアも課題でしたが、ブラッシングもできるようになってきました」
*コング:丈夫な天然ゴム製で中にフードが詰められる犬用の知育玩具。
ケース4:人見知り・犬見知りが激しい
子犬の頃は初対面の人や犬にも無邪気にあいさつに行きますよね。ボストン・テリアの飼い主さんによれば、「うちの犬はフレンドリーなんだ」と油断しているうちに警戒心が強くなり、12歳の今ではすっかり人見知り・犬見知りするようになってしまったとか。
実は1歳を過ぎる頃からあいさつする人や犬を選び、見慣れない人や犬を警戒するようになっていたそうです。「大人になってきたからかな?と思っているうちに、どんどん気難しい性格に変わってしまいました」と飼い主さんは後悔していました。
●やっておけばよかったこと
「先代犬のときはご近所に犬友達が多く、毎日のように他のワンちゃんや人との交流がありましたが、その子たちが高齢で順に亡くなり、今の子のときには身近に犬友達がいなくなっていました。もっと意識して他のワンちゃんとの交流機会をもつべきだったな、と反省しています」
ケース5:動物病院が大嫌いで通院がストレスに
初代の愛犬のジュウザは動物病院が苦手。子犬の頃は駆け込んで行くほど好きだったのですが、6ヵ月頃に耳掃除をされてから大嫌いに!私は待合室にいたので状況がわからないのですが、診察室から「ギャインギャイン」というすごい悲鳴が聞こえてびっくりしたことを思い出します。
そのときは「耳掃除くらいで大げさな」と笑ってしまいましたが、まさか13年間悩むことになるとは…。特に11歳で病気になって通院回数が増えてからは、動物病院の方角に向かっただけで尾がしょぼんと垂れ、院内ではストレスサインのオンパレード。でも通院しないわけにはいかないし…。結局外で待っていましたが、それでもストレスがかかっていたと思います。
●やっておけばよかったこと
「動物病院が本当に苦手。慣れる練習をしてもなかなか改善しなかったのでやらなくなってしまい、外で待つことにしました。練習を地道に続れば改善したかも」
子犬の頃からやっておいてよかったことも!
逆に多くの飼い主さんが「子犬の頃から続けていてよかった」と話すこともたくさんあります。
特に多かったのは、室内でのトイレトレーニング。最初はトイレシートで排尿できていても、散歩に出かけるようになると室内ではしなくなる犬もいます。「トイレシートを節約できて助かる」と思うかもしれませんが、散歩の時間まで排尿を我慢するのは、腎臓や膀胱などの泌尿器系に負担をかけます。高齢になると腎臓病や膀胱炎などを発症するリスクがいっそう高まるので、室内で自由なタイミングで排尿できたほうが健康にも役立ちます。サウザーも子犬の頃から室内トイレを継続中です。
もし問題があって悩んでいる場合も、子犬じゃないからもう無理…とあきらめず、「今からでも何とかしたい!」という気持ちが大切です。子犬は何事も柔軟に吸収できて覚えるのも早い時期ですが、成犬や老犬は時間がかかることもあります。犬にわかりやすく、犬のペースに合わせて練習を。先輩飼い主のエピソードをもとに、「1歳をすぎても良い子」と自慢できる愛犬に育てましょう!