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犬猫も「ペットロス」になることも。症状・対策を行動学の専門獣医師が解説


ペットを多頭飼育されているご家庭も多いと思います。もし同居ペットが亡くなったら、残されたコたちは、その喪失感から、人と同じような「ペットロス」になってしまうことがあるのでしょうか。今回は、「ペットのペットロス」について考えてみます。

 

ペットにも「ペットロス」はある

●食事がとれなくなる
犬や猫にも、もちろんペットロスはあります。例えば私が相談を受けた例で、オスとメスのフレンチブルドッグの2頭飼育のうち、片方のコが亡くなったケースがありました。残されたコは、自分の世界に閉じこもって、終始ぼーっとするようになった。窓際に立ったまま窓の外を見るようになり、ご飯も食べない、寝ない、飼い主さんの呼びかけにもあまり反応しない。相談に来られたのは1カ月くらい経ってからでしたが、フレブルらしくなくガリガリに痩せてしまって、ひょうたんのようにくびれがくっきりと見えるくらいになっていました。

人と同じで、あまりにも悲しいことがあると食べられなくなるのは、犬にもありうることです。とくに亡くなってすぐは、亡くなったコのにおいが洋服や首輪・リードなどに残っているため、その場所を離れないこともあります。

●分離不安を発症する
その他、甘えてベタベタしてきたり、後追いするようになるケースも。もともと分離不安の気質を持っているコは、こういったきっかけで分離不安症状が発症することが多い。精神のバランスがとれなくなってしまうんですね。

一緒に暮らしていた犬や猫が亡くなる場合だけでなく、人に対しても同様で、例えば娘さんが進学や結婚で家を出て行くなど、家族の人数が「減る」方向で現れやすくなります。

●病気を発症する
大切な家族との別れをきっかけに心身のバランスを崩し発病してしまうケースも。ペットロスが原因だろうと、ペットの食事、睡眠、活動のレベルの変化を軽視してしまうと実はそこに病気のサインが隠れている場合もあります。長く続く不調がみられたら年齢問わず病院で検査してもらうことをお勧めします。

●犬と猫では、どちらが立ち直りが早い?
猫にもペットロスはありますが、ケースは少ないです。もともと単独生活の動物なので、分離不安になる確率が低い。もちろん悲しみはしますが、立ち直りは犬よりも早いです。ただし亡くなった子と深く繋がっていたり、日本猫よりも親和行動がよくみられる友好的な西洋猫の場合は、ペットロスを発症することもあります。

 

ペットロスのダメージ対策

ペットロスのダメージからの脱却は、基本的に時間が解決してくれるのを待つしかありません。人のほうが、ずっとペットロスから抜け出せないケースは多いと言われていますが、ペットの中には亡くなった子を追いかけて旅立ってしまうケースもあります。悲しみや喪失感を持ち続けながら暮らしていくことはペットも同様に多大なストレスを感じます。

ペットの立ち直りがあまりに長引くようであれば、動物の気持ちを理解する技術を習得したアニマルコミュニケーションの専門家などに相談したり、ヒーリングを受けさせたり、メンタルケアに役立つレメディやハーブなど代替療法を取り入れることも一つの手だと思います。

 

新たにペットを迎えるのは是か非か?

人のペットロスの場合には、新しいコを迎えて気を紛らわすという選択がありますが、これはペットにも通用するのでしょうか?もともと多頭で飼育されていたため他者を受け入れやすく、新しいコを迎えたことで、仲良く暮らせて元気になるコもいます。

ただし、ケースバイケース。相性が悪い場合には、先住ペットのストレスをさらに増すことになりかねないので、注意が必要です。

 

飼い主が亡くなった後のことを考えておくこと

飼い主が亡くなってペットだけが残されることもあります。とくに一人暮らしの方は、突然死や病気などで亡くなって、ペットだけが残される万が一のことを考えて、次に面倒をみてくれる人を決めておくことが重要です。親戚なり、友人なり、引き取り手が決まったら、自分が元気なうちから何回かペットと会ってもらっておいたほうがいいです。急に次の飼い主ですとなるとペットも戸惑ってしまいます。

もし病気で亡くなることがわかっているときは、一緒にいられる時間が少ないこと、誰の所に行くのかも事前に伝えてあげるといいでしょう。それはペットにも伝わります。

猫の場合は、環境変化に敏感な動物なので、飼い主が変わり、家の環境も変わるとなれば、心のストレスは犬よりも大きいです。それでも何回か家に来てもらって会わせておくほうがいいでしょう。

牧口香絵

獣医師、ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets 代表、AVSAB(アメリカ獣医行動学会)会員

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