ああ、暑い、暑い、暑い!
猛暑の日本に負けず、ニューヨークもむしむしと暑苦しい日が
続いています。でもワンコたちは、この街の夏が大好き。
きょうは、私、木元裕子が暮らすマンハッタンの
ダウンタウンで見かけた犬たちを紹介しましょう。
靴をはいて散歩中のミニチュアシュナウザーのオレオくん。「道が熱くて汚いので、靴は必需品」とオーナーのグレイスさん
犬と暮らすホームレスのおじさん
ツーリストで賑わうグリニッジビレッジを散歩中のスポットとピクルス。
ある日の夕方。街を歩いていると、
荷物をぎゅうぎゅうに詰めたカートを引きながら、
犬を連れて歩く男性に遭遇しました。
ソーホー周辺の路上にバンを駐車しながら2匹と一緒に
住んでいるという、ジミー・タランジェロさん(60歳)。
「マンハッタンはレント(家賃)が高いけど、
車中で暮らせばタダだからね」とニヤリ。
10年ほど前に家を失い、以来 車中暮らしを続けています。
犬連れのホームレスは時々見かけますが、車中で暮らす人は
珍しいようで、ジミーさんは、こちらのメジャーな新聞や雑誌、
ニューヨークポストやニューヨークマガジンでも紹介されたこと
がある「有名人」だったのです。
ジミーさんに寄り添うようにして歩いているのは、
スポット(14歳半)と、その息子ピクルス(12歳半)。
かつては4匹と暮らしていたこともありましたが、
今はこの2匹と一緒に車中暮らしです。
犬が大好きなジミーさんがまだ家で暮らしていた頃、
ニューヨーク郊外にある世界最大規模のシェルター
「North Shore Animal League」から、彼らをもらってきました。
冬はみんなでぴったり寄り添って眠るのでとても温かく、
あやしい物音がすると吠えて、危険な外敵から守ってくれるそうです。
「朝起きるとみんなで散歩に出掛けるのが日課。
夕方も毎日街を散歩しているよ。
こいつらは心強い仲間であり家族なんだ」
とジミーさんは、2匹を愛おしそうに見つめていました。
「カメラが苦手なので気をつけて」と、パパラッチ嫌いのスポット(左)
「元気?」と顔見知りの女性と談笑するジミーさん。有名人である彼に皆フレンドリーに声をかける。
フリーライター&イラストレーター 木元裕子
ニューヨーク在住。日本ではTVCMのプランナーだったが、永住権が当たったので、ネコ連れでニューヨークへ。現在は2代目のネコ、サバ(10歳)とグリニッジビレッジで暮らしている。ニューヨークの日系フリーマガジンや日本の雑誌に執筆。イラストレーターでもある。