「猫ごはん」考〜手作りトッピングに挑戦!(2)

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猫の手作り食を実践する獣医師の古山範子先生に教えていただいたポイントとレシピ本を元に、手作りトッピングに挑戦。ゴロウちゃんはもともとドライフードとウエットフードの両方を食べているので、ドライオンリーの猫に比べれば受け入れやすそうです。ゆでたささみは大好物だし、野菜を食べさせたことはないけど、猫草は大好き。何よりも、食い意地が張っているから、ゴロウちゃんならきっとすぐに受け入れて喜んでくれるはず!

とっても喜んでくれると思ったのに……

挑戦を始めたのは秋口。ちょうど旬の秋鮭が店頭に並んでいた頃だったので、まずは「鮭と鶏肉のそぼろ」を作ってみました。なかなかおいしそうです。さあ、召し上がれ。

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良質なタンパク質の鶏肉(ひき肉)、胃腸を温めて消化吸収をよくする鮭(生鮭)、消化を促進するキャベツ、βーカロテンや鉄分などが豊富な小松菜。素材はすべてゆでて、フードプロセッサーでペースト状に。

きっと喜んでばくばく食べるだろうと思ったのに、ゴロウちゃんは少し戸惑い気味。少しして食べ始めたものの、しばらくして吐き戻してしまいました(><)。初めて食べた野菜が嫌だったのでしょうか。私が張り切りすぎて、いきなりいろいろな素材を混ぜすぎたのがいけなかったのかもしれません。ゴロウちゃんはその後、食事を少し警戒するようになってしまったので、いったんいつものウエットフードのトッピングに戻し、ほとぼりが冷めた頃にチャレンジ再開です。

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今度はヘンなもん、入れてないでしょうね?

 

マグロとささみでご機嫌回復!

前回は欲張ってあれこれ入れすぎてしまったので、先生に教えていただいた「食べ慣れているものから」の原則を肝に銘じてやり直し。いつも与えているウエットはマグロやカツオベースのものなので、マグロの刺し身でシンプルに作ってみました。ゆでたマグロの赤身&ゆでキャベツをトッピング。先にマグロをゆで、そのお湯でキャベツをゆでて野菜にも風味をしみ込ませました。これならどうだ!

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気に入ってくれたようですが(左)、マグロだけを先に食べて見事にキャベツを残しました(^^;)(右)。でも、最終的にはドライフードと一緒にすべて平らげたので、なかなかの好感触!

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同じくマグロとキャベツベースに、食物繊維が豊富なさつまいもを入れて、ドライフードと別盛りに。マグロは半生に湯通ししたものと生をトッピング(左)。あ〜、また野菜を残していますが(右)、これも後に完食。マグロは生のほうが好きみたいです。

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好物のささみにカボチャを混ぜて、かつお節を少々。これはペロリと完食。カボチャは案外好きなのね。

いろいろなものがだいぶ食べられるようになってきたところで、古山先生のレシピ本などを元に、体調を整えてさらに健康になれそうなトッピングにも挑戦してみたら、どちらも完食しました。

 

●免疫力を高めて肝臓強化!
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【材料】鶏レバー、鶏もも肉、キャベツ、にんじん。
【作り方】それぞれをゆでて、細かく刻んで混ぜる。
鶏レバーは牛や豚のレバーよりも鉄分やビタミンAが豊富で、免疫力を高める効果があるそうです。

●消化と排泄をサポートして腎臓病予防
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【材料】生タラ、ひじき、半熟卵(1/2)、大根おろし(生)。
【作り方】ひじきは水に戻してやわらかく煮る。ゆでたタラの身をほぐしたら、材料を混ぜ合わせる。
タラは高タンパクで低脂肪でリンも少なめ。食物繊維が豊富なひじきと、酵素が豊富な大根おろしで消化をスムーズに!大根おろしは利尿効果も期待できるので、腎臓病予防にも。

 

手作りトッピングのメリットとちょっと困ったこと

手作りトッピングを始めてよかったと思ったのは、ささみ以外にマグロも大好物だとわかったこと。実は昨年末、ゴロウちゃんが体調不良に陥り、突然、ごはんをまったく食べなくなりました。フードに飽きたのかと思って1食は様子を見ましたが、ささみにも口をつけず、マグロも食べないなんて明らかにおかしいと思ってすぐに動物病院へ。点滴や投薬をしながら食欲が完全に戻るまでには1週間くらいかかりましたが、3日目くらいからマグロに少し口をつけるようになり、徐々に回復しました。確実に食べる好物が2つ以上わかっていると、こういうときに心強いと感じました。

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マグロの刺し身が食べたいなあ〜。マグロを見るとかなりテンションが上がります。

猫用のトッピング作りはゆでるだけで、ヒト用の料理と違って味付けも必要としないので、やってみるとそれほど負担にはなりません。それから、私が食べる分と食材がシェアできるという点でもおトクです。

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生鮭と鶏ひき肉、キャベツと小松菜で、ゴロウちゃんには「鮭と鶏のそぼろ」(左)、私の分は、じめじを加えて鮭と野菜の煮浸し(右)。

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時間があるときに作り置き。ゆでて刻んだ肉魚系と野菜を、製氷皿で別々に保存。1つずつ取り出して解凍すれば1食分完成!自分用のスープのちょっとした具やだしとしても使えます(左)。ゴロウちゃんの大好きなマグロは、1切れずつ冷凍(右)。冷凍庫で1〜2週間は保存できます。

ちょっと困ったのは、古山先生もおっしゃっていたように、人の食べ物への関心が高くなること。私がマグロの刺し身をゆっくり味わえなくなったのと(横取り注意!)、キッチンへの興味も高くなったので、料理するときに若干ジャマではありますが……。

毎日必ず手作りはできないけれど、従来通りの市販のウエットフードとも併用しながら、「できるときにやる」というゆるいスタンスで続けていくつもりです。今のところゴロウちゃんは、私の手作りよりもまだ市販のウエットフードのほうが好きなご様子(^^;)愛情が足りないのか……。ちょっとくやしいので、ゴロウちゃん好みのおいしくて健康にもなれるトッピングを作れるように、引き続き研究してみます!

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今日は何を作ってくれるの? わくわく♡

 

【これはおすすめ!ささみふりかけ&ジャーキー】
手作りトッピングに挑戦する以前から、作ってストックしていました!とても簡単なので、おやつ好きのニャンコにはおすすめです。

1.ささみを麺棒などでうすくのばす。
2.天板にクッキングシートを敷き、オーブンに入れて170℃で20分焼いた後、ひっくり返してさらに20分焼く。そのまま冷まして水分が飛んだら完成。

ペットライブス

焼き上がり完成。こらっ!早速、手が出ています(^^;)

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ミキサーにかければふりかけに(左)、食べやすい大きさに切ればジャーキーに(右)。

 

手づくりトッピングについて、古山先生に聞いたノウハウはこちら>

<関連リンク>

 獣医師コラム 「猫の食事」

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宮村美帆

フリーエディター、愛玩動物飼養管理士 動物好きの両親の影響で、子どもの頃から、犬、小鳥、ハムスター、鈴虫、錦鯉など、何かしら生き物がいる環境で育つ。動物看護師として2年間の動物病院勤務を経験した後、猫の月刊誌『CATS』の編集者に。その後、人と動物の今を考える雑誌『季刊リラティオ』の編集などを経てフリーランス。エディター、ライターとして、ペット(動物)、児童書(図鑑)、実用書、デジタル情報辞典などを手がける。 ずっと犬派だったが、動物病院勤務で猫の魅力に目覚め、猫雑誌の編集でどっぷりハマる。獣医…

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