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[獣医師コラム]猫の食事 「食性(肉食)」と「泌尿器の健康」への配慮がポイント

毎日の食事の質が健康に直結するのは、人も猫も同じです。「栄養管理はフード任せ」の飼い主さんも多いかもしれませんが、猫がどんな動物で、どんな食性をもっているのかを知ったうえで、愛猫の食事を一度、見直してみませんか。

 

体の仕組みに表れる「肉食」の特徴

猫は純粋な「肉食」動物で、体の各部にその特徴が表れています。例えば…

猫の歯は臼歯も尖っています。人の臼歯のように噛んですりつぶす機能はなく、ハサミのように肉を噛み切る働きをします。

● 人の唾液には炭水化物(デンプン)を糖に分解する酵素アミラーゼが含まれていますが、猫の唾液には含まれておらず、胃でのアミラーゼの働きも強くありません。

腸の長さも、草食動物や雑食動物に比べると圧倒的に短いです。

こうした体の仕組み上、猫は炭水化物の消化が苦手なんです。

 



猫の食事で気をつけたい3つのポイント

それでは、猫の食事はどんな点に気をつけるべきでしょうか?

1.良質なタンパク質
肉食ですから、良質なタンパク質主体の食事が理想です。タンパク質をたっぷり摂ると筋肉量が増え、体重は増加するかもしれませんが、引き締まった猫らしい体型になります。一般のドライフードは炭水化物の比率が比較的高いので、本格的にタンパク質主体の食事をめざすなら、手づくり食になります。

2.水分
水も大切な食事のひとつです。猫は元々あまり水を飲まない動物。濃縮された濃い尿を出すため泌尿器への負担が大きく、泌尿器の病気にかかりやすい特徴があります。水分をしっかり摂取して、十分な量の尿を出すことがとても重要になります。

ところが、1日に必要な摂水量約200ccに対して、猫がひと舐めで摂れるのはわずか0.1cc。飲水だけでは限界があるので、食事からも上手に摂取したいものです。ウェットフードや手作り食が有効ですが、ドライフードの場合は、肉のゆで汁を飲み水にしたりフードにかけたりして、水分を摂りやすくする工夫をしてあげましょう。

ペットライブス猫の食事トッピング
ドライフードに鶏むね肉と軟骨、カボチャをトッピングしたメニューの例。鶏ひざ軟骨は関節・粘膜の保護に役立つので、膀胱炎対策にもお勧めです。完全手づくり食の前に、このような“トッピングごはん”からだと始めやすいと思います。

3.ミネラルバランス
猫の食事ではミネラルバランスも重要なポイントです。バランスが悪いと、猫に多い尿石症の原因になります。フードを与えるなら、泌尿器の健康に配慮してミネラル分を調整した良質なものを選ぶこと。また、手づくり食やトッピングをする場合は、お肉の量が多すぎるとリンの過剰摂取の心配があります。目安として、フードの割合をいつもの7割にして、1日にお肉40~50g、野菜10g程度の追加であれば、問題ありません。

 

病気や症状に合わせて調整できるのが「手づくり食」のメリット

ドライフード以外にも、愛猫がいろんな食材を食べられるようにしておくと便利です。手づくり食のいいところは、病気や症状に合わせて調整ができること。シニアになったときの健康管理もしやすくなります。もっとも、シニアになってから、いきなり手づくり食に変えても、なかなか慣れてくれません。猫は生後6カ月ぐらいまでに食べたものを「食べ物」と認識するので、それまでにいろんな食体験をさせるといいでしょう。

「手づくり食は、歯周病になりやすいのでは?」と心配する人もいますが、歯石のつき具合はフードも手づくり食も変わりません。歯周病対策には歯みがきが大切ですが、猫は一般に口の中を触られるのが苦手。その場合には、唾液腺のある上の奥歯の辺りを、口の外側からマッサージしてあげるだけでも効果があります。唾液の分泌が促進され、口内をきれいにしてくれます。

食後のオーラルケアも含め、食事は健康管理の要。愛猫の食事について、今まで以上に大切に考えてあげてくださいね。

ペットライブス猫の食事
手づくり食を始めたばかりでも食べやすい野菜と、手づくり食を毎日続けるときには、必ず食材に加えてほしい鶏レバー、ハツを合わせたメニュー。ただし、この量の内臓肉は週に2回程度が適量。摂りすぎも負担になるので注意が必要です。

 

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古山範子

獣医師、日本ホメオパシー医学会獣医認定医、日本ホモトキシコロジー協会会員

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