どうする?猫多頭飼いの停電対策。避難所に行けない我が家がハイブリッドカー給電を選ぶまで

こんにちは。猫多頭飼いのライター富田園子です。ペット飼育者向け防災本も数冊執筆させていただいています。そのたびにこう思っていました。「多頭飼育の我が家は、在宅避難するしかない…!」。

猫10匹超の我が家は、避難所ではなく「在宅避難」が現実的

災害で電気やガス、水道などのライフラインが途絶えた場合、ペット連れで避難所に行き、生活することもできます。ですが、我が家は猫10匹を超える多頭飼い。災害時は基本、徒歩での避難になるので(車で避難しようにも道路がめちゃめちゃだったり、交通規制がされている場合が多々)、歩いて運べるのは一度に多くても3匹。何往復すれば猫全員を運べるのかって話で、そもそも緊急時に何往復もする余裕なんてないのでは? という懸念がありました。

キャリーバッグを3つ抱える筆者

それに加えて、私が最も恐れているのは夏の暑さです。いやホントにもう、最近の夏はどうなっちゃったんでしょうか。昭和の頃は真夏でも冷房ナシで過ごせたのに……。冬なら寒くても毛布を出せば、猫も人間も暖をとれます。ですが、暑さだけはどーにもならないっ!! 真っ裸になっても暑さはしのげません。エアコンがないことには過ごせない国になってしまったんですね日本は。私は「日本は温暖湿潤じゃなくもう亜熱熱帯でしょ!」とだいぶ前から思っております。

話を元に戻しますと、夏場はエアコンがないと過ごせない。つまり、電気ナシには生きていけないんです。災害時に避難所で過ごせたところで、避難所にエアコンがなければ同じこと。とにかく電気の供給をなんとかせねばならない。そうでなければ猫も人も熱中症で死んでしまうのだ……!

停電は猫にとっても一大事。太陽光発電やポータブル電源でエアコンは動くのか?

というわけでワタクシは停電時の発電について調べ始めました。はじめに思いついたのは太陽光発電。屋根の上にソーラーパネルを載せればよいんでないの? と。

ところが調べてみると、太陽光発電で得られる電気でエアコンを動かせるのはせいぜい数時間。もちろん太陽光パネルを何枚屋根に乗せられるか、太陽光パネルで作った電気をためておく蓄電池がどれくらいの容量か、などにもよりますが、いずれにしろ丸一日もたないんです。当然、昼間に太陽が出ていないと発電量も少なくなります。真夏は曇りや雨でも暑いですよねえ……。太陽のない夜中だって我が家はエアコンフル稼働です(東京在住)。

ポータブル電源

こういうポータブル電源だって、大容量のもありますが、エアコンは消費電力が多いから数時間しか動かせない。屋台で見かけるガソリン式の発電機はパワーがあるけど、そもそも屋内では使用できないし、ガソリンを容器に入れて保管しておくって、管理が大変そうだしうっかりしたら火事になっちゃいます。

救世主は「車」だった!ハイブリッドカー給電という選択肢

ほかに何か手はないのか! と調べまくっていたところ、見つけました。ハイブリッドカーから給電する方法を。いまはこんな便利なのがあるのね。ワタクシは運転免許も持ってないので全然知りませんでした。

満充電&ガソリン満タンなら、一般家庭の電気をクーラー含め10日以上まかなえる車もあるそう。これは桁違いの発電力! 東日本大震災でも電気は6日で復旧しているので、10日なら十分。ガソリンスタンドでガソリンを給油できればもっと長い期間発電できるわけで、これはもうハイブリッドカーを買うしかない! と気持ちが固まったのです。

家族と相談のうえ、選んだのがコチラ。

筆者が購入した薄いベージュのトヨタのアクアという車種の車

トヨタのアクアという車種。ちなみに中古です。満充電&ガソリン満タンで供給できる電気量は、エアコンフル稼働だとだいたい4日くらい。最高レベルより落ちるけど、それは予算の都合でいたしかたなし。途中、ガソリンが給油できることを祈ろう。

ハイブリッドカー&家庭用蓄電池(車で作った電気を住宅へ引き込む設備)の導入で、災害時への備えはクリア。ところが自治体から出る補助金について調べてみると、東京都の場合「家庭用蓄電池&太陽光パネル」のセットでないと、補助金がもらえないことになっていました(※年度によって条件等変更あり)。試算すると、太陽光パネルを追加したうえで補助金をもらったほうがオトクだったので、結局一周まわって太陽光パネルも設置することに。

筆者宅の屋根にとりつけられた太陽光パネル

トヨタの場合、いまどれくらい電気を使っているのか、太陽光パネルでどれくらい電気を作っているのか、スマホアプリで確認できます。たくさん電気を作れていると「やった!」という気分に。
担当者さんによると、こうやって可視化されることで節電にも努めるようになるのだそうです。なるほど。

電気の流れを示すスマホアプリの画面

給電モード中の車内の表示。車内でボタンをいくつか操作し、住宅に設置した設備と車をケーブルでつなげば、車から給電できます。

給電モード中の車内のパネルの様子

右の黒いケーブルが車とつながっています。

住宅と車をつなぐケーブル

車から給電できてます!

車からの給電を示すスマホアプリの画面

猫たちの命を守るための初期投資。気になる総額と補助金は?

ちなみにお財布事情はというと、中古車が約200万円、蓄電池と太陽光パネルの工事費で約300万円、計500万円。東京都からの補助金が130万円ほど出るので、差し引き370万円ほどの出費です。これに車の保険なども加わります。うう……働かねば(汗)。
※助成金の申請を個人で行うのは大変そうだったので、私は申請を代行してくれる設置会社を選びました。

夫は運転免許をもっていますが、私はなし。でも万一のとき、せめて最寄りのガソリンスタンドまで運転できないと意味ないじゃん!ということで、いまさらながら教習所にも通い始めました(^-^; もっか、必死に勉強中です。


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筆者の著書「猫と一緒に生き残る防災BOOK」と寝転んであくびをするハチワレの愛猫
富田園子

編集&ライター、日本動物科学研究所会員 幼い頃から犬・猫・鳥など、つねにペットを飼っている家庭に育つ。編集の世界にて動物行動学に興味をもつ。猫雑誌の編集統括を8年務めたのち、独立。編集・執筆を担当した書籍に『マンガでわかる猫のきもち』『マンガでわかる犬のきもち』『野良猫の拾い方』(大泉書店)、『ねこ色、ねこ模様』(ナツメ社)、『ねこ語会話帖』『猫専門医が教える 猫を飼う前に読む本』(誠文堂新光社)など。7匹の猫と暮らす愛猫家。 ▶HP:富田園子ホームページ ▶執筆&編集した本: 『マンガでわかる…

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