6月20日って、何の日かご存知ですか?「健康住宅の日」なんですって。健康住宅推進協議会という団体が定めた記念日で、人間が快適に暮らすにはどうすれば良いか?
人に優しい住宅について考える日だそうです。今日はGatos Aptが考える「猫と人に優しい住宅」について書かせていただこうと思います。
猫と人に優しい住宅は・・・地味です
昨今の「猫ブーム」のお陰か、猫専用賃貸を作りたいとご相談に訪れる方が増えています。相談のためGatos Aptに来られた方や、Seilan Aptの内覧会に参加された方の中には、期待ハズレだったと思われる方がいらっしゃいます。詳しくお聞きするとガッカリポイントはこんな感じ。
猫カフェと勘違いパターン。「キャットウォークが所狭しと張り巡らされていて、何十匹も猫たちが動きまわっていると思っていた」
特殊な素材を使っていると思っていたパターン。「床は走っても滑りにくい素材、壁は匂いを吸収する素材とかだと思ってました」
猫カフェのような内装は、一時的になら良いかも知れませんが、ずっとそこで暮らす人間は果たして快適でしょうか?特殊な素材は本当に必要でしょうか?売り手側が安直に「ペット可です」と言うための方便になってはいないか?…と、私は考えてしまうのです。なので、Gatos AptやSeilan Aptには、こうした「派手なギミック」はあまりありません。
それでは、何を持ってして「猫専用賃貸」と標榜しているのでしょうか?
あなたのお家、猫トイレの置き場所はどこですか?
私が携わった猫専用賃貸の猫用設備は、基本的に「私の経験」を元に設置されています。私が猫と一緒に「普通の家」に暮らしていた時、「あれば良いな」と思った工夫の数々です。
最もこだわっているところ、それは「トイレ」です。猫を飼っているお家でよく目にするのは、猫トイレがリビングに鎮座している光景。一般に、猫トイレは飼育頭数+1を用意することが推奨されています。しかし、日本の住環境で易々とそれだけのトイレを置くスペースなんて、ないのですよ。だから皆、仕方なくリビングに置くワケです。
一軒家や広い部屋にお住まいの方なら脱衣所や(人間の)トイレに置けるかもしれませんが、30㎡前後の賃貸住宅となると、絶望的に置く場所がありません。「リビングに置くと、猫のウンチやオシッコをチェックしやすいので良い」とおっしゃる方もいますが、私は嫌なんですよね〜。
だって人間が食事したり、くつろぐスペースに猫のとは言えトイレが鎮座している光景って「人間が快適に暮らせる住環境」とは言えないと思うのです。ニオイも、すごく気になるポイントです。
それでは、Gatos AptやSeilan Aptで実践しているトイレ・テクニックを大公開!
水まわりに猫トイレを2つ置けるスペースを確保
まめに掃除と片付けができれば、猫トイレの数は頭数分でOKだと思っているので、洗面室に猫トイレを無理なく2つ置けるスペースを確保しています。
Gatos Apartmentの洗面室 兼 トイレ
Seilan Apartmentの洗面室
Gatos Aptの場合、同一空間に人間用トイレ、洗面台、浴室を配置しています。こうすると、こんなメリットがあります。
・猫砂を隣の人間用トイレで流せる(流せる猫砂の場合)。
・猫トイレを隣の浴室で洗うことができ、設置もすぐにできる。
夏場になると、猫トイレはすぐに異臭を放つようになります。システムトイレでもこまめなマット交換はもちろん、週1回は水洗いをしたくなるもの。猫トイレがリビングにあったら、嵩張るトイレを抱えて浴室まで運んで…という苦労も、こうすると楽になります。
ニオイ対策は万全!洗面室にも換気扇を設置
多くの賃貸では洗面室にまで換気扇を設置しません。多くの賃貸が採用するユニットバスには最初から換気扇を備えているからです。私の猫専用賃貸では、ニオイ対策として、洗面室にも換気扇を設置しています。
猫トイレのすぐ側に専用換気扇を設置(Gatos Apartment大家居住部分)
猫扉を設置すると、人間は安眠できる?
人間が寝静まったころにウンチをする猫、結構多いのです。猫は明け方や夕暮れ時に最も活動する動物と言われています。
元来、獲物であるネズミなどの小動物が活動を開始する時間帯に合わせていたからです。現代の、猫たちは狩りをする必要がないため、ライフサイクルを人間に合わせて行動しますが「夜中のトイレ」は、DNAレベルで太古の記憶が呼び起こされているからかもしれません。
Gatos Aptのお部屋は35㎡のワンルームです。夜中にトイレに行きたくなった猫は、猫トイレのある洗面室へ行こうとして、もし洗面室のドアがしまっていたら…「開けてー!」と爪でドアをシャカシャカやることでしょう。人間は、ドアを開けるために起こされます。そして猫のウンチが終わるまで待ち、猫がトイレを離れたら、早々にウンチを片付けるのです。
「最初からドアを開けておけば良いじゃない!」という方がいらっしゃいますが、無理です。隣接した住環境ゆえ結局、強烈なウンチのニオイで起きますから。嗚呼、起きるも地獄、起きぬも地獄。それを解決するのが、この猫扉。これさえ洗面室のドアに付けておけば、猫は自分でトイレに行き、ニオイが寝室へ侵入することも防げます。
若い人にこそ、猫と一緒に生活してほしい
老若男女に愛される猫ですが、残念ながら20代〜30代で飼っている人は、ほんの一握り。それもそのハズ、この年代の多くが、一人暮らしをしています。日本にはペット可のアパート、マンションの絶対数が圧倒的に少ないのです。
近年、ペットの長寿化が進み、一昔前であれば、猫の寿命は10年程度でしたが、最近では20年生きることも珍しくありません。もし、あなたが30歳の時に子猫と暮らすことになったら、その子が亡くなるのは、50歳の時なのです。私は一人でも多くの若い世代の人たちに、猫と一緒に暮らして欲しいと思っています。(もちろん、それ以外の層の方もですよ!)
だから、Gatos Apartmentを建て、コンサルや監修を請け負い、全国に一棟でも多くの「若い世代が積極的に住みたいと思える快適な猫専用賃貸」が増えるようにと活動しているのです。
トイレ以外の「猫と人が快適に暮らすため本質的に必要なもの」を、消費者側、経営者側双方の視点から考えた工夫の数々は、富田園子さんの記事に詳しいので、ぜひこちらをご覧ください。
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