ニキビってどんなイメージを持っていますか?ヒトと比べると猫ちゃんのニキビは少しイメージが違うと思います。今回は猫のニキビについてお伝えしたいと思います。
意外に知られている猫のニキビ
過去にPetLIVES読者に聞いたアンケート結果を見て、私は非常に驚きました。7割の方が猫のニキビについて何らかの情報を持っているということに。確かに実際の診療現場では軽症〜重症と様々なケースがありますが、多くの猫ちゃんが猫のニキビにかかっていると思います。おそらく症状がない場合は、見逃している可能性もあるでしょう。お家の猫ちゃんの顎を一度観察してみて、黒いつぶつぶした汚れがあればそれは猫のニキビです。
猫のニキビを徹底解明!
どんな病気?
猫のニキビ(アクネ、痤瘡(ざそう))は、一般的に顎の部分に黒いゴマのような汚れがあることで気づくことが多いです。軽症だと飼い主さんも気づいていない場合もあり、病院などで偶然発見されることもしばしばあります。この黒い汚れは「面皰(めんぽう)」といって毛穴に皮脂がつまっている状態です。
原因は猫ちゃんがグルーミングを上手にできないことや飼い主さんのブラッシングができていないことが挙げられますが、ストレス、肥満、皮脂の分泌異常、ウイルス感染、免疫抑制疾患なども原因になります。
どんな猫ちゃんがなりやすいの?
年齢、品種、性別に関係なく発症するので、どんな猫ちゃんでもニキビができる可能性があります。また、アレルギー性皮膚炎がある猫ちゃんはニキビを併発しやすいので注意が必要です。
どのように治療するの?
症状の重症度によって治療が必要か決まります。特に猫ちゃんが気にしていないようであれば、経過観察でも構いませんが、掻いたりこすったりするようなら治療が必要です。
治療で大事なことは、毛穴の汚れを落としてあげること。毛穴につまった汚れはなかなか取るのが大変ですが、オリーブオイルやベビーオイル、動物用のクレンジングオイルなどを使用すると効率よく汚れが取れます。女性の化粧落としと同じ原理です。クレンジングオイルで患部をよくマッサージすると汚れが浮いてきますので、その後に毛包洗浄力のあるシャンプーなどを使用して洗い流しましょう。
化膿の原因になるので無理に爪などで汚れをガリガリ取ることはやめましょう。軽度であれば濡れたコットンなどで拭いてあげるだけで十分です。もし、膿が出たり、痒がったり、赤くなった場合は動物病院の受診をお勧めします。
予防できるの?
猫ちゃんのニキビは生涯にわたって症状に合わせた治療管理が必要です。軽度の場合は審美上の問題で特に治療は必要ありませんが、悪くならないように定期的にお掃除してあげましょう。またストレスや肥満にも気をつけることが大事です!