専門医がズバリ指摘!あなたのデンタルケアでは、愛犬を歯周病から守れないかも

こんにちは。ペットライブス編集部のnokkosです。

犬には歯周病が多いといわれていますが、皆さんは、愛犬のデンタルケア、どうしてますか?
食後にガーゼで歯磨き。硬いひづめをカジカジしてるから、歯石知らず。歯石除去で歯がツルツル~♪・・・などと安心している飼い主さん、あなたのケアは間違っているかもしれません。
歯科治療のスペシャリスト、とだ動物病院院長・戸田 功先生にデンタルケアについての正しい知識を教えていただきました。

戸田先生3

多くの症例を見せながら熱心にレクチャーしてくださる戸田院長

 

間違いだらけのデンタルケア

スケーリング(歯石除去)をしたから大丈夫と思っている飼い主さん、歯石を取っても歯周病は治りません」と、戸田先生。歯周病の原因は歯石ではなく、歯垢。歯垢は固形分の60%が細菌で、それが歯周ポケットに入って増殖し、歯周病を引き起こします。歯石は歯垢が石灰化したもので、細菌はすでに死滅しているので悪さはしません。「歯石がつくと歯の表面に凹凸ができて、そこを足場に細菌が繁殖しやすいので取った方がいいですが、慌てて取る必要もない」のだそうです。

麻酔のリスクを必要以上に恐れて、歯周病治療をためらう飼い主さん、処置が遅れる方が、愛犬の体にはよほど危険です」。高齢で心臓が悪い犬の手術と、健康で歯の汚れを取る程度では、麻酔の危険度は全然違うのに、それを一括りで恐れることに戸田先生は疑問を呈します。

無麻酔スケーリングもありますが、犬を押さえつけて恐怖心を与え、歯に付いた歯石だけを取り除いても歯周病は解決しません。外からは見えない歯周ポケットで進行しているからです。「治せないのに、飼い主さんが治ったと思い込むのが一番の問題」とも。

ひづめや骨を与えると、歯石の付着を防ぎ歯周病対策になると信じている飼い主さん、それは迷信です」。硬すぎる物を噛むと、犬の臼歯はしばしば縦割れを起こし、歯科の専門治療が必要になることも。戸田先生によれば、そもそもデンタルボーンなどの噛ませるグッズやガーゼによる歯磨きは、歯の表面に当たるものなので、歯周病とは無関係。「本当に有効なのは、歯ブラシなどの歯周ポケットに入り込むものだけです」

 

最も有効な歯周病対策は、歯ブラシによるケア

ということで、家庭でできる一番の歯周病対策は、歯ブラシによるケア。歯ブラシには次の3つの効果があるそうです。

デンタルケア犬

1)歯垢(悪玉菌)を取る: 歯周ポケットにブラシを当て、悪玉菌をかき出してきれいにします。

2)空気を入れる: 悪玉菌は嫌気性の細菌で、酸素があるところでは増殖しにくいため、ブラッシングで歯周ポケットに空気を送り込みます。

3)ドラッグデリバリー: ジェルなどの薬をブラシにつけて、歯周ポケットへ運びます。

歯ブラシによるケアの大切さは理解できても、うちのコはムリ・・・という飼い主さんも多いと思います。そこで、少しずつトレーニングしていきませんか? 戸田先生に教えていただいた歯磨きに慣らす方法は こちら(Petwell特集)で。

歯周病は、ひどい口臭や痛み、食欲不振などで犬を苦しめるだけでなく、全身の臓器にも影響を及ぼしかねない病気。
家庭でのデンタルケアと並行して、年1回は動物病院で歯と歯肉をチェックしてもらい、愛犬の健康を守りましょう。

 

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PetLIVES編集部

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