誰もが参加できる里親探し。参加型「譲渡」情報シェアサイト“BMP”始動!

去る11月19日(日)、千葉市美浜区の幕張メッセで開催された、日本最大級の大譲渡会・ブレーメンパーク(主催:ブレーメンパーク2017実行委員会。構成組織:ブレーメン、ピースウィンズ・ジャパン、Do One Good、トレードショーオーガナイザーズ)において、新しい動物保護アクションがお披露目されました。その名も「BMP(バンプ)」。保護犬・猫の参加型情報シェアサイトです。今回はこの画期的でフレンドリーな新プロジェクトについて紹介します。

長年の譲渡会で活かした経験をもとに
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BMPを運営しているDo One Good代表の高橋一聡さん

BMPを運営するのは、長年にわたり数多くの譲渡会を開催してきた一般社団法人 Do One Good2009年の発足以来、定期的に(真夏を除いたほぼ毎週末)、決まった場所で(東京都の青山・恵比寿・駒沢。神奈川県の横浜。2017年からは熊本県内の3か所も追加)、「アダプションイベント」(=譲渡会)を、複数の動物保護団体と連携しながら開催しています。2017年9月時点で、その数は550回を超えました。8年間も、毎週開催するというのはものすごく大変なこと。継続は力なりですが、それだけDo One Goodは、現場の悦びも苦労も身をもって知っている団体です。

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インターネットでの生体販売は動物愛護法の改正により規制がかかりましたが(インターネット販売自体が禁止になったわけではありませんが、ネット販売においても少なくとも1回は、直接対面で、販売者と購入者が会って説明と現物確認をしなければいけません)、保護動物の場合は「販売」でないせいか、そのあたりがグレーゾーンで、譲渡を簡便に済ませたいという里親希望者が今なおまだいるとのこと。ネットでポチッとクリックするだけで、簡単に動物を手に入れようとする風潮は、やはり動物福祉の観点からして間違っているように思います。

直接、保健所や愛護センターなどの行政施設、あるいは民間のシェルターや譲渡会に出向き、リアルに犬猫と会うのはとても大事なことです。そして、その犬猫たちを保護し、病気があれば治し、心の傷があればそれも癒やし、大事に加護してきた団体の人から、その動物の性格や育て方のアドバイスをじかに教えてもらうことは、これから一緒に暮らす上で欠かせません。犬猫は工場製品ではないので、1頭1頭違いがあります。可愛いところ、大変なところ、いろいろあります。それを知っているのは、実際にその犬猫の世話をしている人しかいません。

里親希望者、保護団体、一般人みんなに有益な仕組みを
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BMP(バンプ)のトップページ。
“見て、会って、投稿する 参加型「譲渡」情報シェアサイト”

しかしそうはいっても、もし今自分が保護犬・猫の里親になりたいと思ったとして、さて、どこへ行けば会えるのでしょう? 自分の動物を扱うスキルや経験、年齢、体力、経済力(たとえばトイプードルなどのトリミング犬種なら毎月1万円近くのトリミング代がかかります)などを鑑みて、ライフスタイルとマッチする家族を見つけなければなりませんが、さて、どう探せばいいのでしょう。探し方、会う場所がわからないという人も多いと思います。

であれば、日本全国にはたくさんの動物保護団体、愛護団体がありますが、その情報が一括されていて、かつ「次はこの譲渡会にこの子は行きますよ」とか「このシェルターに常時いますのでいつでも会いに来てください」とか「普段は一般家庭の一時預かりさんのところにいるので御連絡ください」などの、出会いのチャンスとなる情報があると、とても助かります。【①里親希望者のメリット】。

さらに現場では「今は飼えないが、何か手伝いたい」。お金や物資の支援だけでなく「何か動物たちのためにしたい」、でも何ができるかわからないと、悶々としている人が意外とたくさんいました。そこで犬・猫、そして現在彼らの世話を頑張っている保護団体をみんなで応援する、誰もが保護活動の一助を担うサポーターになれる方法があるといいです。【②一般の動物好きのメリット】

しかしそうはいっても、日々更新される情報の管理をするのはこれまた手間がかかります。ただでさえ非営利で、毎日休みなく動物の世話をしている保護団体さんに、さらなる負担を増やしてしまうのはよくありません。保護団体の手間を増やさない、さらには情報公開の仕事を肩代わりするような方法で行うことが望まれます。【③動物保護団体のメリット】
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未来の家族と保護犬猫が出会うための情報サイト

Do One Good代表の高橋一聡さんは「とにかく私たちは、今までの経験から、リアルな現場を大切にしたい。いちばんの目標は、現場で頑張っている保護団体さんを本当の意味でサポートすることです」と、熱く語ってくれました。みんなにwin-winな方法で、円滑に、1日でも早く新しい家族を見つけてあげたい。BMPは、そうした想いが結集した、未来の家族と保護犬、保護猫が出会うための情報サイトなのです。

★動物保護団体を応援する。【保護団体にとっていいこと】
★犬猫の譲渡を促進する。ゆとりをもって犬猫の世話をしてもらう。【犬猫にとっていいこと】
★誰でも保護活動に参加できる。保護活動が身近なものになる。【一般市民にとっていいこと】

そこで、BMP(バンプ)の名前の由来には、2つの想いがこもっています。
ひとつめは、
・Browse(閲覧する)
・Meet (会う)
・Post(投稿する)

みんなが「見て、会って、写真や情報を拡散する」。投稿写真やメッセージが増えれば増えるほど、たくさんの人々に情報がシェアされ、サポートの輪が広がり、未来の家族に出会えるチャンスが高まります。今は保護犬猫の里親になれなくても、自分の目で直接見た子たちの情報を楽しく明るく投稿して、保護犬猫の素敵な出会いを応援することができる場なのです。

ふたつめは、
・Best(最良の、最高の)
・Matching(マッチする相手と出会う)
・Platform(場所)

犬猫と人、お互いがマッチングした最高の家族に出会える新しい場。それがBMPです。

実際にBMP(バンプ)してみよう♪

そこでブレーメンパークの場で、高橋さんに実際のやり方を教えてもらいました。

(1)スマホを持って譲渡会に行く。そこで自分のお気に入りの子発見したら!

572-429-1_IMG_1569 今回は、ミニチュア・シュナウザーの“ししゃも”ちゃんに心を奪われた一聡さん

(2)ししゃもの魅力を映し出す素敵な写真を撮影する(背景にほかの来場者が映っている写真は使わないでね。今回は許可をいただき、保護団体の方と一緒に撮りました)。

572-429-2_IMG_1580 一聡さん、真剣にししゃもの写真を撮る。
可愛く素敵に撮ってね。これが運命の1枚になるかも!

(3)写真が撮れたら、その子の『家族を募集しています』ポスターに掲載されているIDを確認。

572-429-3_IMG_1572 ししゃものIDは、171です

(4)BMPのURLを直接入力するか、QRコードか、LINEのQRコードか、Facebookで「BMP」を検索して、BMPの公式サイトを開く。

572-429-4_IMG_1574 こんな画面がでてきます

(5)「誰でも譲渡応援」をクリック。すると真ん中にオレンジ色の四角で「▼すぐに応援する」があるので、そこをクリック(またはそのまま下にスクロールすればOK)。そこに以下の情報を入力します。
●触れあった犬・猫のID(今回は「171」)
●投稿タイトル(200文字以内)(なんでもOK)
●あなたのお名前、ニックネーム(200文字以内) (匿名でOK)
●触れ合って感じたことなど将来の飼い主さんに向けてメッセージ(200文字以内)

572-429-5_IMG_1575 実際出会った印象、現場で得た情報などを記入し、未来の飼い主さんにバトンをつなぐメッセージを書く

(6)書き込みがすんだら、その下にある「画像アップロード」をクリックし、撮影したjpeg画像(1枚)を選んでクリック。

572-429-6_IMG_1586 「美男子に撮れてるかな」と、ししゃもちゃん

(7)最後に「投稿」をクリックしたら、バンプ完了!

572-429-7_IMG_1588 ししゃもの情報が全国へ共有されますよ〜

(8)すると、ししゃも情報ページが完成されます。ししゃもを気に入った人がほかにもいれば、ししゃも応援メッセージと写真がどんどん増えていくという仕組みです。

譲渡会に行って、あなたもLet’s BMP!

このように投稿はとっても簡単。ちょっと丁寧にステップを分けて書きましたが、アナログ派の人でも簡単にできます。保護活動は特別な人だけのものではありません。動物愛護法の精神のとおり、すべての国民が少しでも想いを寄せることが理想です。気軽にトライしてみてください。

ちなみに個体ID番号を覚えておけば、自分の応援した子がその後どうなったか(まだ募集中なのか、譲渡決定したのか、ほかの応援者の投稿など)の情報を追うこともできます。

またBMPサイトには、 今後の譲渡会情報も掲載されています。現実的に保護犬猫を探している人も、今は里親になれないけれど応援したい人も、譲渡会に足を運んでみてください。

BMPはまだ産声をあげたばかり。これから保護団体さんの声を反映して、どんどん改良していくそうです。参加団体も増えていくでしょう。日本全国の譲渡会、保護団体とつながれば、素敵ですね。そうすれば正しいマッチングの譲渡の確率もアップするはず。みんなで盛り上げて、譲渡の輪を広げていきましょう。

BMP公式サイト https://doonegood.net/

白石かえ

犬学研究家、雑文家 東京生まれ。10歳のとき広島に家族で引っ越し、そのときから犬猫との暮らしがスタート。小学生のときの愛読書は『世界の犬図鑑』や『白い戦士ヤマト』。広告のコピーライターとして経験を積んだ後、動物好きが高じてWWF Japan(財)世界自然保護基金の広報室に勤務、日本全国の環境問題の現場を取材する。 その後フリーライターに。犬専門誌や一般誌、新聞、webなどで犬の記事、コラムなどを執筆。犬を「イヌ」として正しく理解する人が増え、日本でもそのための環境や法整備がなされ、犬と人がハッピ…

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