犬のしつけと子どものしつけ
犬のしつけを考えた時に、子犬の頃は、おしっこしたらほめる、何をしてもほめることが多いのに、成長するにつれ、飼い主がイラッとしてしまうことが増えてきませんか?
これは、理解しているはずなのに、できないからイラッとしてしまうのだと思います。注意して伝えても聞いてくれない、その繰り返しで困ってしまうことが多いことでしょう。このやりとりは、人間の子どもに置き換えても当てはまると思いませんか?
歩き出しの頃は、歩いただけでほめたり喜んだりするのに、少し大きくなると勝手に走りだすことは危険なので叱ったり、注意したりしますよね?また、片付けにしても、言ったことをやってくれないということで、イライラしてしまったり、最近毎日ガミガミママになっている私です。
保育園の先生は、このような状況のときに怒ったりするのではなく、片付けが楽しくできるような声かけを上手にしてくれます。すると子どもは途端にやる気を出すようになるのです。
伝える方法を変えてみたら~子どもの場合~
しつけといいながら、子どもの意思や気持ちを考えずに、大人の意思を押し付けていることがあります。「~しなさい」という言葉はまさにそうです。つい「早くしなさい」を連呼している自分を思い出し、反省しています。やってほしくないことを、楽しそうにやる息子
「~しなさい」を、「~やってみよう」に変えたり、「~するにはどうしたらよい?」と子どもの気持ちに問いかけるだけで、ニコニコしてやってくれたり考えるように変わることでしょう。自分で考えて自分の意思で行動するので、抵抗なく行動するようになりますね。
「~しない」から「してよいよ」に変えてみたら
犬ではどうでしょうか。犬も同じで、「~しない」ばかりで犬を窮屈にしていませんか?
例えば、飛びつきが激しい大型犬の場合、飛びつかれると飼い主の転倒やけがにつながることがあります。飛びつきは、ふいに飛びつかれるから危険になるので、「アップ」などの言葉をつけて、飼い主が余裕をもって受け止められれば同じ行動でも安全にできますね。
飛びつきの前にオスワリしたらほめることを繰り返すことでも解決できると思います。犬が勝手にすることを容認してしまうと、犬がしたいことをする、つまり、人にとって好ましくないことが増えていく結果となってしまいます。勝手にすることが困ってしまうことなので、飼い主が“やっていよいよ”の合図を出してあげれば喜んでやってくれるでしょう。
「~してよいよ~」に変えてあげれば、犬は飼い主から怒られることが減り、飼い主のことをもっと好きになっていくことでしょう。もちろん、いけないことをしたときには注意は必要ですが、ほめる頻度が増えると、犬でも子どもでも、大人でもうれしい気持ちになりますね。
ガミガミ飼い主から、ちょっとした発想の転換で、気持ちがすっきり、素敵な飼い主に変わることでしょう。伝える方法をかえてみることでイライラが減り、気持ちが楽になりますよ。
学術博士 鹿野 都
動物介在教育指導者養成講座委員
セラピーアニマル評価者養成講座委員
動物介在教育マスターエデュケーター
麻布大学共同研究員
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