猫のオシッコ回数や量、トイレの滞在時間などを記録して健康管理を行う、噂のIoT猫トイレ。猫オーナーさんの間でも「すごいらしい」と話題ですが、「多頭飼育でも使えるの?」「健康管理ってどこまでできるの?」と気になる声もチラホラ。そこで、今回、猫の多頭飼育オーナーさんに実際に試していただき、その機能と使い勝手を徹底レポートしていただきました。
一戸健宏さん
IT分野のスペシャリスト。妻1人、子供2人、猫3頭と暮らす愛猫家。
わが家の猫は全部で3頭。そのうちの1頭が下部尿路疾患を抱えているため、定期的に尿の頻度や量、色などを確認したいとかねてより思っていました。しかし、トイレは頭数分(計3台)用意しているものの、どの子がいつどのトイレを利用するかまではわかりません。目的の子がオシッコをしている現場に立ち会えない限り、尿チェックはムリと諦めていたんです。
そんなとき知ったのが、今年(2018年)7月にSHARPから発売された猫用のIoTシステムトイレ「ペットケアモニター」。わが家のように複数頭数×複数トイレの環境でも、「どの猫が」「どのトイレで」「いつ」「どれぐらい」の尿をしたか、そしてそのときの体重が自動的に記録され、スマートフォンのアプリから簡単に見ることができるというもの。「これはぜひとも試したい!」と力が入りましたね。
わが家の猫たちも早速登録してみた
1頭目:うた(5歳♀キジトラ)
※下部尿路疾患を抱えている
3頭目:むぎ(4歳♂アメショ)
「ペットケアモニター」のアプリでは、わが家の猫たちの情報はこんなふうに表示されます。SNSのアカウントのように写真と一緒に名前や生年月日(他にも性別や品種など)を登録しておくことで、それぞれの猫ごとの記録をたどれるようになっています。任意のメモ欄もあるので、さながら母子手帳のように大切な健康情報を記録していけそうです。
まずはトイレの準備から
「ペットケアモニター」は多くのパーツに分離できて、管理や掃除がしやすくなっています。写真の左から順に、次のような構成です。
・スケール(計量器)と電源コード
・トイレシートトレー(引き出しとトレーが別々)
・本体
・スノコと上部カバー
組み立てるのが難しそう…という心配はご無用!パーツの組み合わせはいたって単純、付け外しに迷うことはないでしょう。最初にスケールと電源を繋いで、スマートフォンから専用アプリで初期設定を済ませばOK、あとは通常のトイレと変わりません。
■サイズは大きい?置き場所に困ることは?
猫トイレといえども電化製品、大きくてかさばるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、わが家で使っているドーム型のシステムトイレとほぼ同サイズ。いつもの場所にそのまま設置することができました。
ちなみに今回は3台のIoT猫トイレを使用。電源コードを繋がなくてはなりませんので、もし普段トイレを設置している場所の近くにコンセントがない場合は、延長コードを用意したり、トイレの場所をコンセントの近くに変えるなどの工夫が必要です。
■カンタンに首輪に付けることができる猫識別バッジ
「ペットケアモニター」は、3頭までなら個体識別が可能。複数の猫で使用する場合、トイレで識別するために「個体識別バッジ (約9g※電池含む)」を首輪につけておく必要があります。
ボタン電池内蔵の機器ですが、猫に触れるのは柔らかい素材とプラスチックのみ。ネジや電池の蓋などは一切露出せず、猫に負担がかからないように配慮されています。防水設計だから水を飲むときも安心。猫たちも全然嫌がらずにつけてくれました。
※1頭のみで飼育されている場合は、この個体識別バッジは不要となります。
いよいよスタート!猫たちは普段通りトイレができるのか?
いつも使っているシステムトイレはドーム型でシリカゲル砂。対して、「ペットケアモニター」はオープン型で専用のヒノキ砂。見た目も匂いも感触も違います。まずは新しいトイレに慣れてもらおうと、普段使っていたニオイ付きトイレ砂を少量混ぜたり、自分たちの匂いが染み付いた布地をそばに置いたりしてみました。
■旧トイレからの切り替えは慎重に
トイレと猫の相性が合わず、猫がトイレを我慢してしまうことはよくあります。猫にとってトイレの我慢は健康を害することに即直結しかねません。もしそうなったらせっかくの健康管理も本末転倒です。
とくに下部尿路疾患を抱えている「すず(5歳♀キジトラ)」は3頭の中でも一番神経質。新しいトイレに切り替えて、はたして使ってくれるだろうかと懸念されました。そこで、わが家にあるトイレ3台を、いきなりすべて「ペットケアモニター」に切り替えることはせず、日にちをあけて、猫たちがトイレを利用できそうか様子を見ながら一つずつ切り替えていきました。
おぉ!「うた(5歳♀キジトラ)」が最初に使ってくれました!
猫たちに早く慣れてもらうことを優先して、一時的に砂を専用ヒノキ砂ではなく、普段のシリカゲル砂に変えておいたところ、3頭とも幸いトイレを使ってくれました。心配していた神経質な「すず(5歳♀キジトラ)」は少し時間がかかりましたが…。トイレの切り替え時には、いつも使っているトイレのニオイ付きの砂を捨てないでおくといいかもしれませんね。
アプリでわかる猫たちの日々の健康管理
猫たちがトイレの利用に慣れてくると、順調に日々の尿と体重が記録されていきます。「ペットケアモニター」に記録されていくデータは専用アプリ「COCORO PET」で見ることができます。
基本的な「尿の量、頻度、時間」や「体重」が計測できているのはもちろんのこと、今回もっとも期待していた「誰が」「どのトイレで」「いつ」したか、という結果もバッチリ識別されて記録されていました!
わが家では、猫たちの体重を測るタイミングが、年に一度ワクチン接種のために動物病院を訪れる時ぐらいしかなかったのですが、それが自宅で手軽に把握できるのは嬉しいですね。数値も病院での測定値とほぼ同じだったので、かなり正確に測れているのではないかと思います。
■3つのペットケアモニターのどれをどの子が使ったのか、一目瞭然
この「ペットケアモニター(リビングその1)」「ペットケアモニター(リビングその2)」とはユーザーが任意に名付けられる各トイレの識別名です。
■何かトラブルがあったときにも通知してくれる
「ペットケアモニター」は、猫たちがトイレをどのように使っているかを記録してくれるだけではありません。「尿量が多い、または少ないとき」や「トイレの滞在時間が長いとき」など、何らかの異変が見られたときにはスマートフォンに通知してくれる便利な機能がついています。また、「一定時間トイレを使っている様子が確認できないとき」や「トイレそのものが通信できない状況にあるとき」なども、お知らせしてくれます。
・識別バッジの電池が切れた
・首輪が外れていた
・トイレの電源コードが抜けてしまった
・通信のためのWifiの調子が悪い
など、猫たち自身の異変ではないトラブルの場合もありますが、このように通知してくれるのは心強いですね。
■オスは尿量が多い?猫ごとの尿量の違いがハッキリと見えた
3頭と暮らして数年、「むぎ♂」はオシッコの音が毎回シャーッ!と聴こえてくるほど豪快で、ケージの中の専用トイレも他のトイレより早くシート交換が必要になるほど。以前から、どうも「この子は他の2頭(メス)と比べて尿量が多いのでは…」と思っていました。
とはいえ、あくまでシート交換時の濡れ具合でしか確認する方法がなかったんですが、今回数値が見えるようになり、その事実が明らかに。他の2頭(メス)と比べておよそ1.5倍以上の尿量であることがハッキリと判明!やはり多かった…
■周辺室温もチェックできる。留守中も安心!
「ペットケアモニター」は、尿量の計測データと合わせてトイレ周辺の温度も表示してくれます。温度チェックは、夏場や冬場など室温の調整が必要な季節にはとくに重要ですよね。トイレで計測するため床に近い温度を測ることができ、猫たちが体感している温度により近い数値が出ているはずです。
しばらく使ってみてわかったこと
数週間使ってみてまず意外だったのは、首輪につけたバッジを猫たちがまったく嫌がらないこと。普段シンプルな首輪しか着けたことがないので、バッジを煩わしく感じるのではないかと思っていたのですが、普通にくつろいでいますし、足で掻いて取ろうとする素振りは一度も見られませんでした。
普段ドーム型のシステムトイレを利用している者としては、「ペットケアモニター」のようにオープン型で塀も低めのトイレは尿が外に飛んでしまわないかと不安でしたが、こちらも問題ナシ!真横に飛ばしてしまう子でなければ、大抵は大丈夫ではないでしょうか。
■気になる日々のメンテナンスのしやすさは?
トイレシートの交換ですが、いくつかのシステムトイレと違い引き出しは向きが決まっています。ただ中のトレーが分離しているので、シートを捨てる前に前後を入れ替えたり、捨てるときにトレーごと持ち上げたり、一般的なシステムトイレと同程度の扱いは問題なくできます。
また、砂の入った本体は上蓋だけ外すこともできるので、部分的な掃除は普通のシステムトイレよりもしやすいぐらいですね。
■消耗品にバリエーションがほしい
せっかくなので、今回使ってみて率直に感じた「こうなってくれると、もっと嬉しいのに」という要望もまとめてみました。
まずは日々の消耗品、トイレシートとトイレ砂について。正確な計測のために専用のトイレシートとトイレ砂を必要としますが、トイレシートは多頭用がなく、砂もヒノキの1種類のみ。できれば猫の相性に合わせていろんなバリエーションを試せたらいいなと思います。あるいは、市販の他社製の消耗品でも支障なく使えるものを紹介してもらえるだけでもありがたいのですが。
■ウンチも記録したい
「ペットケアモニター」は基本的に尿の記録を目的としているため、トイレに入ってもウンチだけで出てくると「排尿しませんでした」という記録だけが残ります。
健康管理の面からは、できれば尿だけでなく排泄全般を記録したいので、ウンチが判別できるようになるか、あるいは記録に手入力でメモを添えられるようになるといいですね。
※編集部より≫ シャープの担当者さんに後日確認したところ、こちらは手動入力ができる方向で検討中とのことでした。
■やっぱりドーム型も欲しい
いずれオプションとして展開されるかもしれませんが、やはりドーム型も欲しいですね。尿を横に飛ばしちゃう子でなくとも、砂が飛び散りやすかったり、ドームに慣れている猫たちにとっては視線が気になって落ち着けないこともありそうです。
結論:「ペットケアモニター」は家族の安心感につながる
「ペットケアモニター」を数週間使ってみて感じたのは、細かいデータが取れることより、「記録が残っていて確認できる」ことこそが、家族として安心感につながるということです。
例えば外出時や就寝時など、長時間目を離すタイミングで尿の記録などが残っていると、「元気にいつも通りやってるな」と思えました。ペットの状況確認といえば今ならスマートフォンから接続できるペットカメラなどもありますが、動画をくまなくチェックするよりも、メッセージアプリの通知を見る感覚で気軽に振り返れるのがとてもいいですね。
今後、飲水、食事、睡眠、運動量など、さまざまな生活状況をモニターできるようになれば、普段見落としがちな体調不良の兆候を予見できるかも…などと、近い未来への期待があれこれ膨らむサービスだと思います。
最後に気になる商品の価格ですが、トイレ本体が24,800円(税別)で、サービス利用料が月額300円(税別)。使ってみる前は正直「え?高い!」が実感でした。
しかし、これから年を重ねるにつれて健康面での心配が増えていくであろう愛猫たちの健康状態を今からデータで残していけるなら、長い目で見れば十分納得できます。病気のサインに早く気づくことができれば、治療費や手術費を抑えることにもつながるはず。そして、何よりも安心感を得られるのが一番のメリットです。
<編集部より>
「ペットケアモニター」の体験レポート、いかがでしたか?心配された多頭飼育のオシッコチェックの難しさも見事にクリア、予想をはるかに超えるきめ細かな個別管理で、一戸さんを喜ばせてくれました。「ペットケアモニター」の使用を通じて、愛猫たちの健康管理への取り組み意欲がいっそう高まったようです。
シャープの叡智を結集した猫IoTトイレ「ペットケアモニター」は、AIに繋がった専用アプリを使って健康管理を行うため、シャープの専用通販サイト(COCORO STORE)のみでご購入いただけます。詳しくはコチラで。
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▼今回ご紹介した商品はコチラ(SHARP「ペットケアモニター」公式サイト)