去る9月29日(日)、獣医療国際学会「第10回アジア小動物獣医師大会 FASAVA-TOKYO 2019(第21回 日本臨床獣医学フォーラム年次大会2019)」にて、一般のペットオーナーを対象に「人工知能(AI)による犬猫の健康相談アプリ」と題した市民プログラムが開催されました。いまや、AIは人間の医療にとどまらず、愛犬・愛猫の健康維持までサポートしてくれる時代に!? 同プログラムで発表された、まったく新しい獣医療サービス「AI Dr.ホームズ」をご紹介します。
ヒトの最先端医療で活用が進む人工知能(AI)を獣医療へ!
AIブームの先駆けになったといわれるIBMの「ワトソン」。その医療分野での活用に尽力されている日本アイ・ビー・エム株式会社 小澤一世氏により「AIが獣医療にもたらす新たな価値創造」というテーマで、大切な家族の一員である愛犬・愛猫の健康のためにAIはどのように貢献できるのか、その可能性が語られました。
ヒトの医療では、すでに「がん」「脳卒中・心筋梗塞」の診断や治療において、AIが活用されているそうです。最近では「認知症」患者を支える介護士の“介護うつ”解決に向け、実験段階の取り組みも試みられているといいます。それらの実績を応用して、飼い主のお悩みにAIがチャットで最適なアドバイスをする健康相談アプリ「AI Dr.ホームズ」が開発されました。
「困ったときに病院に行かなくても、すぐに獣医師のノウハウを学習したAIに相談できる。それは、病気の早期発見や早期の治療開始につながり、さらには早く治る可能性も…。結果として愛犬・愛猫の健康寿命を延ばすことができ、医療費を下げることにもつながります。この好循環を生み出す要となるのがAIです。これからもAIを活用して、ご家族とペットとの暮らしをより豊かにするサポートをしていきたいと思っています」(小澤氏)
業界初!AIを駆使した無料のペット健康相談アプリ「AI Dr.ホームズ」
「AI Dr.ホームズ」はヒトの医療で実績を積み重ねてきたIBMの「ワトソン」と、日本トップクラスの獣医師である赤坂動物病院 石田卓夫先生の英知が融合。最強タッグにより誕生しました。その開発背景や機能について、総監修である石田先生より説明されました。以下、その特徴をご紹介します。
石田先生によると、愛犬・愛猫の健康にお悩みが生じた際、飼い主の多くがインターネットで検索。自己判断してしまった結果、病気を悪化させてから動物病院を訪れるケースが増えたのだそうです。
「AI Dr.ホームズ」のメイン機能「チャット相談」では、動物病院で獣医師と会話している感覚で、例えば「吐いているようなんですけれど…」といった口語でも認識。さらに吐く頻度や吐いたものの色、その他の症状などの質問に答えることで、AIが緊急性と可能性のある病気を想定し、愛犬・愛猫の病気が悪化する前に、動物病院に促します。
チャット相談以外にも、豊富な機能でペットのQOL向上をサポート!
アプリをダウンロードして、愛犬・愛猫のプロフィールなどを登録するだけですぐに使える「AI Dr.ホームズ」には、前述のチャット相談機能の他、さまざまな機能を完備。ペットの登録数に制限はありませんので、ペットの健康管理を1つのアプリに集約することができます。
◎家にいながら質問に答えるだけ!「健康チェック機能」
◎日頃の様子などを手軽に記録!「カレンダー機能」
◎最新の健康情報コラムが読める!「ホームズ通信」
市民プログラムの最後には、飼い主の方々から質疑応答が活発に行われ、関心の高さがうかがわれました。将来的には病院側の電子カルテとの連携も構想にあるとのこと。ペットのQOL向上にますます期待が高まります。
うちの子の健康管理の強い味方「AI Dr.ホームズ」。新たな選択肢として、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。