【前編】【後編】
猫との暮らしは楽しいことだらけですが、一つネックになるのは旅行に行きづらくなること。ゴロウちゃんと暮らし始めて丸2年、「一人と1匹暮らし」の私は、飲み会で朝帰りをしたことは何度かあるものの(^^;)、旅行や出張での1泊以上の外泊はまだありませんでした。
そんなとき、友人たちと1泊2日の温泉旅行の計画が浮上。さて、ゴロウちゃんをどうするか。周囲の猫飼いさんたちに留守番事情を聞くと、猫にストレスがかかりそうだからペットホテルはパス、ペットシッターも関心はあるものの留守宅に来てもらうことに何となく抵抗があるし、結局2泊くらいまではごはんをたっぷり用意して、そのまま自宅で留守番させている、という意見が多いようです。
よーし、ここは何事も経験。今後のためにも、私はペットシッターさんに依頼してみることにしました。今回お願いしたのは、1993年4月に日本初のペットシッターとして開業した「ペットシッター留守番わんにゃん」代表の山口照代さん。都内を中心に展開し、この道20年以上、これまでお世話をした犬や猫などは2000頭以上という大ベテランです。
ペットシッターサービスを始めたきっかけは、当時の愛猫「ロバくん」が大のペットホテル嫌いだったことから。ホテルに預けると飲まず食わず排泄もせず、鳴き通しで声が嗄れて帰ってくるので、「自宅で猫の世話をしてもらうこと」の必要性を感じて自ら開業。当初はペットシッターの認知度もなく、大変なことはいろいろあったものの、今では職業として広く知られるようになって、シッターさんの数も増えたことで、怖がりの猫をよそに預けなくてすむような社会になりつつあることに、「続けてきて良かった」という喜びを感じているといいます。山口さんが今まで飼ったことがある動物は、猫21匹、犬5匹、ウサギ1羽、小鳥2羽、亀9匹。現在も猫11匹+里親途中の預かり猫、亀3匹の大所帯。
▶ブログ:ペットシッター留守番わんにゃん
1日だけでも、人見知りでも大丈夫!
そもそも、ペットシッターサービスってどんな人が利用しているのでしょうか?私のように1日だけでも来てもらえるのでしょうか。まずは基本的なことを山口さんに伺いました。
「もちろん大丈夫です。1泊や2泊の仕事の出張の際に依頼される方も多いですよ。猫の場合、トイレが汚れると我慢して具合が悪くなることもあるので、猫だけのお留守番は2日が限界。それ以上は、だれかにお世話を頼んだほうがよいと思います」
ていねいに確認しながら用紙に書き留めていく山口さん。
海外旅行など留守番が長期になる場合は、ペットが寂しがらないように泊まってほしいという依頼もあるそうで、「留守番わんにゃん」には『お泊まりシッティング』というサービスもあります。
それから、猫は人見知りが多いけど、ちゃんと世話してもらえるのでしょうか。
「人見知りでもトイレの掃除や食事など基本のお世話はできますし、猫が出てこなくても驚かせないようにそっと見守って存在確認は必ずします。初めのうちは怖がって隠れていても何日か通ううちに少しずつ慣れて姿を現し、最後にはゴロンゴロンしてくれることもあります。人見知りだとペットホテルに預けるのはなお大変でしょうから、自宅で留守番のほうがよいと思います」
ペットシッターさんの1回のお世話にかける時間も気になるところ。
「食事の世話、トイレの掃除など、猫はお世話だけなら30分もあればできますが、一緒に遊んだり体調や猫の様子をきちんと把握するために、猫が隠れて出てこなくても1時間以上は滞在するようにしています。短時間では猫が慣れてくれないし、せっかく猫ちゃんと知り合えたのに私も楽しくありません(笑)」
けっこうたっぷり時間をとってくれるのですね。これは安心です。ゴロウちゃんは、ベッドの下が隠れ場所になっていることを事前打ち合わせのときに伝えました。私がいないとき、フレンドリーか人見知りか、どういう反応になるのかわかりませんが、山口さんならなんとかしてくれそう(*^^*)
自宅での事前打ち合わせ・顔合わせがとても大事
留守中に鍵を預けるのですから、きちんと顔合わせをして信頼関係を作っておきたいし、当日の世話をスムーズに行うためにも、ペットシッターさんと事前に打ち合わせをして、ペットと顔合わせをすることはとても大切です。今回、初めて依頼する私は、「留守番わんにゃん」のホームページから申し込み、事前打ち合わせの日程を決めて、山口さんに自宅に来ていただきました。
山口さんとゴロウちゃんのご対面。ドアチャイムの音で一瞬隠れそうになりましたが、山口さんは無理に近寄らず、余裕で「指1本」からのご挨拶。さすが、猫ゴコロがわかっていらっしゃる!ゴロウちゃんも逃げることなく山口さんやバッグのにおいを熱心に嗅いで、なかなかの好感触。
事前打ち合わせでは、サービス内容などの説明を受けながら、一つ一ついろいろ確認していきます。
●不在時の連絡の取り方の確認
私は今回は何かあればすぐに携帯電話で連絡が取れる近場の温泉旅行ですが、海外旅行の場合は、宿泊先や飛行機の便名なども細かく伝えます。
●ペットのお世話の方法の確認
食事(内容や量、保管場所、残っていたフードの処理、ペット用スプーンやスポンジの有無)、トイレ(場所、砂やシーツの保管場所、処理方法)、好きなおもちゃ、好きなおやつ、健康状態、かかりつけの動物病院の連絡先、エアコンの使用、カーテンの開け閉めなど、「わあ、こんなことまで」と思うほど、山口さんは細やかに確認していきます。不在が長期になる場合は、植木の水やりや郵便物・新聞の取り込みなどもお願いできるそうです。
食事の量やトイレの場所などは実際に見てもらいながら説明。
●当日の報告方法
留守中の様子などは、「書面」か、写真付きで「メール」「LINE」で報告してくれるそうなので、私は写真をたくさん送ってもらえる「LINE」でお願いしました。
●鍵の受け渡し
事前打ち合わせが一通り済んだら、いよいよ合い鍵を預けます。鍵の返却は「宅急便での郵送(着払い)」か、お世話最終日に「集合ポストやドアポストへ」とのことで、私はドアポストに戻してもらうことにしました。
契約書に私がサインをして契約成立。合い鍵を渡して「よろしくお願いします!」
●料金のお支払い
料金の支払いは、打ち合わせ時の「前払い」「自宅に置いておいて来たときに集金」「後日振り込み」になるとのこと。留守番わんにゃんの料金は、猫の場合、基本料金3000円(2匹まで)+出張料金(移動の所要時間により規定)+交通費+消費税が目安です(くわしくはホームページで確認してください)。
これで事前打ち合わせは終了。あとは留守番当日、よろしくお願いします!
よろしくニャ〜。
さあ、ゴロウちゃんのペットシッター初体験はいかに?当日の様子は後編で。