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獣医師 入交眞巳(いりまじり・まみ)先生
米国獣医行動学専門医。学術博士。動物病院に数年間勤務した後、アメリカに留学。アメリカ・インディアナ州立パデュー大学で博士号取得。ジョージア州立大学獣医学部にて獣医行動学レジデント課程を修了。
飼い主との会話の中で鳴き声は豊かになる
「ちょっといやらしい言い方をすれば、『ニャン』という鳴き方は上手に人を動かすための手段。ようは人間の小さな子どもが『ママ、ママ』というのと同じで、大好きな相手に注目されたい、世話してもらいたいのです。鳴き方やメッセージを伝える表現方法は、そのコの個性によってかなり違います」(入交先生)
飼い主に対しての鳴き声は、学習によるところも大きいと入交先生は言います。
「以前うちにいた猫は、私がうっかりしっぽを踏んでしまったときに『ぎゃああ〜』と大声で鳴いたので、『ごめんね。大丈夫?』とたくさんかわいがったら、その後、なんでもないときにも『ぎゃー』と鳴いて私を呼ぶようになりました(笑)。『ゴハン〜』と鳴く猫の話も聞きますが、あれも『ゴハン』という言葉に聞こえる鳴き方をしたときに、飼い主さんが大きな反応をすることで、そういう声で鳴くようになるのではないかということは考えられます」
つまり、猫語は飼い主とのコミュニケーションの中で磨かれて意味が生まれ、飼い主と愛猫だけの共通の「ことば」となっていくわけですね。
文字で書けば同じ『ニャン』『ニャ〜』でもひとりひとりちがってみんな個性的です。
■ペットライブス編集部Ricoolさんちのモカさんの『ニャ~』
高くてか細いとてもかわいらしいモカさん(オス・4歳)の声。背中を撫でてもらいながらゴハンを食べるのが大好き。「撮影なんかしてないで、いつものように早く撫でてよ〜」
■Ricoolさん実家のクロさんの『ニャ~』
オトナの貫禄!? 御年12歳のクロさん(オス)の鳴き声はちょっと低音でハスキー。「ゴハン、早くちょーだい」
愛猫とのコミュニケーションを深めるポイント
◎鳴き声だけでなくボディランゲージも読み取る
猫は全身を使って気持ちを表現します。鳴いているときのしっぽや耳の動き、姿勢やしぐさなど、ボディランゲージも確認して気持ちを読み取りましょう。
◎普段とちがう鳴き方は要注意
鳴いている声のピッチが急に変わったり、声が低くなったりしたときや、体の特定の場所に触ったときに大きな声を上げたりするときには、痛い、苦しいなどの異常がひそんでいることも。1日中鳴き続けるなど、人が我慢できないほど異常に鳴く場合には、獣医師に相談してください。
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毎日聞いているだけで英語が聞き取れるようになる英会話教材じゃないけれど、日々のコミュニケーションを積み重ねていくことで、猫語が人のことばのように聞き取れるようになっていくようです。
ゴロウちゃんの「猫語」の聞き取り、私はまだまだ完璧とは言えませんが、これからもしっかりと観察を続け、もっと気持ちが理解できるようにがんばろう!