「猫におやつ」は使いよう 楽しくておいしい「知育ゲーム」をやってみよう!【前編】

【前編】【後編】

皆さんは愛猫におやつをあげますか? どんなときにあげていますか?
おやつは特にあげないという人もけっこういるようですが、私はおやつをあげたい派。ただし、ただ食い(!?)はなるべくさせません。単なる「間食」にならないよう、ひと工夫しています。
今回は、我が家で取り入れている、猫の知的好奇心を刺激する、楽しくておいしい「知育ゲーム」を紹介します。

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なんかな~い?おやつちょ~だいよぉ~

 

そもそも猫におやつって必要? 不要?

ペットグッズ売り場を眺めてみると、猫用おやつのバリエーションが犬ほど充実していないことからも、猫のおやつの需要は低そうです。私の周りの猫飼いさんたちに聞いてみても、おすそ分けをときどきすることはあってもおやつとして意識しているわけではなく、ましてや猫用おやつはわざわざ買わない人が多いようです。犬ならしつけのときにごほうびであげればいいけど、猫はおやつをあげる必要性やタイミングがよくわからないという人もいます。

おやつが必要かどうかと問われれば、「絶対に必要なもの」ではないと私も思います。

でも、食べることは猫にとって大きな楽しみの一つですし、飼い主にとってもおやつをあげることは愛猫とのコミュニケーションのひととき。おやつの習慣が身についているので、愛猫・ゴロウちゃんも期待しています。ゆでたささみが大好物のおやつですが、ショップで猫用おやつを見かけると市販品もつい買ってしまいます。

結局、猫にもおやつは「使いよう」。以前、ご紹介した「クリッカートレーニング」でもおやつは重要なアイテムでしたが、取り入れ方次第で猫との暮らしをより充実させるためにうまく活用することができると私は考えています。

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食器棚の片隅にあるゴロウちゃんのおやつコーナー。
市販の猫用ささみジャーキーやら焼きかつおやらスナックやら。食器を取り出すために扉を開けると、何かもらえると思ってゴロウちゃんが飛んできます(^^;)

 

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「あ、今日もおやつがいっぱいある♪」(左) 「くぅ~ああ~、取れないよぉ~~」(右)

 

●さりげなく仕込んでケージ好きに

おやつの与え方は手渡しだけではありません。ときどきケージの中にさりげなくスナックを入れておいたら、ゴロウちゃんはここに来ればおやつがあることと悟ったのか、自らケージに入るようになりました。最近では姿が見当たらないと思うとケージの中にいます。ここにいればおやつが出てくると予想してケージの中からじーっと私の様子を伺い、私が、いや、おやつが来るのを待ちかまえています(^^;)

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ゴロウちゃんが見ていないときに、少しだけおやつやフードを入れておきます(左)。「早く気づいてくれないかニャ~」。 なかなか気づかないと、しびれを切らしたように鳴いてアピール (右)。

 

猫のテンションも上がるお手軽知育ゲーム

さて、本題の「知育ゲーム」についてです。
10年くらい前からでしょうか、犬のトレーナーさんに取材をすると、コングやトリートボールなどのグッズがよく登場するようになりました。これらは猫ではあまりなじみがないかもしれませんが、「知育玩具(トイ)」と呼ばれる犬の定番のオモチャです。オモチャの中におやつやフードなど食べ物を入れられるつくりになっていて、犬は中のものを食べようと手足や口と知恵を使って夢中でオモチャに挑みます。集中してひとりで遊べるので留守番時のオモチャとしても最適。

このほかにも、伏せた紙コップの中におやつを入れて犬に探させる「おやつ探しゲーム」など、犬に考えさせる知的な遊びがけっこう取り入れられて、おもしろいなと興味をもっていました。

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これがコング。 天然ゴム製でかなり硬いので、犬がガシガシ咬んでも壊れない。
中が空洞で詰めるものや詰め方もいろいろ工夫できる。
(画像は、スペクトラム ブランズ ジャパン㈱ホームページよりお借りしています)

 

こうした知育玩具やゲームは、手先が器用な猫にも応用できそうだと思っていました。

ゴロウちゃんはよく両前足でものをつかんだりすくったりして遊んでいますし、もともと食べることへの関心が高いので、「遊び」と「おやつ」のコラボは絶対に興味をもつにちがいない! 生後6~7ヵ月の頃、試しに紙製の卵パックにおやつを数粒入れてみたらすぐに興味を示し、四苦八苦しながら前足ですくい出してゲットすることに成功。しまいには、パックを強く押せば(踏めば)、その勢いでおやつが外に飛び出してラクに食べられることも発見しました。

というわけで、我が家では食品の空き容器などを知育玩具に見立て、お手軽な知育ゲームを楽しんでいます。

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プリンなどの透明なカップは、中身が見える分興味をそそり、猫の知育ゲームにぴったり。すでに遊びたくてうずうずしているゴロウちゃん。 まだなんにも入ってないよ~(^^)

 

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ヨーグルトの容器と紅茶の空き箱を合体させれば、これまた立派な知的玩具の完成!

 

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中に入れる食べ物は主食のフードでもOK。 ゴロウちゃんはフード以外のもののほうが俄然やる気が出るので、スナックや小さくちぎったジャーキーを入れます。いずれにしても、与えすぎは肥満の元なので、1日の摂取カロリーをオーバーしないように調整します。

 

●おやつ探しゲーム≪初級編≫

初めのうちは、猫に興味をもってもらうことが大切。最初からハードルを上げすぎると、すぐに「やーめた」とあきらめてしまいます。おやつが確認しやすくて、前足や顔を入れやすい容器でスタートします。

ペットライブスPetLIVES入口が広めの容器を上向きに。トライしているうちにだんだん知恵がつき、容器を倒せば簡単におやつを取り出せることがわかってきます。

 

●おやつ探しゲーム≪初中級編≫

ゲームに慣れてきたらカップを伏せて少し難易度を上げます。さあ、どうすればおやつが食べられるかな?

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この慣れた手さばきをご覧あれ。 動きが激しすぎて、カメラでうまく追いきれませんでした(^^;)

 

猫の本能を満たす「知的ゲーム」のメリット

おやつをわざわざ食べにくくしてじらすなんて、いじわる?猫がかわいそう? いやいや、実はこうした知育ゲームには猫の本能を満たす要素がたくさんあります。「楽しい・おいしい」だけでなく、猫にとっても飼い主にとってもいろいろなメリットがあるのです。

●脳を刺激する脳トレ効果
どうやったら食べ物を早くゲットできるか、自分の頭で考えるので脳が刺激されます。脳トレにもなり、脳の老化予防の効果があるとも言われています。


●知的好奇心をくすぐる・達成感が得られる
食べるまでに1アクションあることで、知的好奇心がくすぐられ、狩りのようなわくわく感があります。また、自分がとった行動でおやつにありつけたことで、獲物を手に入れたときのような達成感が得られます。


●ひとりでも遊べる
飼い主が相手をしなくても、しばし猫ひとりで遊んでいてくれます。しかけをさらに複雑にすれば、留守番中の退屈しのぎにもなります。


●おやつを少しずつ与えられる
食べるまでに時間がかかるので、食い意地が張ってひっきりなしにおやつをねだる猫にも、少しずつ与えることができます。

 

日頃から食べることが好きで、前足を器用に使う性格の猫ならば、けっこうハマると思います。ぜひお試しあれ!

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「ぜんぶ食べちゃったよ~。もっとやろうよ~!」

 

【後編】ではさらに難易度の高い市販の「知育玩具」に挑戦!

 

宮村美帆

フリーエディター、愛玩動物飼養管理士 動物好きの両親の影響で、子どもの頃から、犬、小鳥、ハムスター、鈴虫、錦鯉など、何かしら生き物がいる環境で育つ。動物看護師として2年間の動物病院勤務を経験した後、猫の月刊誌『CATS』の編集者に。その後、人と動物の今を考える雑誌『季刊リラティオ』の編集などを経てフリーランス。エディター、ライターとして、ペット(動物)、児童書(図鑑)、実用書、デジタル情報辞典などを手がける。 ずっと犬派だったが、動物病院勤務で猫の魅力に目覚め、猫雑誌の編集でどっぷりハマる。獣医…

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