こんにちは、神保町にゃんこ堂です。去年の秋、リクジロウのガールフレンドとして迎え入れた三毛女子すみれちゃん。トラ柄の男子としか暮らしたことがなかった私にとって、初の女子、しかも念願の三毛ちゃんということで、保護猫カフェで初対面を果たした時の私の心はルンタッタ♪でした。
初の多頭飼育。先住猫との相性は?不安いっぱい
とはいえ、人生初の多頭飼い…ワクワクと同時に、脳裏によぎる様々な不安。先住猫リクジロウとの相性は大丈夫か?
運動能力の高い三毛ちゃんの真似をして、ハンデのあるリクジロウが怪我をするのでは?狭い住環境で迎え入れて大丈夫か?広いところに引っ越してからの方がいいのでは!?
しかし、保護猫カフェでの評判が上々だった彼女。猫にも人にもフレンドリーと聞いていたし、実際会いに行ってみたらリクジロウと同じ歳とは思えないほど小柄で、ちょっぴり控えめで、何しろその見た目がとても可愛かった。
多頭飼いをするならまずは広いところに引越し!と思っていたので、1日も早いトライアルを目指して早速物件を探してみたが、広さよりも場所を優先してしまったため、理想のペット可物件がどうにも見付からず撃沈。引越し先の範囲を広げて再トライも考えてみたが、ゴタゴタしているうちに、保護猫カフェの移転計画着工が迫り、我が家の引越しを待っていられない事態に。
不安は山積みだが、実際一緒に暮らしてみないことには分からない。何よりも、遊びたい盛り!?のリクジロウに、1日も早くネコフレンドを作ってあげたい!ということもありトライアルに踏み切ることに。
*保護猫カフェの場合、ある一定のトライアル期間が用意してあるところが多く、スタッフの方にフォローしてもらいながら新しい猫との暮らしをスタートし、迎え入れ可能かどうかを決めさせてもらえます。
我が家に三毛猫女子がやって来た!
板橋にある保護猫カフェ『キャッツイン東京』の藍さんより「リクジロウ君に紹介したい女の子がいる」と声を掛けてもらってから半年後の2018年9月22日、当時“うーたん”と呼ばれていた三毛女子が我が家へやってくることに。
先住猫であるリクジロウと部屋を分けることが出来ないため、百戦錬磨の藍さんが、細部にまで配慮した「うーたんハウス」をケージで製作。
その間、人見知りなリクジロウは…フンガフンガ鼻を鳴らしながらベッドの下へ籠城。他の猫の匂いがするのか、籠城しつつも嗅覚全開でリサーチ。車に揺られ、我が家にやって来たうーたんは…、一声も発することなく、ただただおとなしくキャリーケースに丸まっていました。そしてケージで作った「うーたんハウス」に入るとそそくさと2階へ上がり、香箱を組んで静観。
私はというと…、ガン見したい気分を必死に抑え、ケージに布をかけ、トライアル契約完了。いよいよスタートした、ひとり+2匹の暮らし。藍さんを見送り、部屋に戻ると、早速リクジロウが興味津々でケージに近づいていました。
…と、順調だったのはここから数時間だけで、この後、ちょっぴり控えめだと思っていた“うーたん”が豹変することに!
フーシャー女子、降臨!
我が家に来て3時間、被っていた“ネコ”を脱いだのか…布をめくるのはもちろん、ケージに触るだけで「シャー」、リクジロウがケージに顔を擦りつけようものなら、中で「フーシャー」を連発。
初代猫店長のリクオも、2代目猫店長のリクジロウも、NOフーシャー男子だったため、うーたんのリアル「フーシャー」に私もリクジロウもビビりまくり。
そして、最も恐れていたハンスト状態に突入し、食べない、飲まない、トイレを使わない。シャーシャー言いながら爪研ぎ板をケージに叩きつけたり、大きな水入れをひっくり返したり、トイレの砂を掻き飛ばしたり、とにかく、ケージ内での荒れ模様は凄まじかった。
ケージに閉じ込められているのがイヤなのだろうか?と思い、タイミングが早過ぎる…と分かりつつケージの入り口を解放してみたが、外に出てくる気配はない。というか、解放した入り口にリクジロウが顔を突っ込み、引っ掻かれて帰ってくるという顛末(てんまつ)。
丸2日間、飲まない、食べない、トイレも行かない状態が続き、さすがに何か策を講じなければと思っていた3日目の夕方、ケージに掛けた布の向こう側から「カリカリ」とドライフードをかじる音がし、その夜、初めてトイレをトイレとして使用。(それまではストレス発散アイテムとして使用)シーツが吸収できないほどの大量の尿に思わず「つらい思いをさせてごめんよ」と一声。我が家に来て3日目、ハンスト終了。
心配していた先住猫リクジロウの反応は、というと、フーシャー言われたり、引っ掻かれたりと、散々な感じではありましたが、とはいえ男同士の縄張り争いではないため、彼の興味のベクトルは三毛女子に一直線。人間の場合もそうですが、長男長女ファーストが関係性を円満にするコツと聞いていたので、このトライアルもリクジロウの反応によっては…と思っていました。しかし様子を見ている限り、ビビりながらも彼女を拒否している感じはなかったので、第一関門はクリア。
*ちなみに、多頭飼いを考え始めた当初は、身体的ハンデのあるリクジロウと遊べるおっとり系男子を迎え入れようと思っていました。しかし知り合いのペットシッターに「狭い場所で男子を多頭飼いすると、縄張り争い系の粗相をしちゃうかもよ」と聞きビックリ。全ての猫に当てはまるわけではないですが、そういうこともあるそうです。
ハンストが終了してもフーシャーっぷりは健在で、もしかして名前のせい?と思い〜スマイルSmile〜から『すみれちゃん』と名付けることに。
*元の名前「うーたん」の由来は、親兄妹と保護された時、彼女だけ元気すぎて手がつけられず、海にいる「ウツボ」を連想した保護主様が命名。
うーたん→すみれちゃんに改名したあたりからケージの外を探索するようになり、最終的に私が使っているベッドの下が彼女の定位置に。私が不在中、彼女が気に入ったクッションをベッドの下に運び込むようになり、帰るたびにクッションが減っていくという怪奇現象が!?
リクジロウは日々アタックをし続けるも惨敗続きで、顔じゅう細かいかさぶたを作りながら懲りない毎日。タラリー…まぶたから流血!?なんて日も。
我が家にすみれちゃんが来て丸2週間は互いに距離を取り、腫れ物に触るような関係性が続き、私自身、想像以上にかなり参ってしまうことになりました。心が折れるたびに、うーたん時代のママである藍さんにメールを使って「すみれちゃんがストレス過多になっている」「リクジロウの怪我が心配」「私自身ももう無理かも」と相談という名目で不安や愚痴を放出。
しかし「もう無理かも」「もうダメかも」と言いながらも、実際のところダメな状況が悪化することはなく、日々、ちょっとずつですが何かしら改善され、互いの距離感が縮まっているのを感じられました。
ベッド下の籠城時間が減り、私が起きている時間帯でもトイレを使うようになり、目の前で食事をするようになり、おやつをねだるようになり、私の足にスリーっとするようになり、「すみれちゃん」と呼べば振り向いてくれるように。
また、すみれちゃんがファミリーになってくれたことでリクジロウにも変化が。リクジロウは子猫の頃から食事中によく気が散り、食べ終わらないうちに別のことをし始めることが多く、定期健診に行っても「ちょっと小さいね」とよく言われていましたが、すみれちゃんが来てからは、食べられちゃうリスク?が出来たせいか、都度皿が空っぽになるまで食べきるように。
そして、もうひとつの大きな変化は、全く使うことのなかったキャットタワーに上るようになったこと。すみれちゃんが瞬発でダダッと駆け上がる様子を見て、いつしかリクジロウもダダッと駆け上がるように。最上階でのドヤ顔っていったら、もうたまらんです。
我が家に三毛女子がやって来て、ヒーターの前で3人でくつろげるようになるまで3ヶ月以上掛かりましたが、仲を育むのに苦労した分、多くの方からたくさんのアドバイスをいただき、とてもいい勉強になりました。
ちなみに、フーシャー女子はご卒業しましたが、ツンツンツンデレ女子街道まっしぐらで、我が家の姫として一人勝ちしている感じです。リクジロウは…、はい、お察しの通りでございます。
では最後に4コマをお楽しみください。