保護猫の子猫を迎え、奮闘しながら1歳に!にゃんこ堂2代目猫店長リクジロウとの暮らし

こんにちは、神保町にゃんこ堂です。~春は子猫の季節~ということで、6月を過ぎると保護猫譲渡会や里親会にも、子猫たちがお目見えする機会も多くなってくると思います。にゃんこ堂の2代目猫店長リクジロウも5月生まれの子猫として保護され、7月に開催した保護猫譲渡会に参加していました。

初めての譲渡会、初めての保護猫、初めての子猫との暮らし、初尽くしだったリクジロウと出会いについて書いてみたいと思います。

初代猫店長リクオとの出会いについて


猫と暮らせる準備が出来た15年前、保護猫譲渡会の存在を知らなかった私は、一緒に暮らす猫を探すため、時間を見つけてはネットでキャッテリーを渡り歩いていました。そこで一目惚れしたのがスコティッシュフォールドとアメリカンショートヘアの夫婦猫で、子猫が産まれたら連絡をもらえるようお願いしました。

それから半年以上経った初秋に連絡が入り、母離れをするのを待ち、生後6ヶ月になった時我が家へやってきました。キャッテリーでは猫家族、人家族から愛情いっぱいに育ててもらっていたので、想像以上にいい子で、初の猫暮らしで懸念していた粗相等は一切なく、逆にびっくりした覚えがあります。実家の書店を猫本専門に切り替えた時、一番活躍してくれたのは初代猫店長になってくれたリクオでした。

リクオとの生活はとにかく平和で穏やかで、彼と一緒に暮らした14年間はほっこり、ゆったりした日々でした。

 

2代目猫店長リクジロウとの出会いについて

■2017年6月4日
ちよだニャンとなる会のスタッフの方より、神保町にゃんこ堂宛に“保護猫譲渡会”の協力依頼が入る。

■2017年7月1日
参加子猫の写真が届く。

■2017年7月4日
初代猫店長リクオが天国へ旅立つ。

■2017年7月8日
にゃんこ堂店内で保護猫譲渡会開催。秩父の保護猫ハウス「笑ニコにゃんこの会」で保護された子猫15頭が参加。

参加子猫の写真を見た時、白ライオンみたいな可愛い子がいるなと思っていましたが、その当時はリクオもまだ生きていたので、彼と過ごす残り少ない日々のことで頭がいっぱいでした。しかしその闘病生活が長引くことなく、静かに眠るように旅立ち、リクオロスをひきずったまま譲渡会当日を迎えました。

うどん屋の近くで保護されたから“うどん”ちゃんと呼ばれていた白茶トラくんは3兄弟で保護され、長毛のソバちゃん、小顔ガールのメンちゃんも一緒に参加していました。

譲渡会の前に手元に届いた写真。(上段中央:うどんちゃん。上段左:ソバちゃん)

うどんちゃんの前足にハンデがあることに気付いたのは譲渡会が始まってすぐのことで、ちっちゃな左前足は生まれつきの発育不良とのことでした。ただ日常生活に特に不便はなく、高い所に飛び上がるのは難しいが、3本足でも跳んだり走ったり普通の子と変わらないとのこと。

譲渡会当日の様子

ですが、やはりハンデがある子は譲渡が決まりにくいとスタッフの方に聞き、この出会いはタイミング的にもリクオからのプレゼントかもと思い預かることを決心。狭いマンション暮らしなので、活発な子よりも、のんびりしているくらいの方がちょうどいいと思っていました。

茶トラ兄弟の枕になっているうどんちゃん。この日は合間のおやつタイムも一歩出遅れ、ショボショボしていました。

リクジロウが我が家へやって来た

譲渡会の時のうどんちゃんは、子猫同士の喧嘩傷や、秩父から東京への長距離移動でショボショボ、ヘロヘロでした。しかし譲渡会から2週間後、我が家に来たうどんちゃんは驚くほど美猫になっていて、「えっ、これがあのうどんちゃん?」という感じでした。

我が家へ向かう車中の様子。秩父の保護猫ハウスから我が家への車移動には、笑にゃんこの会の代表の方と獣医師さんも同行してくれました。

■2017年7月23日
無事、我が家へ到着。リクオの弟だから『リクジロウ』と命名。

着いて初めの1時間は、ひっそり、こっそり、棚の影や、ベッドの下に隠れていました。

着いてすぐ、棚に隠れてからの

ベッドの下に避難

リクオが来た時も同じような状況に陥り、彼は丸2日間くらいこのような膠着状態が続いたので、リクジロウも同じような感じかな…と思っていましたが、2時間も経たないうちに、自ら私の膝の上に。そして私の指をガジガジ、チュパチュパし始め、ゴロゴロ喉を鳴らしながら熟睡。

まさか初日にこんなスペシャルギフトをもらえると思っていなかったので、内心大興奮。フワフワ、ヤワヤワなリクジロウは、初日から甘々全開で、想像以上に高く飛び上がり、想像以上に部屋中を駆けずり回り、やることなすことリクオとは真逆でビックリなことの連続でした。

 

食よりも遊び優先のリクジロウ

子猫あるあるなのかもしれませんが、リクジロウは食<遊び、食<睡眠、という子猫だったので、チョロっと食べてはすぐに走り回り、チョロっと食べては寝落ちして、特に子猫用のカリカリはカジっている途中で飽きるという…悪循環。体が成長する速度と食べる量が釣り合わず、日に日に細長いイタチ体型に。

細っこいイタチ体型

リクオが犬食い(残さず一気に食べきる)気味の傾向だったので、食べないことで悩むことはありませんでしたが、リクジロウのチョビ食べは結構ひどく、2回目の予防接種に行った際、主治医の先生からも開口一番「小さいなぁ」と。

日々運動能力が増し、やんちゃ度も増し増し。

試行錯誤の末、ウェットフードに子猫用の高カロリーカリカリを混ぜてふやかし半日置き、湯煎で温めフードの香りを立たせたところで「どうぞ食べてください」と提供。

1回の食べる量が少ないので、1日4回に分けて提供するなど、食に興味を持ってもらう工夫をし気付いたら標準体重に。現在も運動量は半端なく多いですが、何もしなくても普通に食べきるようになったのでひと安心。

 

環境の変化=免疫低下に要注意

保護猫は、保護前の環境によっては免疫が元々低かったり、ウィルスを持っている場合もあるので、保護元から我が家に来た途端、体調を崩すこともよくあるそうです。リクジロウもまさにその状況に陥り、保護猫ハウスに居た時は元気に過ごしていたそうですが、我が家に来た途端、くしゃみ、鼻水の連続で朝から晩までズピズピ状態。

リクジロウと同期で、写真家さんの元へ嫁いだチビニャンも、目がショボショボになったと聞いていたので、ひとまず病院に。ひと通り診てもらったところ「環境の変化で免疫が一時的に下がって症状が出ているだけだから、あまり深刻にならず様子を見てみましょう」ということに。

生後3ヶ月でまだまだチビニャンだったため、小児用の粉末シロップを出してもらい帰宅。先生曰く「昭和の子供が青っ洟垂らしているのと一緒」という言葉に安心し、3週間くらい青っ洟王子続行。日に日に、くしゃみ、鼻水もおさまり、気付いたらチビ猫から子猫になっていました。

青っ洟小僧だった頃。この頃はなんかいつも鼻の穴がフガフガしていました。

 

ガチムチ街道まっしぐら

リクオが7歳で持病持ちになり、食をノーグレイン(穀物が入っていない食事)に切り替えてから調子が良くなったので、アレルギー等のリスクを減らすためにも、リクジロウは子猫フードからノーグレインにしていました。また去勢手術後はササミ肉を炙って半生状態にしたものも朝晩あげているので、徐々にガチムチ体型に。ヒョロ長かった時代が懐かしい!?

細っこい見た目から脱却。

 

リクジロウくん、1歳のお誕生日おめでとう!

保護された時の体の大きさから、5月生まれという見立てをいただき、リクジロウの誕生日は5/11と私が決めました。というわけで、リクジロウくん、めでたく1歳の誕生日を迎えました!おめでとう♪

負けず嫌いで気が強く、だけど甘々ゴロゴロな噛みつき王子。怒ったらガブ、お腹空いたらガブ、嬉しい時もガブ、甘える時もガブ。流血騒ぎになることはほとんどないので、多少の痛みは我慢しますよ、はいっ。

かわいい顔して暴れん坊。

2代目猫店長としての初仕事は、保護猫チャリティイベントでのパネル展示。写真家ねこたろうさんに撮影してもらいました。

偶然が重なって…いや、今思えばリクオの計らいで、保護猫が我が家にやって来ましたが、とても楽しいわちゃわちゃとした日常を過ごしています。

ネコという動物は非常に賢く、無意味なことは一切しません。そのため、同居人にとって迷惑な出来事が起きたら、必ずそこには何かしら改善が必要な問題が潜んでいます。ネコとの暮らしは気付きや発見が多く、ネコ目線での心地良さを追求すると、同居人にとっても心地いい空間ができていたりします。ネコとの暮らし、オススメですよ♪

やんちゃもするけど、かわいい武器で全て免除!

アネカワユウコ

猫本専門 神保町にゃんこ堂/猫本担当 2013年6月、神保町交差点にある姉川書店内に猫本コーナーをオープン。常時600種類、2000冊の猫本を用意。猫店長リクと共に、SNSを用いて猫本情報を発信。著書には『猫本専門 神保町にゃんこ堂のニャンダフルな猫の本100選』(宝島社)『ねこ検定公式ガイドBOOK』(廣済堂出版)がある。 ▶Facebook:神保町にゃんこ堂 ▶HP:にゃんこ堂ポータルサイト ▶主な著書: 『にゃんこ本ベスト100~猫本専門「神田にゃんこ堂」の厳選ガイド』 『猫本専門 神保町…

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