子猫を保護したら。外で暮らしていた子猫はウイルスや寄生虫に感染している可能性が![獣医師コラム]

保護したり、知人から譲り受けたりして、子猫を迎えるケースは多いと思います。今回は子猫を保護したときの注意点についてお話します。
 

保護する場合は覚悟をもって

道端で子猫を見かけると、つい「かわいそうだから」と抱き上げてしまいますが、みだりに触るのはよくありません。たまたまそのとき子猫だけで居たとしても、後から母猫が来るかもしれませんし、警戒心の強い母猫は、その後 子猫の世話をしなくなってしまう可能性もあります。子猫に触れる、保護をするときは、責任を持ってそのコの生涯の面倒をみる、里親を見つけるなどの覚悟が必要なんです。

外で暮らしていた猫は、何らかの病気を持っていると思って

保護したら、まずは動物病院に連れて行き、子猫の月齢や健康状態をみてもらいましょう。外で暮らしていた猫は、猫風邪、猫エイズ、猫白血病等のウイルスや、お腹の虫、ノミ・ダニ等の寄生虫など、様々な病気に感染している可能性が高いのです。もし寄生虫がいれば駆虫薬などで適切な処置をします。先住猫がいる場合はうつりますから、とくにウイルスが感染しないように十分に注意してください。

お腹の虫などは1回の検査では虫卵が見つからないこともありますし、ウイルス感染にしても、感染直後であれば検査をしても正確な結果が出ない場合があります。時期をずらして2~3回検査すると安心です。

 

食事内容や排泄管理は獣医師に聞きながら

食事や排泄については、子猫の月齢や健康状態によって内容や回数が異なります。生後1~2週齢なら、3時間おきに授乳が必要ですし、まだ自力で排泄できないので、陰部やお尻を濡らしたティッシュなどで刺激して排泄を促してあげなければなりません。4~5週齢になれば、そろそろ離乳食を与え、トイレトレーニングも始めることになります。成長段階に応じて、必要なお世話は変わってきます。そういった育て方についても、子猫の状態をみてもらった際に獣医師にアドバイスを求めると良いでしょう。

 

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Petwell 「猫の寄生虫による病気とは?症状・駆除・予防法など」

Petwell 「猫のウイルス感染症とは?予防ワクチンや治療法など」

 

獣医師 田中那津美
グラース動物病院
日本大学動物病院で4年間の研修を終了後、同学総合臨床獣医学研究室 神経科大学院研究生として在籍しながら、グラース動物病院に勤務。獣医神経病学会や獣医麻酔外科学会に所属し、国内外における多数の獣医師学会にて論文発表をするなど、知識とスキルの向上に積極的に取り組んでいる。

 

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PetLIVES編集部

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