オス猫は尿石症になりやすいと聞きます。尿道が狭いため、結石が詰まりやすいからです。そして、尿石症や膀胱炎は冬になりやすいとも聞きます。寒さで水をあまり飲まなくなることや、トイレが寒いとオシッコを我慢してしまうことが原因といわれています。
実は私、オス猫を飼ったのは現在4歳になる「まこ」が初めて。まこは見事に、冬に尿石症になってしまいました!( ゚Д゚)それも生後8か月のときです。若いオスは尿石症になりやすいと聞きますが、本当だった…(汗)
我が家の「まこ」の排泄ポーズ
尿道閉塞がわかったとき
とってもわかりやすい状況でした。まこがトイレに入り、いつもの排尿ポーズをしても、難しい顔をして固まったまま。いったんトイレから出て、再び入るが、また同じポーズで固まったまま。そして「……ァオ~ン……」とか細い声で鳴き出したのです。「まこ、オシッコ出ないの!?」と気づき、トイレの中を確認しましたが、やはり出ていないようでした。
「これは、噂に聞く尿道閉塞…!」
尿道閉塞は、尿石が尿道に詰まり、完全に尿が出なくなってしまった状態。尿が出なくなると丸一日で死に至ることもあるという、恐ろしい病気です。
慌てて動物病院へ駆け込みました。すぐに、尿道にカテーテルを差し込み、尿石を崩すという処置がとられました。普段おとなしいまこが、大暴れです。そりゃそうです、痛そうですもん(汗)。尿石が崩れると…診察台の上にドバーッと、血の混じった大量のオシッコがあふれました。我慢していた分のオシッコが一気に出たのです。
「おチンチン痛いの、もうイヤにゃ!」
その後、投薬等の治療で普通のオシッコに戻ったものの、「尿石ができやすいコ」と決定。その後、冬が来るたびに悩まされることになりました。
2年目の冬は、カテーテルが原因に!?
再び迎えた冬。また尿石症が気になります。そしてその冬私たち夫婦は、10日ほどの海外旅行を予定していました。「留守中にまこが尿石症になったらどうしよう……」心配性の私、家でオシッコを採って検査に出そうと試みますが、なかなかタイミングが合わず、オシッコを採ることができません。多頭飼いなので、その場でオシッコしてもらわない限りは、無理なのです。
「また寒い季節がやって来たニャ?」
旅行の予定はどんどん迫ってきます。「家で採るのは無理だ、病院で採ってもらおう!」そう決めて、かかりつけの病院へ。カテーテルで採尿し検査してもらいました。そのときのオシッコはまあ問題なしということでひと安心。そして旅行に出かけたのですが…旅行先にペットシッターさんから電話が。「まこちゃん、血尿が出てます!」「病院連れてってくださ~い!」とお願いしました…
まこの血尿
おそらくカテーテルが原因です。ちょっと考えればわかることでした。ちょっとググればわかることでした(泣)。ペニスの先に異物を入れるのですから、それが尿道内を傷つけ、炎症を起こすこともあって当然。心配してとった行動がアダになったぁ~~…ていうか先生も教えてくれればいいのにぃ…と後悔した出来事でした。以来、「カテーテルでの採尿は二度としない!」と誓ったのでした。
病院での採尿は、ほかに体の外から直接膀胱に針を刺す方法もあります。が、当然これも動物へのストレス大でしょう。ですからやはり、家庭での採尿が一番なのですが、これもなかなか難しく…皆さん頭を悩ませるところだと思います。採尿方法については後ほどまた語りたいと思います。
尿石症・膀胱炎との闘い再び
それ以来、まこは血尿をよく出すようになってしまいました。最初の尿道閉塞のときは、3か月ですっかりよくなったのに、今回は、一年病院に通い続けてもよくなりません(汗)。しかも、尿中の結石が見当たらないのに、血は出ているという状態。いわゆる、ストレスが原因といわれる特発性膀胱炎です。
「また赤いオシッコ出ちゃったニャ……」
抗生物質や抗炎症剤を与えても、よくならない…。フードを替えても、治らない…。効くというサプリメントをフードに混ぜて与えたら、警戒して食べなくなったり。さすがに困って、別の病院にセカンド・オピニオンを求めました。
この獣医さんも、特発性膀胱炎というのは間違いないだろうとの見解。「ただ、ずっと続けている抗生物質や抗炎症剤は効果がないのだろうから、薬をいったんやめてみてはどうか」というアドバイスをもらいました。
アドバイス通り、投薬をやめてみると…血尿がなくなったんです!も、もしかして毎日の投薬がストレスだったの、まこ??(汗)確かにまこは繊細な性格で、来客があった翌日に血尿を出したりするコです。まこのために良かれと思ってやっていたことが、逆効果だったのかな…。真相はわかりませんが、とにかく、いまは落ち着くことができました。
療法食について
尿石があったときは、獣医さんの指示でロイヤルカナンの療法食「pHコントロール」を与えていました。この「pHコントロール」は病状に合わせて何段階も種類があって、尿検査をしながら「だいぶ良くなってきたから次は『ライト』を与えてみましょうか」という感じで変えていきました。
尿石がなくなった現在は、ヒルズのc/d マルチケアコンフォートを与えています。ストレスが原因の特発性膀胱炎に特化したフードで、ぴったりだと思ったからです。1粒あたりのカロリーが高めなので小食のまこにはちょうどいいのではと思っています。
飲み水について
尿石症や膀胱炎は、水を飲む量が少ないとかかりやすくなります。見ていると、まこはあまり水を積極的に飲まないタイプのようで、ほかの猫はドライフードを食べた後すぐに水を飲んでいるのにまこは飲んでいません…
たくさん水を飲ませる方法としては、水皿をあちこちに用意するなどが定番ですが、私はシリンジで水をなるべく飲ませるようにしていました。まこはおとなしいのでこの方法でも飲んでくれます。
家庭での採尿方法あれこれ
オシッコ検査は、猫の健康チェックで欠かせません。膀胱炎や尿石症にかかったときはもちろんですが、健康に見えるときから定期的に行うのが一番。隠れた病気が見つかることもあるからです。前述したように、病院での採尿はリスクが高いため、家庭での採尿が一番です。
多頭飼いだとトイレを見張っていないと誰のオシッコかわからないため、ますます採尿へのハードルが高く…!
*余談ですが、我が家の老猫・ちびは、病院に連れて行くと高い確率で診察台の上でお漏らしをするため、これはこれで採尿しやすいです…(笑)
システムトイレなら、下のトレイのマットを外してしまえば、下に落ちたオシッコを採ればいいだけなので簡単ですよね。
固まるトイレ砂を使っているご家庭では、採尿が難しいですよね。猫が排尿しているときに、お玉を差し入れるという方法があるようですが、これって本当に可能でしょうか…!?繊細な性格の猫ちゃんは警戒してしまいそう。同じ差し入れる方法でも、すぐに吸収できるウロキャッチャーのほうが楽そうです。
砂の上に小さくカットしたシートを置いて、かかった尿を採尿します ※写真提供:PEPPY
ウロキャッチャーと同じように、シートが吸収した尿をあとから絞って検査に使うという方法ですが、下に敷けるほうが猫も違和感を感じなさそうですよね。シートはカットして小さくもできるので、使い勝手もよさそうです。システムトイレの下に敷いて採尿することもできるそう。
なるほど。トレイを空にしてオシッコを下に落とす方法では、トイレ容器にゴミや細菌が付着していると、ちゃんとした検査結果が出すことができませんが、このシートを敷くほうが簡単かつ正確かもしれませんね。
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