田代島は宮城県石巻港から約15km南東に位置し、人口は約60人に対し、猫は150匹ほど。まさに「猫の島」。
いざ1年ぶりに猫たちに会いに田代島へ
台風26号が過ぎ去った10月16日、いざ新宿から宮城県石巻市直行の夜行バスで猫の島で有名になった田代島へ向かいました。
日和山より 石ノ森漫画館 方向を望む
田代島訪問は昨年札幌で開催した「北の猫たち展」の売上げの一部を寄付するために来て以来の1年ぶりの訪問です。
今回の目的は島の猫たちにまた逢いたかった事と、約2ヵ月毎に島の猫の健康管理をしているドイツ在中の獣医師クレス先生と、島の猫を撮り続けている写真家の田中良直さんのボランティア活動取材をする事でした。
石巻市に早朝着いたときは快晴で心配した台風による波の影響もフェリーの出航に問題ないとのことで一安心。
午前中に石巻市教育委員長と面会、猫展が石巻市で開催できるか協議させて頂き、フェリー乗場へと向かいました。12時の出航まで時間があったので近くの日和山に登り展望台より石巻市を望みました。
日和山より海側方向を望む。瓦礫な無くなったが建物があった場所は空き地のままで震災の痕が残っている
島へ渡るための網地島ラインのフェリー。1日に3往復運行、田代島まで片道1,200円
猫たちとの再会
フェリーにはクレス先生と共に乗船。田中さんは朝の便で一足先に島に渡っています。クレス先生と楽しい猫談議で約45分、田代島の仁斗田港に到着しました。猫島だからって、港に着いてすぐに猫たちのお迎えはありません。
田中さんと合流し、今日宿泊する民宿のはま屋さんに荷物を預けさっそく島の猫巡りに出かけました。
猫は島のどこにでも居るというわけではなく、それぞれご飯の貰えるポイントなどに十数匹づつ固まって暮らしています。
仁斗田港番屋付近にいる猫たち。白黒猫がほとんど、親子、兄弟かな
まずは仁斗田港の番屋廻りの猫たち。
今年も夏生まれの子猫がたくさんいました。港付近の猫たちの特色は黒猫や白黒猫が多いようです。
今回の目的は島の猫の健康管理なので、子猫にワクチン注射と風邪を引いている猫などには抗生物質や目薬の治療をします。
番屋裏からぞくぞく現れる猫たち
迎えてくれた白猫の子猫。よろしくね
電波塔付近の猫たち
次に島の中央付近にある電波塔に移りました。
ちょうど猫のご飯をあげるおじさんと一緒になりました。ここは雉白の猫が多いようですね。
まずは子猫に予防注射から。おじさんに押さえてもらいながらクレス先生が注射
おじさんにご飯をもらう猫たち。後ろの赤ジャケットは写真家の田中良直さん
民家廻りの猫たち
電波塔から仁斗田港よりに下り猫好きな方のお宅の納屋にいる猫たちにも挨拶。
ここの猫たちはバラェティに富んだ模様です。
写真家の田中良直さんと猫
獣医師のクレス先生と猫
ここでもクレス先生と田中さんの連携で子猫に注射
もう少し下って炊事場がある交差点に来ました。猫たちを撮っているとお母さんが炊事場へ来ました、猫まっしぐらです。
猫たち、すごい勢いで集まってきます!
待ちきれない猫たち。うらやましい光景
やっとご飯にありついた猫たち。ご飯はカリカリでした
猫に囲まれる男
田中さんのカメラをチェックする猫。「僕はイケニャンに写ってるかニャ」
ここでも猫の健康診断
石巻市内から避難してきた猫
炊事場から近くの猫好きなお宅への訪問。
三毛猫は今年、白の長毛猫は昨年、市内から非難してここの家族に預けられました
昨年来た時はここのお母さんにお茶をごちそうになり、地震がきた時のお話を聞かせていただきました。海が割れて波の壁ができたそうです。いつも見えている対岸の牡鹿半島が見えなくなるほどの高さになったそうです。ここには石巻市から避難してきた猫がいます。
おとうさんは優しい眼差しで猫を見ていました
田代島には今まで三毛猫はいませんでした。市内から被災して飼えなくなった知人の猫だそうです
民宿はま屋で猫談議
初日の猫巡りはこれで終わり、宿泊先の大泊港にある漁師民宿のはま屋さんへ。
漁師民宿「はま屋」さん、猫たちがお出迎え
濱さんご夫婦は趣味の釣りが高じて田代島へ移住し民宿を始めたそうですが、大の猫好きでもあったので島の猫の行く末を案じて色々活動をしている方です。
実際、濱さんの飼い猫も別棟に居るのですが、宿の中には猫はいません。
でも宿の外には島猫がちゃんといますよ。
はま屋さんの雰囲気ある囲炉裏端。奥には猫の小物が飾ってあります
宿泊客などが置いていった猫の小物がいっぱい
今日1日の冷えた体を温かいお風呂で癒し、美味しい晩ご飯を頂きながらクレス先生、田中さん、濱さんと猫談議に花が咲きました。
10数年後には島民がほとんど居なくなる限界集落である田代島の将来をどうするか、猫のために今何をするべきか話し合いました。
来年は猫のための診療所を作る予定、そこを拠点に住人が減っても猫がこのまま島で生活出来る様に協力して頂ける人材を集め、猫という観光資源を生かした施設を作ったりして、人と猫が今まで通り共存できないだろうかなどと話は尽きません。
でも、明日の早朝港に漁師さんのお魚目当てに来る猫たちに会うため、私たちは早めに床に就いたのでした。
今日のメインはカキ鍋でした。カキがジューシーで美味しかった
残念ながら、今回は台風の後でお魚が取れずお刺身はナシ。でもシャケやイクラは激ウマでした!
[田代島概要]
田代島は宮城県石巻市に属する島。石巻港から約15km南東に位置し、島内には仁斗田と大泊の2集落と港がある。人口は現在60人ほどで猫は150匹ほどいます。
島に渡るには綱地島ラインというフェリーが1日3往復運行しています。詳しくは綱地島ラインHPを見て下さい。島のほぼ中央に猫神社があり、江戸時代より大漁の守護神である「猫神様」が祀られています。
ちなみに今までは猫神社廻りには猫は居なかったが、最近はねこ太郎と呼ばれる雄猫がいる事が確認されています。
最近は猫目当ての観光客も多いのですが、島内に食堂やお昼を買うお店は無く、島に渡る前に石巻市で用意して行くといいです。
公衆トイレも港にしか無いので注意が必要です。
*
次回は猫の島、田代島レポート(後編)です。
早朝漁師さんのお魚を分けてもらう猫、お魚くわえた猫、猫神様の猫神社、有名猫のねこ太郎登場など前編以上に猫づくしです。乞うご期待!
まだまだ続く!田代島レポート【後編】はコチラ
◆愛猫ギャラリー 【今日の一休と海】
一休さん、それって楽なの?
日本あご乗せ猫協会(会長: 清水)から、あご乗せ2級の認定をされました(笑)
キャットライフ・キュレーター 清水満
一級建築士・愛玩動物飼養管理士
一般社団法人ペットライフデザイン協会 代表理事
猫作家プロデューサーペットイベントプロデューサー・猫関係セミナー講師
北海道生まれ。北海道の大自然の中、たくさんの動物たち(家畜・ペット・野生動物)と触れ合う環境で育ちました。もちろん動物大好き、猫大大好きです。大学卒業後はインテリアデザイナーを目指して東京へ。建築設計事務所、インテリアデザイン事務所に勤務の後、30歳の時、建築インテリア設計事務所「スタジオ・ナビ」を設立し独立。主にレストランや自動車のショールームなどの商業施設設計やマンションの企画などをしていましたが、愛猫の一休、海との路上での運命の出会いから、ペットと幸せに暮らす住宅の事を考えはじめ「わんにゃん健康住宅研究所」を立ち上げました。現在「ペット専門建築士」として活動中です。また、設計活動の傍ら「北の猫たち展」(札幌開催)などの展示会開催や猫作家支援、イベントの企画及び参加、TV出演など幅広く猫の専門家として活躍しています。
▶HP:わんにゃん健康住宅研究所
▶ブログ:猫の一休建築士