今回は私(わんにゃん健康住宅研究所)がデザインと設計を頼まれた、猫たちと暮らすためのマンションリフォームの最新実例をご紹介したいと思います。
本棚で仕切られた食事台で食事する猫たち
今回の内容工事上のポイントは、解体工事をしなかったこと
マンションの場合、大きな音が出る解体工事や下地工事は他の住人からのクレームの元になります。解体によるホコリや汚れも問題になります。
解体工事がないことで、現場での下地工事などの大工工事もしなくて済み、家具は工場で制作し設置するだけなので工事期間も短くなります。ゴミも少なくて環境にやさしく、コストも抑えられました。
キャットウォーク設置では、ここに注意!
この住宅では猫が床に降りずにリビングを一周できるように、キャットウォークなどを設計していますが、複数の猫と暮らしている住宅にキャットウォークを設置する場合の注意事項をいくつか挙げておきます。
●キャットウォークはワンウェイ(一方通行)ではなく、2方向以上から上り下りできるようにする。
●できれば2匹すれ違える幅がほしい。
●掃除ができない所には設置しない。
●ガラスを使用する場合は地震対策をする。
猫たちと一緒にキャットウォークを伝って、リビングを一周してみよう
(1)本棚の最上段は猫が通り抜けられるように穴が開けられています。リビング玄関ドアの上部にはガラスキャットウォークを設置。
(2)本棚の潜り穴を通る猫。
(3)本棚を潜り終わると、ガラスキャットウォークへ。
(4)そこから、トン、トンと壁ステップを下ります。
(5)ちょっと一休み。可動ステップ家具にたたずむ子猫。
(6)窓の上部にもキャットウォークが巡らされており、その中間につなぎボックスがあります。
(7)絶景かな。ボックスから覗く子猫がかわいい。
(8)続いて、キッチン前面の下がり壁の下に取付けられたキャットウォークへ。
(9)3匹仲良く遊ぶ猫たち。
(10)コーナーステップからガラスキャットウォークへ。このキャットウォークは本棚へと続き、これにてめでたくリビングを一周!
(11)ガラスキャットウォークから下をみる子猫。肉球フェチにはたまらない眺めです。
猫のための健康住宅
一戸建て住宅を建てるときやマンションのリフォームをするときに、すべて自然素材の材料で造ることができれば理想でしょう。でも、現在の住宅事情ではコストなどの問題で、多くの住宅が人工素材の建材を大なり小なり使って造っています。
今回の事例でも、プリント化粧板やガラスなど人工素材の建材を使用しました。
よく考えてください。猫が室内にいるかぎり自然素材だろうが人工素材だろうが、そこは猫にとっては人の手が加わった自然じゃない空間なのです。
私は猫の行動欲求を満たしてあげて、ストレスのかからないリラックスできる空間を猫に与えることが、猫のための健康住宅なのではないかと今は考えています。ですので、人工素材を使うことにはそれほどの抵抗は持っていません(でも有害物質には関心があります) 。
他にも住宅設備や室内汚染のことなど、猫のために住宅環境について考えなければならないことはたくさんありますが、それは後々取り上げていきます。
★愛猫との快適な暮らしをお考えの方はコチラまでご連絡ください▼
担当:清水
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◆愛猫ギャラリー 【今日の一休と海】
「近いよ!」
一緒に猫ベットに寝ていたので写真を撮ろうとしたら、一休が起きてしまいました。
次回は、猫の島として有名な「田代島」のレポートです。乞うご期待!
キャットライフ・キュレーター 清水満
一級建築士・愛玩動物飼養管理士
一般社団法人ペットライフデザイン協会 代表理事
猫作家プロデューサーペットイベントプロデューサー・猫関係セミナー講師
北海道生まれ。北海道の大自然の中、たくさんの動物たち(家畜・ペット・野生動物)と触れ合う環境で育ちました。もちろん動物大好き、猫大大好きです。大学卒業後はインテリアデザイナーを目指して東京へ。建築設計事務所、インテリアデザイン事務所に勤務の後、30歳の時、建築インテリア設計事務所「スタジオ・ナビ」を設立し独立。主にレストランや自動車のショールームなどの商業施設設計やマンションの企画などをしていましたが、愛猫の一休、海との路上での運命の出会いから、ペットと幸せに暮らす住宅の事を考えはじめ「わんにゃん健康住宅研究所」を立ち上げました。現在「ペット専門建築士」として活動中です。また、設計活動の傍ら「北の猫たち展」(札幌開催)などの展示会開催や猫作家支援、イベントの企画及び参加、TV出演など幅広く猫の専門家として活躍しています。
▶HP:わんにゃん健康住宅研究所
▶ブログ:猫の一休建築士