シニア猫のケア介護、どこまで自分で?「動物看護師」に頼める在宅ケアサポートに同行。

今や猫の平均寿命は15歳を超え、20歳を超える猫もめずらしくありません。「うちのコ」にはいつまでも長生きしてほしいけれど、年を取るにつれ、通院の機会が増え、投薬などのケアが必要になることも。薬が上手に飲ませられない、愛猫の具合が気がかりでも仕事を休むことができないなど、健康上の心配ごとや悩みも増えてきます。

そんな飼い主さんのために登場した、動物看護師の資格をもつペットシッターさんが在宅での訪問介護・看護や動物病院への受診代行などを行う「CARE PETS(ケアペッツ)」のケアサービスの現場に密着。20歳の高齢猫のケアの様子をレポートします。

CARE PETS(ケアペッツ)川口店
ペットケアサポート:草野裕美さん [動物看護師]

リピーター率ナンバー1 の人気ケアシッター。自身も猫5匹の飼い主。「子どもの頃からいつも側に動物がいて、とても大切な存在でした。実家の犬の介護をして、家族だけで世話をすることの大変さを実感しました。今は猫ちゃんのシッティングを中心に、介護のご依頼も増えています。留守中に命に関わる持病をもっている猫ちゃんの様子を観察して知らせてほしい、薬を飲ませてほしいというご依頼も多く、『動物看護師さんだから安心』と言っていただき励みになります。家族の一員であるペットのお世話に通う私も家族のように受け入れてくれる飼い主さんもいて、温かい気持ちになりながら、ケアに取り組んでいます。

 ▸ サービスを利用する飼い主さん&愛猫

春田さん(東京都武蔵野市)&モジャちゃん(推定20歳/オス)・ローリーちゃん(推定20歳/オス)

「2匹とも保護猫。引き取った時にはすでにけっこう年を取っていて、今ではどちらも推定で20歳を超えています。モジャもローリーも薬を飲んでいて、動物病院に連れて行く機会も増えました。他にも猫が4匹いるので、猫の世話に追われる日々です」

 
 

まずは健康状態のカウンセリングから

動物が大好きで、長年地域猫のボランティア活動も行ってきた70代の春田さんは、現在、ご主人と6匹の猫と暮らしています。猫の世話を行うのはすべて春田さん。1階では高齢のモジャちゃんとローリーちゃん、2階ではそれ以外の猫たちが過ごしているため、毎日階段を上り下りして、6つの猫トイレの掃除をするだけでも高齢の春田さんには骨の折れる作業です。さらに1~2ヶ月に一度はモジャちゃんの診察と心臓の薬をもらうために、動物病院に連れていきます。

最近、春田さん自身も体調がすぐれずに通院することが多くなり、高齢の猫を抱えて「老老介護」の日々を送っています。今回、春田さんが1泊2日で家を空けることになり、気がかりのモジャちゃんとローリーちゃんの訪問介護・看護と、動物病院に連れて行ってもらう受診代行サービスを利用することにしました。

「こんにちは。ケアペッツの草野と申します。よろしくお願いします」

 
●猫たちの健康状態
初回は顔合わせも兼ねて事前打ち合わせ。モジャちゃん、ローリーちゃんの現在の健康状態と日頃の自宅での看護の状況、依頼したいケアの内容などをカウンセリングしながら、カルテを作成していきます。

モジャちゃんは推定20歳のご長寿猫
「モジャは猫エイズのキャリアで去年、歯を全部抜きました。心臓が悪くて薬を飲んでいますし、腎臓のサプリもあげています。ローリーもお腹の薬を飲んでいます」(春田さん)

今回は食事の世話やトイレの掃除といった一連のお世話だけでなく、飼い主さんが投薬や健康チェックなども希望されているので、薬の種類や与え方などをしっかりと確認します。

薬がいっぱい!飼い主さんの説明をしっかり把握するためにカウンセリングシートに記入しながら、一つずつ確認します。

 

●食事内容の確認
ごはんの内容や量、与え方や薬の混ぜ方、食欲などについてもより具体的に聞き取ります。飲み水の種類、食器の洗い方(洗剤を使うかどうかなど)、食べ残しの処分の仕方なども確認します。

「食器がたくさんありますが、どれを使えばいいですか?」(草野さん)
「どれでもOK。モジャは食が細いので、心臓の薬をあげるときは上に好物のほたての貝柱を刻んで乗せるとよく食べてくれます。飲み水はミネラルウォーターを飲ませています」(春田さん)

 

●トイレの掃除の確認
猫砂の種類を確認し、排泄済みの猫砂の処理の方法や、普段の排泄物の状態などもしっかり確認します。

「排泄後の猫砂はどのように処理したらよろしいですか?モジャちゃんは腎臓も悪いということなのでオシッコの量は日頃から多めですか?」(草野さん)
「おからの砂なのでオシッコとウンチはトイレに流してください。モジャのオシッコの量はけっこう多いですね。ローリーはウンチがゆるくなることがあります」(春田さん)

 
●診察券・キャリーバッグの確認
今回は、モジャちゃんを動物病院に連れて行く受診代行サービスを希望されているので、診察やキャリーバッグ、動物病院の場所や病院での様子などについても確認します。

「動物病院に行く前に電話をして診察券番号を伝えてから、モジャを連れていって診察を受け、心臓の薬をもらってきてください。モジャは病院でもおとなしいですよ」(春田さん)

 
●契約・鍵の受け渡し
ひと通りの確認事項が済んだ後、サービス内容の確認と料金を説明します。今回は、1時間の「訪問介護・看護」料金3,500円+受診代行3,500円でトータル7,000円*。(*料金はエリアによって異なります。また、看護師の往復交通費が別途かかります。)ケアの報告は、LINE、メール、紙の報告書(書面)などがありますが、今回は携帯へのメールと書面になりました。

「報告書はテーブルに置いて大丈夫ですか?もし猫ちゃんがテーブルに乗るようでしたら、紙で滑ると危ないので」と確認する草野さん。そんなところにまで気を配っているのかと、とても感心しました!最後に契約手続きを行い、合い鍵をお預かりしました(鍵の返却は、基本的に郵送or直接のお渡しですが今回はお客様のご希望で鍵付きのポストに返却になりました)

料金や契約内容、注意点などもしっかり説明して「よろしくお願いします」

 

利用当日、動物看護師による訪問ケアとは

さて、当日。「こんにちは〜」。猫たちが外に飛び出さないように慎重に玄関のドアを開けて室内に入ります。まずはモジャちゃんとローリーちゃんの所在確認。

あ〜いたいた!お気に入りの窓際でふたり揃って寝ていたようです。

体調をくずしている様子はないか、嘔吐、オシッコやウンチに問題はないかなど、まずは健康状態をチェック。異常がないことを確認してからケアに取りかかります。
*ケアの様子は、シッターの胸元につけたウェアラブルカメラによって動画を記録し、飼い主さんが確認することができます。

■動物看護師シッターさんのお仕事7つ道具
(左から)ティッシュ、タオル、懐中電灯(壁や床などを照らして動かすと猫が興味を持ってくれるので、警戒心を紛らわす遊び道具としても使えます!)、ラバーブラシ、爪切り、使い捨てビニール手袋、ペット用ウェットティッシュ、ごみ袋、粘着コロコロテープなど。

 
●ごはんと投薬

ごはんをちゃんと食べていることを確認し、食器を洗って食事の準備に取りかかります。

モジャちゃんのごはんには、飼い主さんからの指示通り、薬を混ぜて与えます。

「はい、お待たせしました。しっかり食べてね〜」

食べている様子もしっかり観察します。「ローリーちゃん、おいしいね〜」

 
●トイレの掃除
ウンチやオシッコは健康のバロメーター。健康チェックのために状態をしっかりと確認しながら掃除をします。

「オシッコもちゃんと出てますね。ローリーちゃんのお腹の調子もよさそうです」

 
●ボディチェック
ブラッシングなどでスキンシップをしながら、ボディチェックを行います。

「ローリーちゃんはお尻の周りも汚れていなくてきれいですね。ちょっと大きな目やにがついているので、これは取りましょうね」

モジャちゃんはブラッシングをしながら。「モジャちゃんも落ち着いていますね。呼吸も安定しているし、体を触っても痛がるところもないし、大丈夫そうですね」

草野さんのブラッシングにうっとりのモジャちゃん。

 

受診代行、いざ動物病院へ!

モジャちゃんとすっかり打ち解けたところで、動物病院に連れて行きます。ケアペッツのシッターさんは全員が動物看護師ですから、獣医師からの専門的な説明もわかりやすくかみ砕いて飼い主さんに報告してくれます。

定期的に通院しているだけあって、モジャちゃんは嫌がることなくキャリーバッグに入ります。

「さあモジャちゃん、ちょっと行ってこようね。大丈夫だよ〜」。やさしくモジャちゃんに声をかけます。

動物病院で草野さんは先生の説明のメモを取り、診察の様子もスマホで撮影。この日のモジャちゃんの容態は安定していて、大きな変化もなく、いつもと同じ心臓の薬を処方してもらいました。次回の来院はまた1ヶ月後です。診察の内容と受診代行終了の報告は、飼い主さんの携帯電話にメールで連絡を入れました。

飼い主さんの携帯には、診察室での様子の写真がメールで届きます。

 

●すべて終了後に報告書を作成

モジャちゃんとお家に戻り、本日のケアはひと通り終了。最後にモジャちゃんとローリーちゃんの健康状態、お世話の内容などを報告書にまとめました。ケア中に撮った猫たちの様子を伝える写真はメールで送りました。

報告書はできる限り詳細な内容を伝えます。

「猫ちゃんのお世話に行くと、隠れてしまって出て来てくれないことも多いのですが、モジャちゃんもローリーちゃんもフレンドリーで、おとなしくケアをさせてくれました。健康状態も安定していたし、今日はとてもうれしかったです!」(草野さん)

 

飼い主さんの感想「受診代行はとても助かりました」

「長年、猫の世話も在宅看護も看取りも自分でやって来ていますが、年とともに少しずつしんどくなってきました。今、特に大変なのが猫の通院。膝が痛くて、猫を背負っていくのがつらい時もあります。私の体調をくずした時、これまでは猫友達がサポートをしてくれていましたが、動物看護師さんがケアしてくれるなら安心してお願いできますね」

「体調に変化がなくてよかった。ふたりともいいコにできたのね。報告書や送ってもらった写真で様子がわかって安心できました」(春田さん)

ペットも高齢化時代も迎え、介護や看護を必要とする犬や猫も増えていて、飼い主さんの中には手探りで在宅ケアに取り込んでいる方が大勢います。

また、今回のような「老老介護」も決して少なくありません。犬猫の健康に関するプロの動物看護師によるサポートはとても心強い味方になってくれそうです。(PetLIVES編集部)

(写真/Roco)

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株式会社CARE PETS(ケアペッツ)
業界初! ペットシッターが全員、動物看護師の資格を持つ女性で、愛犬・愛猫の介護・看護・ペットシッターなどのホームケアサービスを提供。CARE PETS(ケアペッツ)の理念は「人間福祉と動物福祉の追求」です。人と動物の共生社会を実現するために、「人と動物の地域包括ケアシステム」づくりを行って、全国に80店舗(2018年2月末現在)を展開しています。

【サービス内容】
ペットシッター/訪問介護・看護/受診代行/ペットの救急車/老犬ホーム/ペット共生型サービス付き高齢者向け住宅など

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これはとっても心強い! 話題の「動物看護師」による高齢犬のケアサービスに密着してみました

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